アトピー性皮膚炎(首こり、肩こり、腰痛、下肢の痺れ、末端冷え性、下痢)

アトピー性皮膚炎(首こり、肩こり、腰痛、下肢の痺れ、末端冷え性、下痢)

肌の赤みや痒みが消えてステロイドの塗り薬を手放すことができた!

40代女性
来院に至った経緯
仕事はデスクワークでパソコン作業がずっと続くが、コロナウイルス騒動以降はテレワークとなり、ほとんど動かずにパソコン作業の日々だった。

テレワークになってちょうど1年が経った頃、鏡で自分の顔を見た時に顔が赤いような気がした。顔の赤みはどんどん酷くなり、家族からもお母さん顔赤いよと心配されるほどだった。

思い返すと20年前にも全身に発疹が出ていた。そのときは発熱も続いたため、病院の先生に膠原病(こうげんびょう)かもとしれないと言われて、精密検査を受けたが原因不明だった。当時は、自分で食事療法を試してみると発疹は意外と早く引いた。

今回も食事療法を行ってみたが、何をやっても顔の赤みが引くことはなかった。次第に体にも発赤が出るようになり痒みも出ていたため病院で血液検査を受けるとアトピー性皮膚炎だと診断され、ステロイドの塗り薬を処方された。

ステロイドの塗り薬は、使用すると確かに痒みは引いたが、周囲の人達から口をそろえてステロイドは体に悪いと警告された。自分でもステロイドが体に悪いということは分かっていたが、夜になると痒みが特に酷くなり眠れなくなってしまうので渋々使っていた。

社会人1年目のときにぎっくり腰をやってから、3年に一度くらいのペースでぎっくり腰を繰り返していた。当時は、腕の良い針治療をしてくれる先生が近所にいて、腰を痛めるたびに針治療をしてもらっていたが、5年前に針の先生が引退されてしまった。

そのため体のメンテナンスもここ5年間はまったく行っておらず、コロナ以降テレワークが続いていたため運動不足もあるのかもしれないと思い、毎朝30分ほどのジョギングを行うことにした。

2か月前に朝のジョギングをしているときに、右脚のすねに電気のようなものが走り、それから痛みに似た痺れのようなものが取れなくなった。ぎっくり腰をやったときも2か月間くらいは腰の痛みが続くので、今回のすねも2ヶ月も経てば消えるだろうと思っていたが、まったく治る気配がなかった。

近所の整体院に行ってみたが、体の力をぬいてくださいと何度も指摘された。そういえば針の先生にも、何度も体の力をぬいてと指摘されていたなと思いだした。子供の頃から首こりや肩こりを感じていたのは、体の力がぬけないことが原因なのかと初めて気づいた。

結局、整体に2か月間週2回のペースで通い続けたが、右脚のすねの痛みや痺れは変化がなかった。高校生の頃から末端冷え性や下痢症状があり、年齢的にもきちんとしたところで体のメンテナンスをしなさいということかと思い、多少遠くても腕のある先生に診てもらおうと思った。

そんなときYoutubeで塩川満章先生という人の動画を見る機会があった。銀座の塩川カイロプラクティック治療室に問い合わせてみると、「神奈川県の藤沢市でしたら副院長の前田先生が藤沢駅前で開院されていますよ」と教えてもらった。

遠くまで通う覚悟だったが、まさか最寄り駅からすぐ近くの藤沢駅前に塩川先生のお弟子さんがいるとは思わず、これは運命だと思い当院に来院された。


【神奈川県藤沢市湘南台から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    右仙骨翼の強い浮腫感

  • 03

    頸部胸鎖乳突筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また右仙骨翼と右後頭部に強い浮腫が確認され、腰部起立筋と頸部胸鎖乳突筋は過緊張の状態であった。また全身の過緊張がぬけないような状態で、本人もどのように力をぬいたらいいのか分からないという状態だった。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD6レベルで重度の骨盤の傾きが確認された。首の椎間板の段階は慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週3回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

4週目(4回目のアジャストメント)には、右脚のすねにあった痛みのような痺れはほとんど気にならなくなった。

7週目(7回目のアジャストメント)には、慢性的な腰痛もそれほど気にならなくなり、歩けば歩くほど腰が軽いと感じるようになった。顔の赤みが徐々に引いてきた。また手足が温かいと感じるようになった。いつもはお風呂上りでもすぐに手足が冷えてしまっていたが、一度温まればそれほど冷えを感じなくなった。

10週目(10回目のアジャストメント)には、全身の過緊張がぬけてきていることが自分でも感じられるようになった。顔の赤みが引いてきているのが自分だけではなく、家族にも言われるようになった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができたが、本人の強い希望で週1回のケアを継続することにした。

16週目(16回目のアジャストメント)には、全身に広がっていたアトピー性皮膚炎はかなり赤みが引いてきた。痒みはまったくなくなったため、ステロイドの塗り薬を手放すことができた。また学生の頃からあった慢性的な下痢症状も、それほど気にならなくなった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回のアトピー性皮膚炎は、自律神経の乱れが最大の原因であったと考えられる。検査では骨盤部と上部頸椎に強い反応が確認されたが、どちらも副交感神経支配の部位となる。副交感神経支配にサブラクセーション(根本原因)があることで、交感神経が過剰に働き、自律神経のバランスを乱していたのだろう。

アトピー性皮膚炎では、副腎皮質ホルモンが関係しているケースが多いが、副腎の支配領域である下部胸椎は骨盤部の乱れによって背骨の配列が乱れて2次的要素での負担が掛かっていること多くみられる。今回のケースでも副腎の支配領域である下部胸椎は補正であった可能性が極めて高い。

人間は体の各ホルモン分泌器官と脳が神経を介して情報のやり取りを常に行うことで、体内のホルモンバランスを保っている。ホルモンの分泌は多すぎても少なすぎても、体にとっては悪影響となってしまう。

学生時代から続いていた下痢症状は、体に溜まった毒素を体外へ排出させようとしていた結果であったと考えられる。通常、腸の蠕動運動は副交感神経が優位なときに活発となるが、自律神経の乱れによって体の排毒作用が低下したため、交感神経が過剰に働き毒素を排出させようとした結果、下痢症状を起こしていたと考えられる。

コロナ以降のテレワーク後からアトピー性皮膚炎が酷くなったことを考えると、動かなくなったことで体の代謝がさらに低下して毒素が停滞しやすい体内環境になったことで、下痢として体外に毒素を排出させるだけでは排毒作業が間に合わず、アトピー性皮膚炎となって肌から毒素を輩出していたものと考えられる。

学生時代から感じていた首こりや肩こりは、交感神経が過剰になり、体が過緊張を起こしていたものと考えられる。首こりや肩こりは2種類あり、骨格の乱れによって頭部の重さを支えきれずに首や肩の筋肉を緊張させるケースもある。今回の首こり、肩こりは他の症状をあわせて考えても、明らかに交感神経が過剰に働いたことでの過緊張であったと考えられる。

慢性的だった腰痛も、骨盤部の乱れから腰部の神経に必要以上の負荷が掛り続けていたことが考えられる。腰部や骨盤部から下肢へと伸びる神経に負荷が掛り続けていたことで、右すねに痛みのような痺れが出ていたのだろう。痛みの感覚は、「正常→痛み→痺れ→麻痺」の順番で進行してしまうため、痛みに似た痺れというのはそれほど慢性的に神経を損傷していたものと考えられる。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、自律神経のバランスが整った結果、アトピー性皮膚炎のみならずさまざまな症状の改善に繋がったと考えられる。学生時代から20年以上出ている症状もあったが、検査によって問題の神経系を特定し、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
アトピー性皮膚炎(首こり、肩こり、腰痛、下肢の痺れ、末端冷え性、下痢)
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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