生理痛(PMS(月経前症候群)、頭痛、不眠症、喘息)

生理痛(PMS(月経前症候群)、頭痛、不眠症、喘息)

人生で初めて薬を飲まなくても良くなった!

40代女性
来院に至った経緯
小学校高学年のときに生理が始まり、その頃から生理痛が重かった。中学1年生になると生理初日、2日目は痛み止めを飲まないと学校に行けなくなるほど下腹部痛があった。今でもその症状は変わらず、30年間毎月のように生理痛を抑えるために痛み止めを服用している。

小学3年生のときに喘息を発症するようになった。病院では気管支が炎症を起こしていると言われ、気管支を広げる薬を処方された。大人になってから症状は少し落ち着いたが、今でも喉に何かつっかえるような感覚があり、毎月一度は喘息の症状が出てしまう。症状が出るときは痰が絡むような咳が止まらなくなることがあるので、そのときだけ薬を使用するようにしている。

中学3年生になるとイライラが止まらなくなった。最初は高校受験のストレスだと思っていたが、よく考えると生理前だけで大人になってからPMS(月経前症候群)だと知った。また生理の前はとても疲れるなと感じるようになっていた。大人になっても生理痛やPMS(月経前症候群)の症状は変わらず、生理が終るまではずっと付き合っていくしかないんだろうなと諦めていた。

1か月くらい前に歯医者で長時間の治療を受けた。治療が終わった直後は顎が少し痛いなと思った程度だったが、翌日から頭痛が出るようになった。歯医者での治療後、毎日のように午後になると頭痛が出るようになり、頭痛薬が手放せなくなった。それ以来、毎日のように頭痛薬を使用している。

頭痛が出るようになってから睡眠の質も悪くなった。午後から左の後頭部あたりがズキズキと痛み、頭痛が出ると夜眠れるまで頭痛が続くので、その影響かと思っていたが、ものすごく眠りが浅く2時間おきに目を覚ましてしまうようになった。

これ以上、薬には頼りたくなかったので何かないかなと近所で評判だった整体院に通ってみた。その整体院のHPには自律神経専門と書いてあり、自分でも自律神経の問題だと思っていたので近くに良いところがあったと思い半年間通ったが、まったく何も変わらなかった。

半年経っても何も変わらないということは、私の身体には合っていないのだろうと思い、他の治療院を探すようになった。そんなときYoutubeで塩川満章先生の動画を見る機会があり、友人にその話をすると、その友人が塩川先生のお弟子さんの治療院に通っているという話を聞いた。

そのお弟子さんは塩川カイロプラクティック治療室で副院長を務めていた先生のようで、この先生なら大丈夫だろうと思って通うことにしたという話を聞き、私も紹介してほしいとその友人に頼み、ご紹介という形で当院に来院された。


【神奈川県相模原市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    第一頸椎左横突起の強い浮腫感

  • 03

    左仙骨翼から正中仙骨稜にかけて強い浮腫感

経過と内容
初診時の状態では、左の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また第一頸椎左横突起と左仙骨翼から正中仙骨稜にかけて強い浮腫が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階はそれほど慢性的なところは確認されなかった。首の椎間板の段階もそれほど慢性的なところは確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となり、椎間板の後方部に開きが確認された。

自律神経の問題が多く確認されたため、初期集中期の段階では週1回のケアから開始した。

4週目(4回目のアジャストメント)には、睡眠の質が少し改善されたのか2時間おきに起きてしまうということはなくなり、夜中に一度目を覚ますかなという程度に落ち着いた。

8週目(8回目のアジャストメント)には、午後になると頻発していた頭痛はあまり気にならなくなり、頭痛薬を使用しなくてもよくなった。また睡眠の質はすっかり元に戻り、夜中に起きるということもほとんどなくなった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

14週目(11回目のアジャストメント)には、最近PMS(月経前症候群)が落ち着いているなと感じるようになり、あまりイライラしなくなった。試しに薬を飲まないでみると生理痛も少しだけ下腹部痛を感じたものの、それほど気にならなくなった。

18週目(13回目のアジャストメント)には、生理痛はまったく感じなくなり人生で初めて痛み止めを飲まずに下腹部痛を感じなかった。また毎月一度は出ていた喘息症状が、カイロプラクティックケアを受けるようになってから出ていないことに気づいた。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の生理痛は、自律神経の乱れから脳が卵巣の状態を正しく把握できず、女性ホルモンの分泌異常が起こっていたことが原因であったと考えられる。

女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンがあるが、この女性ホルモンの分泌異常が起こるとプロスタグランジンという物質が過剰に分泌されてしまう。主に子宮内膜から分泌されるプロスタグランジンの作用としては、妊娠せず不要になった子宮内膜を経血とともに体外へ排出させる働きがある。

このプロスタグランジンの分泌量が多くなってしまうと、子宮内膜や経血を体外へ排出させるため子宮は激しい収縮を起こし、過剰な生理痛を誘発させてしまう。検査では骨盤部と上部頸椎という、どちらも副交感神経支配の部位にサブラクセーション(根本原因)があったことで、交感神経が過剰に働き自律神経のバランスを乱した結果、今回の生理痛に繋がっていたと考えられる。

また自律神経の乱れは、脳と卵巣の情報のやり取りを乱してしまう。それによって女性ホルモンの急激な変動が起こり、イライラや倦怠感といったPMS(月経前症候群)の症状を引き起こしていたと考えられる。

歯医者での治療後、頭痛や不眠症を発症したという問題に関しては、上部頸椎の問題である可能性が高い。顎関節と上部頸椎は密接な関係があり、長時間の治療で顎関節に負担がかかり、それが元々あった上部頸椎の問題の最後の一押しとなってしまった可能性がある。

午後になると出る頭痛は緊張性の頭痛で、交感神経が過剰に働いている人の特徴でもある。交感神経が過剰に働くことで、体は常に緊張状態となり、夜中にちょっとしたことで目を覚ましてしまっていたのだと考えられる。

痰が絡むような喘息は小児に多く見られる喘息である。大人になるにつれて喘息症状が落ち着くケースが多いが、大人になっても毎月一度は症状が出てしまっていたことを考えると長期にわたって自律神経のバランスが乱れていたことが考えられる。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、自律神経のバランスが整った結果、さまざまな症状の改善に繋がったと考えられる。

どれほど長い期間症状が続いていたとしても、検査によって問題の神経系を特定し、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
生理痛(PMS(月経前症候群)、頭痛、不眠症、喘息)
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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