下痢(不眠症、頭痛、体重低下)

下痢(不眠症、頭痛、体重低下)

通学時にトイレを気にしなくてよくなった!

20代男性
来院に至った経緯
小学生の頃から慢性的な下痢が続いていた。朝礼や授業中でも頻繁にトイレに行き、同級生からはからかわれていた。1日に何度もトイレに行くため、常にトイレの位置を気にしている生活が続いていた。

小学3年生からサッカーをやるようになったが、試合中にもトイレに行きたくなった。サッカーは一度交代すると試合には戻れないため、その間10人で試合をしなければならず、何度もチームに迷惑を掛けた。

それでも中学生まではまだ良かったが、高校生になると電車通学をすることになり、いつも腹痛のような前兆もなく、突然トイレに行きたくなるため、どこの駅で降りてもすぐにトイレに駆け込めるように各駅のトイレの位置を把握しておく必要があった。

この頃から同年代の人と比べて痩せており、サッカーでも当たり負けをすることが多くなった。子供の頃からガリガリ体型で、どれだけ食べても太ることができず、それが高校生になり同年代の選手が大人の身体になっていくにつれて顕著に体重差となって表れるようになった。

大学生になっても下痢は続いたが、夕方になるとほぼ毎日のように頭痛がするようになった。また睡眠の質が悪くなり、寝入りに時間が掛かるようになった。布団に入って2~3時間眠れなかったり、寝ても1時間くらいで目を覚ましてしまうようになった。

これから就職活動の時期で、どうしたらいいのか分からず、病院へ行くと下痢止めの漢方と睡眠薬を処方された。薬を飲むと夜は眠れても日中ボーっとしてしまい、就職活動にもまったく身が入らなくなってしまった。

あるとき、Youtubeで塩川満章先生という人の動画を見た。動画内でさまざまな症状の人が治っていくというのを見て、最初は「本当かな?」と懐疑的だった。動画では自律神経の問題の人でも治ったとあったので、このまま薬に頼っても良いことはないし受けてみたいなと思った。

調べてみるとすぐ近くの藤沢駅で塩川満章先生の弟子で、銀座の塩川カイロプラクティック治療室で副院長まで務めていた前田先生という人が開院されていることを知った。就職活動中で忙しく、何度も銀座までは通えないなと思っていたので、すぐ近くの藤沢駅なら通える距離だなと思い、当院に来院された。


【神奈川県横浜市戸塚区から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    右後頭部の強い浮腫感

  • 03

    右頸部胸鎖乳突筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節と右上部頸椎には明らかな可動域制限があった。また右後頭部には強い浮腫感も確認された。

体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかな左右の温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD3レベルで重度の骨盤の傾きも確認された。また椎骨の変性も確認されたため、初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、就職活動で忙しい時期だったため週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、ほぼ毎日のように感じていた夕方以降の頭痛はまったく感じなくなった。

5週目(5回目のアジャストメント)には、睡眠薬無しでも普通に眠れるようになったため、睡眠薬を手放すことができた。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

9週目(7回目のアジャストメント)には、この1週間前から下痢止めの漢方をやめていたが、下痢の頻度が明らかに減ってきた。

17週目(11回目のアジャストメント)には、下痢はまったく気にならなくなった。通学中の電車内でも、就職活動での面接のような緊張する場面でもトイレのことは気にしなくてよくなった。

現在は、下痢、不眠症、頭痛などは治まったが、このまま続けていれば体重も徐々に増えるのかもしれないという思いで、ケアのペースを1か月に一度に広げてカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の下痢の原因は、自律神経の乱れが最大の原因だったと考えられる。下痢には2種類あり、腹痛を伴う下痢と、痛みは伴わないが1日に何度もトイレに行きたくなるような水が流れるような下痢がある。

今回の下痢は完全に後者であり、その場合の下痢は交感神経が過剰に働いている人の特徴となる。今回は骨盤部と上部頸椎というどちらも副交感神経支配の部位にサブラクセーション(根本原因)があったことで、交感神経が過剰に働いた結果、自律神経のバランスが乱れ下痢となっていたのだろう。

夕方以降に起こる頭痛は緊張性の頭痛で交感神経が過剰になっている人の特徴でもあるが、日中活動するときに働く交感神経が過剰に働くことで、体が休息のスイッチを入れることができずに常に過緊張の状態が続き不眠症も引き起こしていたと考えられる。

交感神経が過剰に働くと体のさまざまな機能が亢進してしまう。今回の下痢は、人間の排泄機能が過剰に働いてしまったことで、水が流れるような下痢となってしまったのだろう。また子供の頃から太ることができないというのも、例えば甲状腺機能が亢進し過ぎてしまい、代謝が高すぎてどんどん痩せてしまっていたとも考えられる。

今回は下痢だけではなく、不眠症、頭痛などさまざまな自律神経症状が出ていたが、どのような症状であったとしても問題の神経系を絞ってアプローチをして、体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
下痢(不眠症、頭痛、体重低下)
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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