不整脈(末端冷え性、生理痛)

不整脈(末端冷え性、生理痛)

不整脈も出なくなり、薬を飲まなくても生理痛がなくなった!

20代女性
来院に至った経緯
小学校1年生から中学3年生までテニスをやっていた。9年間テニスをしていたが、特に大きな怪我はなく、どちらかというと学年でも体は丈夫な方だった。

中学3年生で高校受験のシーズンに入ると、これまでずっと運動をしてきたのに体を動かなさなくなった反動か、具合が悪くなった。最初は胸が苦しいなと思っていたが、次第にめまいや吐き気がするようになった。

息切れもするようになり、当時は運動をやめるとこんなに体力が落ちるのか程度に思っていた。その状態があまりにも続くため両親に相談すると、両親に慌てて病院へ連れていかれた。病院では不整脈が出ていると言われ、精密検査を受けることになった。

精密検査では脳や心臓には器質的な問題は何もなく、「受験のストレスですね」と言われただけだった。特に何か処置をするわけではなく、受験が終るまで様子を見ましょうとのことだった。

受験が終って無事に高校へ進学することができたが、不整脈と思われる症状が最低でも月1回は出るようになり、次第にその周期が短くなっているように感じた。また生理痛が酷くなり、生理初日や2日目は薬を飲んでも動けないほどの生理痛に襲われた。

その度に学校を休むわけにもいかず、婦人科を受診すると月経を安定させるために低用量ピルを処方された。確かに少しは生理痛が落ち着いたが、それでも生理初日は学校に行くのがやっとだった。

この頃から末端冷え性も感じ始め、お風呂上りでもすぐに手足が冷たいと感じるようになった。不整脈の問題で高校では大好きなテニスを続けることは両親に強く反対されて部活動はしなかったが、自分では運動をやめてから具合が悪くなったため、末端冷え性も運動不足のせいだと思っていた。

一人娘だったため両親が過度に心配し、高校生の頃から針鍼灸院に連れて行かれたり、自律神経専門の整体院に連れて行かれた。高校生活の約2年半、色んな治療院に連れて行かれたが、何も変わらないどころかそういった場所に行くことがストレスになり、余計に症状が酷くなったように感じていた。

大学受験シーズンに入り、時間もなくなったため治療院に通うことはしなくなったが、何かをやっても何もしなくても症状が変わることはなかったため、治してくれるところはないと諦めていた。

大学にも無事に入学することができたが症状が治まることはなく、これは自分でなんとかしないと社会人にはなれないと思い、自分で良さそうなところを探してみることにした。

そんなときYoutubeで塩川満章先生の動画を見る機会があり、直感で私の症状を治してくれるのはこの先生だと思った。塩川先生の予約は毎月争奪戦で、いつも予約が取れずにいたところ、塩川先生のお弟子さんが藤沢駅で開院されていることを知った。

自宅からも近いし、塩川カイロプラクティック治療室で副院長を務めていた先生なら大丈夫だと思い、当院に来院された。


【神奈川県横浜市泉区から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    頚部胸鎖乳突筋の過緊張

  • 03

    右後頭部の強い浮腫感

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節に明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なそれほど慢性的なところは確認されなかったが腰椎の仙椎化が確認された。首の椎間板もそれほど慢性的なところは確認されなかったが、首の前弯カーブが消失しストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週1回のケアから開始した。

4週目(4回目のアジャストメント)には、薬を飲んでも動けないほどの生理痛は、薬を飲めばなんとか動けるようになった。5週目以降はケアの間隔を2週間に一度に広げることができた。

9週目(7回目のアジャストメント)には、前回の月経時には薬を飲めばなんとか動けるくらいには回復していたが、今回は薬を飲めばほとんど痛みを感じないくらい生理痛が落ち着いていた。また末端冷え性にも変化が見られ、お風呂上りでもすぐに冷たくなっていた手足が温かいと感じるようになった。

13週目(9回目のアジャストメント)には、動けなくなるほどの生理痛だったが、人生で初めて薬を飲まなくても痛みをまったく感じないというところまで回復した。また本人も忘れていたほどだったが、そういえばここ1か月間不整脈の症状が落ち着いているなと気づいた。

17週目(11回目のアジャストメント)には、不整脈はまったく気にならなくなった。生理痛や末端冷え性も良好で、ほとんど何も気にならなくなった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の不整脈の原因は、上部頸椎のサブラクセーション(根本原因)によって迷走神経に負担が掛かっていたものと考えられる。

心臓、動脈、静脈など何か器質的な疾患がなかった場合の不整脈では、迷走神経に負担が掛かっているケースが多くみられる。検査では上部頸椎の反応が強くみられたが、上部頸椎の軸転変位によって迷走神経に過度な負担が掛かり、不整脈が出ていたと考えられる。

検査では骨盤部にも強い反応が見られたが、骨盤部と上部頸椎はどちらも副交感神経支配の部位となる。副交感神経にサブラクセーション(根本原因)があることで、自然と交感神経が過剰に働いてしまう。

末端冷え性は交感神経が過剰になっている人の特徴でもある。交感神経の作用として末梢の血管を閉じる役割があるが、その状態が長く続くことで末梢の血管が閉じっぱなしの状態となり、末端冷え性を発症していたものと考えられる。

生理痛の問題もあったが、これには女性ホルモンの分泌が関係している。女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌が低下すると、子宮内膜からプロスタグランジンという物質の分泌量が多くなる。

プロスタグランジンの役割は不要になった子宮内膜や経血を体外へ排出させる役割があるが、このプロスタグランジンの分泌量が多すぎると子宮が過剰な収縮を起こしてしまう。これが生理痛の原因となってしまう。

女性ホルモンは卵巣から分泌されているが、正しい量の分泌を行うには脳と卵巣が神経によって情報のやり取りをする必要がある。神経の乱れによって、脳と卵巣のやり取りが上手くいかなくなり、適切な量や適切なタイミングのホルモン分泌に異常が起こった結果、生理痛を引き起こしていたと考えられる。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、体の情報が脳へ届いたことで自律神経のバランスが整った結果、不整脈、末端冷え性、生理痛などさまざまな症状の改善に繋がったと考えられる。

どのような症状が出ていたとしても、検査によって問題の神経系を特定し、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
不整脈(末端冷え性、生理痛)
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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