不眠症(眼精疲労、頭痛、呼吸が浅い、末端冷え性、副鼻腔炎、腰痛、膝痛、四十肩・五十肩)

不眠症(眼精疲労、頭痛、呼吸が浅い、末端冷え性、副鼻腔炎、腰痛、膝痛、四十肩・五十肩)

不眠症だけではなく他の自律神経症状もすべて落ち着いた!

40代女性
来院に至った経緯
仕事は夜の水商売を長年やっており、昔から浴びるほどお酒を飲んでいた。10年前に自分のお店を開いて、接客だけではなく経営もしなければならないストレスで、自分でも自律神経が乱れているなと感じることが多くなった。

パソコンをやるようになったからか眼精疲労が辛くて、頭痛が頻繁に出るようになった。耳鳴りがしてきたり、呼吸が浅くなったり、末端冷え性になったり、急激に体調が悪化していった。鼻づまりも酷くなったたた、耳鳴りの検査もしてもらおうと耳鼻科に行ったら副鼻腔炎だと診断された。

一気に体調が悪くなったので、怖くなり脳神経外科で脳の精密検査を受けたが、MRIでもまったく異常はないと言われた。異常が無いのに、この体調不良はなんだろうと心配になっていると今度は不眠症になってしまった。

20年以上夜職をやっているので、今更昼夜逆転の生活ということはないだろうが、自分のお店を開いてからはどれほど疲れていても布団に入って3時間以上眠れないということが続いていた。

病院に行って眠れないことを伝えても、こっちが夜職だと分かった途端、「不眠症ですね」と当たり前のように睡眠薬を処方されるだけで、人の話はまったく聞いてもらえなかった。いつも朝4~5時くらいに帰宅するが、8時になっても寝られず、早く寝なきゃと焦るあまり余計に眠れなくなってしまった。

眠れなくなってからさらに体調が悪化して、これまで感じたことがなかった腰痛、膝痛、肩の痛みが出てきた。腰痛や膝痛は仕事でヒールを履いて歩き、接客では長時間ソファに座っていることが影響しているのだろうなと思ったが、肩の痛みは自分でも原因が分からなかった。

これまで体が痛いという経験がなかったので整形外科に行ってレントゲンやMRIなど検査をしてもらった。腰には異常は見つからなかったが、膝は水が溜まっていると言われ、水を抜いてヒアルロン酸注射をしてもらったが、何も変わらなかった。

肩は四十肩・五十肩だと言われ、年齢によってなるものだから問題ないと言われた。電車のつり革も掴めないほど痛いのに問題ないとはどういうことですか?と聞くと、それなら痛み止めを処方しますと言われた。

これまではお客様からゴルフのお誘いなども断ったことがなかったが、腰痛、膝痛、肩痛と体の不調はごまかしようがなく、せっかくのお誘いも断らざるを得なかった。お店を経営していく身として、このままお客様からのお誘いを断るのはよくないと思い、評判の治療院に行ってみることにした。

自律神経専門の針鍼灸院、腰痛に特化した整体院、膝痛に特化したスポーツ整体、四十肩・五十肩に特化した温熱療法などありとあらゆる治療院に通ってみたが、どこも何も変化がなかった。

そんなとき体調不良を心配してくれたお客様が、Youtubeで塩川満章先生っていう凄そうな先生がいるよと教えてもらった。銀座だったら通えない距離ではないなと思い、塩川カイロプラクティック治療室に問い合わせてみた。

残念ながら塩川先生は新規の予約はストップしていると言われてしまったが、副院長の前田先生が藤沢駅前で開院されていると紹介してもらった。藤沢駅前なら銀座よりも近いし、塩川先生のお弟子さんなら大丈夫だろうと思い、当院に来院された。


【神奈川県横浜市西区から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    第一頸椎右横突起の強い浮腫感

  • 03

    右後頭部の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、左の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また左仙骨翼と第一頸椎右横突起に強い浮腫が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD3レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階はそれほど慢性的なところは確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっており、椎間板の後方部にはすべて開きがみられた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係と自律神経の問題が強く出ていたため、週1回のケアを長めに取ることにした。

3週目(3回目のアジャストメント)には、仕事中の腰痛や膝痛はほとんど感じなくなった。またパソコン作業をして目が疲れても、少し休憩すれば回復するようになった。

6週目(6回目のアジャストメント)には、頭痛や鼻詰まりがそれほど気にならなくなった。また睡眠の質が少し良くなったように感じ、布団に入って3時間以上眠れなかったものが、1時間くらいで眠れるようになった。しかし、睡眠薬をしばらく飲まないとまた眠れないという日が多くなった。

10週目(10回目のアジャストメント)には、睡眠の質がさらに良くなり、睡眠薬を飲まなくても1時間くらいで眠れるようになった。この頃には手足が温かいと感じるようになった。肩の可動域も徐々に広がってきて来た。このタイミングで2週間に一度のペースに広げる提案をしたが、本人の強い希望で週1回のケアを継続した。

19週目(19回目のアジャストメント)には、この頃には睡眠の質もすっかり落ち着き、他の自律神経症状もほとんど気にならなくなった。また肩もゴルフを軽くできるまでには回復できたため、この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることにした。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の不眠症は、自律神経の乱れが最大の原因であったと考えられる。サブラクセーション(根本原因)は、主に「身体的な外傷」、「精神的なストレス」、「化学物質のバランスの乱れ」の3つの要素が積み重なってできるとされている。

検査では骨盤部と上部頸椎に強い反応が見られたが、どちらも副交感神経支配の部位となる。副交感神経にサブラクセーション(根本原因)があることで、交感神経が自然と優位に働いてしまう。その上で経営というプレッシャーから精神的なストレスにより、さらに交感神経が優位となって過剰に働いたことで、本格的に自律神経のバランスが乱れてしまったのだろう。

本来、人間にはその環境に適応する能力が備わっている。たとえ精神的なストレスによりプレッシャーが掛かったとしても、副腎からストレス対抗ホルモンと呼ばれる副腎皮質ホルモンを分泌させて対処する。

ところが自律神経のバランスが乱れることで、その場の環境に適応できなくなったときに、いわゆる自律神経症状が発症してしまう。どのような症状であったとしても、痛みや症状は身体からのSOSのサインである。

不眠症が一番の悩みであったが、不眠症は交感神経が過剰に働くことで休まるスイッチを入れることができない、いわゆる過緊張の状態である。末端冷え性も交感神経が過剰な人の特徴である。交感神経の作用として末梢の血管を閉じる役割があり、末端冷え性とはその状態が長期間続くことで末端まで血流が巡っていないことを意味している。

他にも呼吸が浅い問題は交感神経が過剰に働き、体が過緊張の状態が続くことで起こってしまう問題である可能性が高い。検査では上部頸椎に強い反応が乱れたが、上部頸椎は眼精疲労や副鼻腔炎と密接な関係がある。

腰痛や膝痛は、骨盤部の乱れが原因であったと考えられる。骨盤部の乱れによって腰部の配列が乱れ、骨盤部や腰部から出る神経に負担が掛かっていたものと考えられる。膝痛の問題も、股関節、膝、足首など下肢の関節は、直接的な外傷がない場合はほとんどのケースで骨盤部からの問題である。

肩の問題は、痛みが出る箇所によって問題の神経系が変わってくる。今回は上部頸椎が問題と思われる箇所に痛みが出ていたこと、また土台である骨盤部の乱れが関係していたと考えられる。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、自律神経のバランスが整った結果、環境の変化やストレスに適応できる状態となり、さまざまな症状の改善に繋がったと考えられる。

自律神経の問題、筋骨格系の問題など、どのような症状が出ていたとしても、問題の神経系を特定し、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
不眠症(眼精疲労、頭痛、呼吸が浅い、末端冷え性、副鼻腔炎、腰痛、膝痛、四十肩・五十肩)
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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