近年、日常生活の変化により私たちは1日の約60％を座って過ごしていると言われています。特に日本人は、平日に座っている時間が世界20カ国中で最長というデータも。オーストラリアの研究によると、日本人成人の平均的な座る時間はなんと1日約7時間にも及ぶそうです。長時間座っていることが当たり前の現代、正しい座り方を知ることは健康を維持するためにとても重要です。

「座り方なんて、誰かに教えてもらったことがない……」という方も多いかもしれません。でも実は、座り方が体の疲れに大きな影響を与えているのです。

このブログでは、カイロプラクターの視点から、正しい座り姿勢をご紹介します。

なぜ疲れやすい？間違った座り姿勢の落とし穴

まず、「疲れやすい座り方」について、よくありがちな座り方として以下の2つが挙げられます。

 

1. 胸を張った「ピンと背筋を伸ばした姿勢」

一見、美しい姿勢に見えるこの座り方ですが、実はとても疲れやすい姿勢なのです。胸を張ることで重心が後ろに移動し、背中が反り返った状態になります。この状態では、背中や腰の筋肉に大きな負担がかかり長時間維持するのは困難です。結果として、30分も経たないうちに疲労感を感じてしまうでしょう。

 

2. 背もたれに寄りかかってリラックスした姿勢

反対に、椅子に深く腰掛けずお尻が前にずれている姿勢も問題です。一見リラックスしているように見えますが、全身に無駄な力がかかっています。背もたれに頼ることで、背中や腰の筋肉が常に緊張した状態になり、さらに足やお尻が滑り落ちないように力を入れる必要があります。この結果、体全体が疲れやすくなります。

正しい座り姿勢とは？

正しい座り姿勢は、筋肉ではなく骨で体を支えることがポイントです。具体的には「座骨で座る」ことが重要になります。

「座骨」とは、座ったときにお尻の下にある硬い骨のことです。簡単に見つける方法は、椅子に座り、左右のお尻の下に手を当ててみてください。硬い部分が座骨です。この骨に体重を乗せることで、無駄な筋力を使わずに体を安定させることができます。

正しい座骨での座り方のポイントは、体に力を入れない無駄な力が入っていないことを確認しましょう。そして股関節を自由に動かせる、座ったまま太ももを簡単に持ち上げられる状態が理想です。

股関節が自由に動かせない場合、背中や腹筋を無理に使っている可能性があります。これをチェックすることで自分の座り方が正しいかどうか確認できます。

理想的な座り姿勢の目安は、へその上に鼻、肩の上に耳が位置していることです。

正しい座り姿勢には、頭の位置も重要です。理想的な座り姿勢の目安として、「へその上に鼻、肩の上に耳」というポイントを意識してみましょう。これは、座禅を組むときの姿勢に近い状態です。

頭の重さと姿勢の関係

頭の重さは約6～7キロ（ボーリングのボールほど）あります。頭がわずか2センチ前に傾くだけで、首や肩にかかる負担は倍の12～14キロに増加します。スマホを見ながら下を向いた姿勢では18キロ、さらに悪い姿勢だと27キロもの負担が首にかかることも。正しい頭の位置を意識するだけで、これらの負担を大幅に軽減できます。

カイロプラクティックケアと正しい座り姿勢の関係

正しい座り姿勢を取るためには、まず背骨の中を流れる神経が正常に働いていることが大切です。例えば、階段を上り下りする際にスムーズに足を運べるのは脳が体の位置を正確に把握しているからです。同様に、脳が体の状態を正しく認識していなければいくら正しい姿勢を意識しても改善は難しいでしょう。

カイロプラクティックケアは、神経の流れを正常化し、脳が体の状態を正しく把握できるようサポートします。その結果、自然と正しい姿勢が身につき、疲れにくい体づくりが可能になります。

また、カイロプラクティックケアを取り入れることで、神経の流れを整え体本来の正しい姿勢を自然に保てるようサポートできます。