生理不順・無月経(不眠症、末端冷え性、胃痛、便秘、下痢)

生理不順・無月経(不眠症、末端冷え性、胃痛、便秘、下痢)

毎月、決まった周期で生理が来るようになった!

20代女性
来院に至った経緯
子供の頃から胃腸が弱かった。小学校低学年ながらに「胃が痛い」というセリフが口癖のようになっていた。また便通もかなり悪く、酷いときには便秘が1週間続くこともあったが、出ると必ず下痢ということを繰り返していた。

 小学校高学年のときに生理が始まったが、中学生になると生理が3か月に一度くらいしか来なくなった。特に体に不調があるわけではなかったし、生理に対する知識もなかったため親にも相談したことはなく、まったく気にしていなかった。

高校生になると友達との会話から、自分の生理周期が異常だということを知った。この頃には酷いと半年間も生理が来ないことがあり、友達はみんな毎月1回は生理が来るということを知って自分の身体には異常があるのかもしれないと怖くなり、初めて親に相談して病院に行くことにした。

病院では無月経という診断を受けて薬を処方された。また女性ホルモンの分泌が関係しているから、日常生活で適度な運動や睡眠時間の確保、食生活を見直すように指導された。

自分では、睡眠は毎日7時間半寝ているし、部活動でも小学校から高校までずっと運動部だし、日本食が好きだからジャンクフードは友達と遊ぶときでも食べないのに、「高校生にしてこんなに健康的な生活を送っている人なんていないのではないか?」「なんでこんな当たり前のことしか言われないのか?」と病院に不信感をもった。

高校3年生で部活動を引退して身体を動かず時間が減ると、睡眠の質が悪くなった。酷いときには布団に入って3~4時間も眠れないことがあった。また手足など末端が冷えるようになった。これまでは友達から「手温かいね」と言われていたのに、大学受験を控えるころには「手すごく冷たいけど大丈夫?」と心配されるようになった。

大学生になる頃には不眠症が酷くなり、朝まで眠れないことが増えてしまった。大学でも運動サークルに入って体を動かしていたが、不眠症が続くし、末端冷え性も酷くなるし、私の身体はどうなっているのかと怖くなり初めて親に相談した。

生理不順のことは高校時代に病院へ行くときに親に相談してはいたものの、眠れなくなったということは黙っていたので親にはなんでもっと早く言わなかったのかと怒られると思っていたが、「そんな状態だったのに気づいてあげられなくてごめんね」と逆に謝られて自分の身体のことなのに無責任だったと反省した。

親に連れられて病院でレントゲンやMRIなどを撮って精密検査を受けたが異常なしと言われて、また日常生活を見直すようにと指導されるだけだった。病院ではダメだと判断して、親と一緒にいろいろと調べると自律神経が関係しているのではないかと分かり、どこか自律神経の専門家はいないかと調べてみた。

調べても出てくるのは病院ばかりだったが、病院では治らないことは分かっていたので、何かないかと探していたところ当院のHPにたどり着き来院された。

 【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左仙骨翼から正中仙骨稜に強い浮腫感

  • 03

    後頭部の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、左の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。

体表温度検査では、骨盤部に明らかに左右の温度の誤差があり、上部頸椎にも温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、椎間板の段階は首が慢性的なD3レベル、腰はさらに慢性的なD5レベルで重度の骨盤の傾きも確認された。そのため初期集中期の段階では週3回のケアから開始した。

2週目(5回目のアジャストメント)には、手足などの末端に血が通っているのが分かるようになり、末端冷え性はそれほど気にならなくなった。

2週目(6回目のアジャストメント)には、睡眠薬を飲まなくても1時間くらいで眠れるようになった。またこの段階でケアのペースを週2回に広げることができた。

3週目(8回目のアジャストメント)には、4か月ぶりに生理が来た。また末端冷え性はまったく気にならなくなった。

4週目(10回目のアジャストメント)には、睡眠薬を飲まなくても普通に眠れるようになった。また便通も人生で初めてと言ってもいいほど快調になり、便秘も下痢も気にならなくなった。またこの段階でケアのペースを週1回に広げることができた。

7週目(13回目のアジャストメント)には、前回生理が来てから28日後に生理が来た。小学生ぶりに正しい生理周期が来たことに驚いた。またこの段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

現在は、生理周期もすっかり落ち着き毎月1度は必ず来るようになったが、二度と同じ思いをしたくないと、ケアのペースを1か月に一度に広げてカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の生理不順・無月経の原因は、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌異常であるが、女性の生理周期(月経周期)は卵巣から分泌されるエストロゲンやプロゲステロンだけが関与しているわけではない。

脳下垂体から出る卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体化形成ホルモン(LH)などさまざまなホルモンが関連し合い1つの周期を作っているため、そもそも女性ホルモンの分泌異常がなぜ起こってしまったのかが重要である。

最も考えられる原因は卵巣に繋がる神経系に問題が生じていたこと、そして自律神経のバランスの乱れが考えられる。今回は骨盤部と上部頸椎に反応があったが、骨盤部と上部頸椎はどちらも副交感神経支配部位となる。

副交感神経にサブラクセーション(根本原因)があると、交感神経が優位に働く。その状態が長く続くと交感神経が過剰に働いて、次第に自律神経のバランスを乱してしまう。交感神経が過剰に働くと、身体には常に刺激が加わっている状態となり、卵巣にも多大な負荷となってしまう。

不眠症や末端冷え性は交感神経が過剰に働いている人の特徴でもある。交感神経は闘争と逃走の神経である。体を常に緊張させ、いつでも臨戦態勢になれるように働く神経ではあるが、その状態では休まる神経である副交感神経のスイッチが上手く入れられなくなり不眠症となってしまうのだ。

末端冷え性も交感神経が過剰に働いている人の特徴でもある。交感神経の作用として末梢の血管を閉じる働きがあるが、その状態が長く続くと末梢の血管が閉じたままとなり、手足などの末端冷え性となってしまう。

サブラクセーションを取り除き体の情報が脳へ届いたことで、脳と各ホルモン分泌器官が連携することで今回の結果に繋がったと考えられる。改めて、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
生理不順・無月経(不眠症、末端冷え性、胃痛、便秘、下痢)
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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