動悸、不整脈、めまい

動悸、不整脈、めまい

激しい動悸が治まった!

30代女性
来院に至った経緯
仕事は塾講師をしているが、人手不足で何学年も担当を受け持っていた。ある日、講義中に心臓の音がやたら聞こえるなという日があった。受験シーズンになり睡眠不足という自覚はあったため、さすがに寝不足かと思い、その日の夜は早く寝ることにした。

次の日も講義中に同じように心臓の音が大きく聞こえた。心臓のドクンドクンという音が強いように感じた。そんな状態が何日か続いたある日、胸が詰まるような感覚に襲われ、息が苦しいと感じるようになった。

これはただ事ではないと思い、次の日の朝早く病院へ行くと、不整脈が原因で動悸が出ている状態だと言われた。睡眠は取っていますか?コーヒーなどカフェインが強い飲み物を飲み過ぎていませんか?と言われ、思い当たることしかなかった。

休息を取ることが一番だと言われ、仕事は3日間お休みをもらうことにした。3日間、睡眠をたっぷりとって、大好きだったブラックコーヒーも一滴も飲まなかった。胸の苦しさやドキドキはかなり落ち着いたため、やはり仕事のし過ぎかと思った。

仕事に復帰して、いつものように講義をしていると、世界が回るようなめまいに襲われ倒れてしまい、救急車で病院に運ばれた。病院では過労ですよと言われたが、3日間ゆっくり休んだあとだったので、事情を説明して翌日精密検査を受けることになった。

心臓や脳などCT、MRI、血液検査などできることはすべてやってもらったが、異常なしと診断された。受験シーズンで生徒の人生が掛かっている大切な時期だったので、異常がないなら仕事をしなければと仕事に復帰した。

講義中はやはり心臓がドキドキしたり、胸が苦しくなった。また倒れるほどではなかったが、めまいも続いていた。上司からここの先生は腕が良いぞと針鍼灸の先生を紹介してもらったが、余計に心臓のドキドキが強くなってしまい、通わなくなってしまった。

普段から疲れが溜まると整体院には通っていたが、今回は心臓付近の問題だしマッサージでどうにかなるレベルではないと自分で分かっていた。そんなとき、たまたまYoutubeで見かけた塩川満章先生という人の動画を見た。

銀座の塩川カイロプラクティック治療室というところに問い合わせてみると、藤沢が近いようでしたら副院長の前田先生が藤沢駅前で開院されていますよと紹介してもらい、当院に来院された。


【神奈川県鎌倉市から来院】
初診の状態
  • 01

    第一頸椎右横突起にスポンジ状の浮腫

  • 02

    後頭部の過緊張

  • 03

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

経過と内容
初診時の状態では、上部頸椎と右の仙腸関節に明らかな可動域制限があった。

体表温度検査では、上部頸椎に明らかな左右の温度の誤差があり、骨盤部にも温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、頚部の椎間板の段階は慢性的なD4レベルが確認されたため、初期集中期の段階では週2回のケアから開始した。

3週目(5回目のアジャストメント)には、めまいはまったく出なくなった。この段階でケアのペースを1週間に一度に広げることができた。

5週目(7回目のアジャストメント)には、講義中のドキドキをあまり感じなくなってきた。胸が詰まるような感覚はまだあったが、息苦しさのようなものは出なくなった。

8週目(10回目のアジャストメント)には、胸が詰まるような感覚もなくなり、一日講義をしても動悸はしなくなった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

16週目(14回目のアジャストメント)には、1か月以上動悸は一度も出なくなり、胸のドキドキも胸の詰まりもまったく感じなくなった。めまいも出なくなり、睡眠の質が良くなったのか一晩眠ると翌朝体が軽いと感じるようになった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の動悸の原因は、自律神経の乱れが考えられる。検査で反応が強く出ていた上部頸椎と骨盤部は、どちらも副交感神経支配の部位となる。

副交感神経にサブラクセーション(根本原因)があると自然と交感神経が優位になる。その状態が長く続くことで、交感神経が過剰に働き、身体は常に緊張状態となってしまう。中でも注目したいのは上部頸椎である。

心臓など臓器的な問題がないのに出てしまう動悸や不整脈は左の迷走神経の問題である可能性が高い。今回は、動悸、不整脈だけではなく、めまいも出ていたが上部頸椎はめまいとも密接な関係がある。

人間の平衡感覚は内耳神経が司っている。上部頸椎の問題は、内耳神経にも大きな負担となってしまう。また、自律神経のバランスが乱れることでリンパ液の分泌が過剰となることで、体は動いていないのにリンパ液だけが動く、脳は体が動いたと誤認識してしまいめまいとなってしまうことがある。

土台である骨盤部の乱れは、建物でいうと最上階の上部頸椎への負担となってしまう。偏った神経系の部位に負担が掛かることで、自律神経のバランスが乱れ、動悸、不整脈、めまいの症状を発症していたと考えられる。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、体の情報が脳へ届いたため自律神経のバランスが整った結果、症状の改善に繋がったと考えられる。検査によって問題の神経系を特定し、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
動悸、不整脈、めまい
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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