肩こり、腰痛、顎関節症

肩こり、腰痛、顎関節症

辛かった首から肩の痛みが改善

60代女性
来院に至った経緯
10代の頃から肩こりがあり、首から肩にかけて慢性的なだるさを感じていた。5年前に乳がんの手術をしてからより肩こりの症状が強くなり、右首から肩周りにかけて動かしたときの痛みや筋肉が吊っている感じが常にあるような状態となってしまった。

仕事は現在、介護職で中腰の姿勢になることが多く、以前から仕事中や朝起きた時の腰の痛みが気になっていた。腰痛が悪化し、ぎっくり腰になりそうなときもあったり緩和したりを繰り返している。

学生の頃から顎関節症があり、口を開けた時に右顎関節のクリック音と食事中などで右側の口の中を噛んでしま事が気になっていた。最近、歯医者さんでも右側の噛みしめがあるといわれていた。

インターネットで検索していてカイロプラクティックを知った。体が常にどこかしら不調があり、ホームページで自律神経という言葉が気になり来院に至る。


【神奈川県小田原市より来院】
初診の状態
  • 01

    頚椎から背部にかけて、特に右側の筋肉の過緊張

  • 02

    右仙腸関節の可動域制限

  • 03

    腰部脊柱起立筋から臀筋部の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右側の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頚椎と骨盤に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また、右第一頚椎と右仙腸関節に強い浮腫感が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD6レベルで骨盤の傾きや腰の前弯カーブ(前カーブ)の減少が確認された。首の椎間板の段階は慢性的なD5レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は減少していストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では、週3回から2回のケアを提示したが、仕事の関係で、週2回のケアから始めた。
2週目(2回目のアジャストメント)では、首を動かしたときの時の痛みが緩和された。

3週目(4回目のアジャストメント) では、仕事をしていて夕方以降腰が痛くなりやすかったが、腰の痛みが緩和されていた。

8週目(8回目のアジャストメント)では、腰部から骨盤部の筋緊張、浮腫感は軽減し前回のアジャストメントが維持できている事を確認した。右顎関節のクリック音が緩和した。

11週目(12回目のアジャストメント)では、肩こりの症状はほぼ感じず生活できている。腰も起床時の痛みは緩和している。

13週目(14回目のアジャストメント)では、以前は右側の口の中を噛みやすく、よく口の中を切ってしまっていたが気づいたら噛まなくなっていた。仕事が忙しく中腰の体勢が多いが、朝起きた時の腰の痛みが緩和している。

現在は、症状は緩和しているが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の肩こりは、自律神経のバランスが乱れてしまったことによるものと考える。

肩こりの原因は2つ考えられるが、一つ目は自律神経のバランスが乱れてしまっていることで筋肉が過緊張の状態となっているものと、もう一つは体の骨格のバランスが乱れることで頭部の重さを支えられなくなり筋肉が緊張してしまっているものとがある。

骨盤のバランスが乱れた状態を放置してしまうと、背骨の間にある椎間板に日常的に捻じれの負担が起こってしまう。腰部の椎間板は慢性的なD6レベルと最低でも15年以上前から、頚部の椎間板には最低でも10年以上前から負担がかかっていることが確認できた。

骨盤のサブラクセーション(根本原因)を放置してしまったことで、慢性的に神経の流れに負担がかかり自律神経のバランスの乱れ、症状に繋がったものと考えられる。

腰痛は、骨盤の傾きによって背骨の配列に影響を与え、慢性的に腰椎の神経に負担がかかり症状に繋がったものと考えられる。

顎関節症は、今回のように直接的な外傷がない場合では、首のバランスの乱れによるもので、特に第一頚椎のでの影響を受けやすい。顎関節症によって左右の顎関節のバランスが乱れで嚙み合わせにも影響が出て口の中を噛みやすくなっていたものと考える。

検査では骨盤、上部頚椎の第一頚椎部分では明らかな体表温度検査では左右の温度の誤差、浮腫感を確認したため、副交感神経に絞ってアプローチを開始した。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、骨盤のバランス、自律神経のバランスが整った結果、肩こりや腰痛などの改善に繋がったと考えられる。

40年以上続いた肩こり以外にも、さまざまな自律神経の症状が出てしまっていたが、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
肩こり、腰痛、顎関節症
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中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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