歯科治療後に突然口が開かなくなった顎関節症が改善!

歯科治療後に突然口が開かなくなった顎関節症が改善!

顎の痛みで開閉できなかった口がスムーズに!生理痛や不眠も解消

40代女性
来院に至った経緯
3年前に第一子を出産。高齢出産だったため帝王切開での分娩となった。出産後、授乳が完全に終わり半年ほど経つと、それまで経験したことがなかったほどの強い生理痛を感じるようになった。それまでは生理痛がほとんどなかったが、薬を飲まなければ耐えられないほどの下腹部痛が続くようになった。

また、産後は赤ちゃんの夜泣きが激しく、慢性的な睡眠不足に悩まされていた。しかし、子どもが成長し夜泣きがなくなってからも、自分だけがなかなか寝つけず、朝起きても疲れが取れていない感覚が続いた。

さらに、夫から「寝ているときに歯ぎしりをしている」と指摘されるようになり、歯科の定期検診を受けたところ、奥歯が食いしばりによって削れていると診断された。そのため、マウスピースを作ることになったが、その検査で長時間口を開けていた翌朝、左顎に強い痛みを感じて目が覚めた。

突然、口を大きく開けることができなくなり、左顎が熱を持ったような痛みを伴う状態が続いた。特に顎を強くぶつけた記憶はなく、思い当たる原因は前日の歯科での検査のみだった。3か月ほど経過すると痛みは和らいできたものの、ハンバーガーのように大きく口を開けると、左顎に激しい痛みが走った。

さらに、1か月ほど前からは、男性の声など低い音が聞き取りにくいと感じるようになった。その数日後には、キーンという金属音のような耳鳴りが発生し、日常生活にも支障をきたすようになった。耳鼻科を受診したものの、耳に異常はないと言われ、どう対処すればよいのかわからなかった。

育児のストレスが原因かとも考えたが、ストレスで顎が開かなくなることはないだろうと思い、知人に相談したところ、「カイロプラクティックで顎関節症が改善した」という話を聞いた。カイロプラクティックは未経験だったが、産後の骨盤矯正については以前から興味があり、一度試してみようと思い、紹介を受けて当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    顎関節(口)の極端な可動域制限

  • 02

    第一頸椎左横突起にスポンジ状の浮腫

  • 03

    頚部胸鎖乳突筋(特に左側)の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、顎関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また第一頸椎左横突起と正中仙骨稜に強い浮腫が確認され、頚部胸鎖乳突筋(特に左側)と腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、腰の椎間板はD3レベルと慢性的な段階で、過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は慢性的なD5レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週3回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

4週目(4回目のアジャストメント)には、顎の痛みが大幅に軽減し、口の開閉がスムーズになった。この段階で施術の頻度を2週間に1回へと調整。

12週目(8回目のアジャストメント)には、睡眠の質が向上し、朝の目覚めがスッキリと感じられるようになった。また、気がつけば金属音のような耳鳴りもなくなっていた。この段階で施術の頻度を3週間に1回へと広げることができた。

21週目(11回目のアジャストメント)には、口を大きく開けても痛みを感じることがなくなり、以前は辛かった生理痛も明らかに軽減したことを実感。

30週目(14回目のアジャストメント)には、生理痛が完全になくなり、痛み止めの服用が不要に。さらに、口を大きく開けた際に顎から鳴っていたクリック音も消失し、顎関節の動きが正常化した。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の顎関節症の主な原因は、首のバランスの乱れにより顎関節に過度な負荷がかかっていたことが考えられる。顎関節は人体の関節の中でも非常に小さく、特に第一頸椎(C1)のバランスの影響を受けやすい部位である。今回のように、顎への直接的な外傷がないケースでは、多くの場合、首のアライメントの乱れが関係している。

また、検査では上部頸椎だけでなく骨盤部にも強い反応が確認された。これらはともに副交感神経の支配領域であり、そのバランスが崩れることで交感神経が過剰に働き、不眠症の症状が引き起こされていたと考えられる。実際、患者は「寝つきが悪く、夜中に何度も目が覚める」という不眠の症状を訴えており、さらに家族からは「寝ている間に歯ぎしりや食いしばりがある」と指摘されていた。これは、休息時に本来優位になるべき副交感神経が十分に機能せず、体が過緊張状態になっていたことを示している。

さらに、患者は低音域の聞き取りづらさや耳鳴りの症状を訴えていた。聴覚は「外耳 → 中耳 → 内耳 → 脳」へと伝達されるが、この過程において上部頸椎は特に重要な役割を果たす。内耳神経(第8脳神経)は上部頸椎と密接な関係があり、頸椎にサブラクセーション(神経機能の異常)が生じると、耳と脳をつなぐ神経伝達が正常に働かなくなり、難聴や耳鳴りの原因となることがある。

難聴の症状が現れると、脳は音の感度を高めようとする。その結果、本来であれば受け取らなくてもよい電気信号まで過剰に拾ってしまい、耳鳴りとして知覚されることがある。つまり、上部頸椎の機能異常は難聴や耳鳴りを引き起こす直接的な要因になりうる。

加えて、生理痛の問題も見逃せないポイントである。生理は女性にとって、1か月に一度の子宮内膜の入れ替えプロセスであり、体が不要になった内膜を排出する重要な機能を担っている。この際、内膜から「プロスタグランジン」と呼ばれるホルモンが分泌され、子宮の収縮を促し、内膜をスムーズに排出する役割を果たす。

しかし、交感神経が過剰に働いていると血流が悪化し、代謝が低下することで排毒機能も低下する。この状態では、子宮が経血を排出しようとさらに多くのプロスタグランジンを分泌し、それによって過剰な子宮収縮が起こり、強い生理痛を引き起こしていたと考えられる。

このように、顎関節症・不眠・耳鳴り・生理痛といった一見すると関連性がなさそうな症状でも、神経系のバランスを整えることで根本的な改善が期待できる。今回の症例を通じて、神経の流れを正常化し、体の情報を正しく脳へ伝えることの重要性が改めて確認された。
歯科治療後に突然口が開かなくなった顎関節症が改善!
歯科治療後に突然口が開かなくなった顎関節症が改善! 歯科治療後に突然口が開かなくなった顎関節症が改善! 歯科治療後に突然口が開かなくなった顎関節症が改善!
前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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