生活習慣を変えても治らなかったPMS ― 自律神経調整でついに改善

生活習慣を変えても治らなかったPMS ― 自律神経調整でついに改善

生理前のイライラや不調が軽減!毎月のストレスから解放された施術記録

20代女性
来院に至った経緯
生理痛に悩み始めたのは中学生の頃だった。中学2年生までは痛み止めを飲めば何とか動けていたが、中学3年生になると薬の効果が感じられなくなり、強い下腹部痛に襲われるようになった。その影響で、生理の初日や2日目は学校を休むことが当たり前になっていた。

高校生になると、生理前から強い不調を感じるようになった。PMS(月経前症候群)が悪化し、生理が始まる1週間前から気分が落ち込んだり、家族や身近な人に対してイライラが止まらなくなった。授業中も集中力が続かず、学年が上がるにつれて情緒の不安定さが目立つようになった。

PMSの症状はさらに悪化し、大学に入学する頃には精神的な症状だけでなく、腰痛や不眠といった身体的な不調も加わるようになった。もともと冷え性の自覚は中学生の頃からあったが、大学生になってからは特に足先の冷えが強くなり、冬場は靴下を重ね履きすることが増えた。

大学生活と並行してスーパーでレジのアルバイトをしていたが、生理前になると腰の痛みが特にひどく、長時間立っているのがつらかった。痛みが強いときには、店長に頼んで腰椎コルセットを借りたこともあった。普段は腰痛を感じないものの、生理前になると必ず痛みが出るため、心配になって整形外科を受診。レントゲン検査を受けたが、骨や関節には特に異常がないと言われ、特に治療も行われなかった。

社会人になってからもPMSは改善せず、婦人科を受診したものの、「まだ若いので薬を使わず、生活習慣を整えることが大切」と指導され、薬は処方されなかった。規則正しい生活を心がけ、食事内容も見直し、ヨガやストレッチを取り入れるなど、できる限りの工夫をしたが、一向に症状の改善は見られなかった。

仕事はやりがいがあり、ストレスも特に感じていなかったが、それでも生理前になると感情のコントロールが難しくなり、些細なことで気持ちが不安定になった。生理痛も相変わらず強く、仕事を休むことはできなかったため、生理の初日と2日目だけ在宅ワークに変更してもらうなど、自分なりに対処していた。

「このままではいけない」と思い、婦人科系の不調に特化した整体院や鍼灸院にも通ってみたが、どこに行っても特に大きな変化は感じられなかった。そんな時、学生時代に一緒にアルバイトをしていた友人から「ここは良さそうだよ」と当院を紹介され、試してみることにした。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    正中仙骨稜に顕著な浮腫

  • 02

    腰部起立筋の過緊張

  • 03

    頸部胸鎖乳突筋(特に左側)の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、上部頸椎には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また正中仙骨稜と第一頸椎左横突起に強い浮腫が確認され、腰部起立筋と頸部胸鎖乳突筋(特に左側)は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、腰も首も椎間板にはそれほど慢性的な段階は確認されなかったが、過前弯で反り腰が認められた。また、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

初期集中期の段階では週1回のペースからケアを開始した。

5週目(5回目のアジャストメント)には、生理前に感じていた腰の痛みが、ほとんど気にならない程度まで軽減。これにより、施術頻度を2週間に1回へと調整することが可能になった。

11週目(8回目のアジャストメント)には、施術を開始して2回目の生理では、痛みはあるものの、鎮痛薬を服用すれば問題なく出社できるレベルまで改善。また、これまで悩まされていた冷え性も、お風呂で温めることで気にならなくなる程度まで回復した。さらに、睡眠の質が向上し、生理前の時期でも深く眠れるようになったと実感。

17週目(11回目のアジャストメント)には、この頃には、生理痛がほとんど気にならないほど軽減し、人生で初めて鎮痛薬を服用せずに過ごすことができた。また、これまで生理前に顕著だった情緒の不安定さも大幅に緩和され、多少のイライラはあるものの、日常生活に影響を与えるレベルではなくなった。

23週目(14回目のアジャストメント)には、生理前および生理期間中の体調不良は、ほぼ完全に解消。睡眠の質は非常に安定し、一晩しっかり眠ることで体が回復していることを実感できるようになった。仕事中の集中力も向上し、仕事への意欲が増すなど、生活全体のクオリティが向上した。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回のPMS(月経前症候群)の根本的な原因は、自律神経の乱れがホルモン分泌の異常を引き起こしていたことにあると考えられる。女性ホルモンの分泌は、脳と卵巣が神経ネットワークを介して密接に連携することで、適切なタイミングで適切な量が分泌される仕組みになっている。しかし、この神経伝達の流れが乱れると、ホルモンの調整がうまく機能せず、PMSの症状を悪化させる要因となる。

排卵後から月経開始までの期間(黄体期)では、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が活発に分泌される。このホルモンの分泌量は黄体期の後半になると急激に低下し、脳内のホルモンバランスや神経伝達物質にも影響を及ぼす。通常、自律神経が正常に機能していれば、このホルモンの変動に適応できるが、神経の流れが妨げられているとホルモンバランスが乱れ、PMSの症状が強く出ることがある。

エストロゲンやプロゲステロンの急激な低下が引き金となり、プロスタグランジンという炎症性物質が過剰に分泌されることが分かっている。プロスタグランジンは、本来、子宮内膜を剥がし経血を排出する役割を持つが、過剰に分泌されると子宮の過剰収縮を引き起こし、強い生理痛や生理前の腰痛を誘発する原因となる。

今回の検査では、骨盤部と上部頸椎に顕著な異常が確認された。これらの部位は副交感神経の支配を受けており、ここに神経の圧迫や機能障害(サブラクセーション)が生じると、相対的に交感神経が過剰に働くようになる。その結果、自律神経のバランスが崩れ、PMSの諸症状を悪化させていたと考えられる。

交感神経が優位になると、身体が常に緊張状態となり、リラックスするためのスイッチがうまく機能しなくなる。そのため、就寝時に十分に副交感神経が働かず、不眠の原因となっていた可能性が高い。また、末端冷え性も交感神経の過剰な働きと密接に関連している。交感神経が優位な状態が続くと、末梢血管が収縮し、血流が悪化することで手足の冷えが慢性化してしまう。

ホルモンバランスや自律神経の乱れによる症状を改善するには、単に生活習慣を整えるだけでは不十分であり、根本的な原因となる神経の異常を正しく評価し、適切なアプローチを行うことが重要である。今回の症例は、神経の流れを正常化することで、自律神経とホルモンのバランスが整い、PMSの改善につながったことを示している。このことからも、体の情報を脳に正しく伝えることの重要性が改めて確認できた症例である。
生活習慣を変えても治らなかったPMS ― 自律神経調整でついに改善
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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