膝痛(頭痛、不眠症、末端冷え性、生理痛)

膝痛(頭痛、不眠症、末端冷え性、生理痛)

平坦な道を歩くこともできなくなった膝痛が解消された!

20代女性
来院に至った経緯
仕事はホテル業をやっていて立ちっぱなしの姿勢が続いていた。3か月くらい前に、なんか膝が痛いなと感じるようになった。膝の痛みは次第に強くなり、整形外科を受診した。整形外科では痛みを取るには注射を打つしかないと言われた。

実家の両親に相談すると、注射は体に良くないから絶対にやめなさいと強く拒否された。その後、膝の専門医に行くと、それほど悪くないから日常生活には支障がないので安静にしてくださいと言われた。この時点で、すでに普通に歩くだけで痛いのに、日常生活に支障がないとは?と思って病院では治らないと判断した。

自分で調べて膝痛専門の整体院に通ってみた。3か月間くらい通ったが、膝の痛みはなくなるどころか自分で見ても明確に両膝が腫れてきているのが分かった。針鍼灸院にも通ったが、まったく変化がなく、最終的にはどちらの先生にもうちでは手に負えないと見捨てられてしまった。

歩くことが本当に困難になってしまい、日中のホテル業に支障をきたしてしまったため、会社に頼んで比較的動くことが少ない夜勤にしてもらった。夜勤にしてもらった影響か、今度は睡眠の質が悪くなってしまった。

元々、高校生くらいから不眠症の気があり、寝入りの時間が掛かったり、夜中に目を覚ましていたりした。それが、夜勤になった影響なのか、膝の痛みが気になるからなのか分からないが、寝入りに2~3時間掛かったり、寝ても1時間くらいで起きてしまうようになり、ここまで酷い状態になったことがなく困っていた。

また夜勤になってからは生理痛がきつくなったり、頭痛が止まらなくなったりして、痛み止めが手放せなくなった。せっかく膝の注射を打たずにいたのに、今のまま薬を飲み続けるのは嫌だったので、あちこちの治療院に通ってみたがまったく良くならなかった。

病院には頼りたくなかったが、最初とは別の病院へ行きレントゲンだけではなくMRI検査を受けたが異常なしと言われてしまった。ただ、そこの病院の先生は腫れていることは認めてくれて、強い痛み止めを処方してくれた。結局、薬に頼るしかないのかと思ったが、生活に支障をきたしているため仕方なく薬を飲んで対処していた。

眠れていない影響なのか手足がすごく冷えるなと感じるようになり、めまいなのか貧血なのか体調自体が悪くなり、仕事も休むようになってしまった。そんなときYoutubeで塩川満章先生の動画を見る機会があった。

この先生なら膝の痛みをなんとかしてもらえるかもしれないと思ったが、場所が東京の銀座だったため、普通に歩くだけでも辛いのに何度も銀座まで通えないなと思っていた。それでも他に頼れるところもなかったので、銀座の塩川カイロプラクティック治療室に問い合わせてみると藤沢駅前で副院長の前田先生が開院されていることを紹介してもらった。

藤沢駅なら銀座まで行くよりもかなり近いし、副院長をしていた先生なら大丈夫だろうと思い、当院に来院された。


【神奈川県横浜市戸塚区から来院】
初診の状態
  • 01

    両膝の強い浮腫感と右膝の熱感

  • 02

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 03

    第一頸椎右横突起の強い浮腫感

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また右仙骨翼と第一頸椎右横突起に強い浮腫が確認され、腰部起立筋と頸部胸鎖乳突筋は過緊張の状態であった。両膝ともに強い浮腫が確認されたが、右膝は特に浮腫感が強く出ており熱を持っている状態だった。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階はそれほど慢性的なところは確認されなかったが、重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階もそれほど慢性的なところは確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。また両膝とも捻じれが強く確認され、内側が閉じているような状態であった。

椎間板の段階はそれほど慢性的なところは確認されなかったが、重度の骨盤の傾きと両膝の腫れが尋常ではなかったので、初期集中期の段階では週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、両膝の腫れが少し引いてきて右膝にあった熱感も引いてきた。痛みも平坦な道をゆっくり歩くだけならそれほど感じなくなった。ただし早く歩こうとしたり、階段の上り下りはできる状態ではなかった。

6週目(6回目のアジャストメント)には、左膝の痛みは完全になくなった。右膝の痛みはまだ残っている状態で、階段の上り下りでは右膝の痛みを顕著に感じる状態だった。頭痛はそういえば気にならないと本人も忘れているほどだった。

10週目(10回目のアジャストメント)には、右膝の腫れが顕著に引いてきて、階段の上り下りもゆっくりならできるようになった。また平坦の道は普通に歩く分には痛みはほとんど気にならなくなった。睡眠の質もかなり良くなり、普通に眠れるようになった。また、歩けるようになったため仕事も夜勤から日勤に復帰することができた。整形外科でもらった強い痛み止めも完全に手放すことができた。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

14週目(12回目のアジャストメント)には、横断歩道を渡っているときに信号が変わりそうだったので無意識に小走りしてしまったが、膝の痛みが出ることはなかった。また階段の上り下りでも、それほど意識せず普通に歩けた。生理痛もほとんど気にならなくなり、痛み止めは飲めなくてよくなった。

20週目(16回目のアジャストメント)には、両膝の腫れや痛みはまったく気にならなくなり、以前のように日常生活を送れるようになった。仕事中も、日勤のホテル業で忙しく動いてもまったく問題なくなった。末端冷え性も、本人もそういえば最近気にならないと忘れているほどだった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の膝痛は、骨盤部の乱れが最大の原因であったと考えられる。股関節、膝、足首など下肢の関節は、そこに直接的な外傷がなかった場合、ほとんどのケースで骨盤部の乱れによる負荷が掛っている状態が多くみられる。

今回のケースでは、その傾向が顕著にあった。骨盤部には左右に仙腸関節というものが存在している。人間には補正作用があるため、どちらかの仙腸関節の動きが悪くなると、反対側は過剰に動いてしまう。

すると歩くたびに腰部に捻じれの動作が加わるため、腰部の椎間板を損傷してしまうケースが多くみられるが、今回のケースではその負荷が腰部にいかずにすべて膝関節への負担となってしまった20代にしては少し珍しいケースである。

レントゲン評価では両膝とも顕著に捻じれが確認されたため、膝関節へのアプローチも行ったが、ほとんどの膝痛の場合は骨盤部の安定と共に解消されることが多い。今回のケースでも膝関節だけにアプローチをするのではなく、根本原因となっていた骨盤部の安定と共に膝痛の改善に繋がったと考えられる。

検査では骨盤部の他に上部頸椎の問題も確認された。骨盤部と上部頸椎はどちらも副交感神経支配の部位となる。副交感神経にサブラクセーション(根本原因)があることで、交感神経が過剰に働き、次第に自律神経のバランスをも乱していたのだろう。

それが夜勤でさらに自律神経を乱したことで、不眠症、頭痛、生理痛、末端冷え性などの自律神経症状を引き起こしていたと考えられる。アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、自律神経のバランスが整った結果、膝痛のみならずさまざまな症状の改善に繋がったと考えられる。

20代の女性が歩けないほどの膝痛を発症していたとしても、膝だけに着目するのではなく根本原因を特定する検査が重要であり、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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