便秘と頻繁に出る鼻血が改善!自律神経バランスを整えた結果とは?

便秘と頻繁に出る鼻血が改善!自律神経バランスを整えた結果とは?

鼻血が出なくなって生理周期も安定した!

20代女性
来院に至った経緯
幼少期から便秘気味で、母親によると赤ちゃんの頃から排便のリズムが不規則だったという。成長するにつれて便秘は悪化し、中学生の頃には1週間以上排便がないことが当たり前になっていた。さらに、小学生の頃から寝つきが悪く、一度眠れてもすぐに目が覚めてしまうことが続いていた。

小学校に上がる頃にはアレルギー体質が顕著になり、特定の食べ物や金属、草木などに反応しやすく、体調が悪い日は肌に赤みや発疹が出ることもあった。また、この頃から手の指先や足のつま先にしびれを感じることが増え、特に冷えた環境にいると症状が悪化することがあった。

高校生になると、頭痛の頻度が急激に増えた。特定の時間帯や天候の影響を受けることなく、突然痛みが出るのが特徴だった。痛みの場所も日によって異なり、後頭部がズキズキする日もあれば、こめかみがドクンドクンと脈打つように痛むこともあり、頭全体が締め付けられるように感じることもあった。頭痛の質も毎回異なり、痛み止めを服用しても完全に治まることはなかった。

また、婦人科系の悩みも長年抱えており、生理痛は初潮の頃から強く、特に初日や2日目は腹痛で動けなくなるほどだった。生理周期も安定せず、3か月間まったく生理が来ないことがあれば、逆に1日で終わってしまうほど出血量が極端に少ないこともあった。

今回、来院を決意した一番の理由は、ここ2年間で頻繁に鼻血が出るようになったことだった。特に朝起きたときや、少し疲れが溜まったと感じる日に突然鼻血が出ることが多く、生活に支障をきたすようになった。また、大学生になってから便秘がさらに悪化し、来院前には2週間も排便がない状態が続いていた。

鼻血については病院で精密検査を受けたものの、「鼻の粘膜が少し弱いですね」と言われるだけで、特に異常は見つからなかった。しかし、症状が改善することはなく、どうしたらいいのかわからず悩んでいた。

そんなとき、親戚の方から「カイロプラクティックで体のバランスを整えてみては?」と勧められ、少しでも改善の可能性があるならと来院を決意された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    正中仙骨稜の異常な浮腫感

  • 03

    頚部胸鎖乳突筋(特に左側)の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また第一頸椎左横突起と右仙骨翼、そして正中仙骨稜に強い浮腫が確認され、頚部胸鎖乳突筋(特に左側)と腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、腰の椎間板はそれほど慢性的な段階は確認されなかったが、過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板もそれほど慢性的な段階は確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

初期集中期の段階では週1回のケアから開始した。

【4週目】(4回目のアジャストメント)
最も気にしていた鼻血はまったく出なくなった。来院時には2週間排便がなかったが、3日に1回は便が出るようになり、消化のリズムが整い始めた。また、頭痛の頻度も明らかに減少し、日常生活での不快感が軽減された。

【6週目】(6回目のアジャストメント)
便秘がさらに改善し、調子が良いときには1日1回の排便がある状態に。この頃から睡眠の質にも変化を感じるようになり、以前は些細な物音でも目が覚めていたが、朝までぐっすり眠れるようになってきた。この段階で施術のペースを2週間に1回に調整。

【12週目】(9回目のアジャストメント)
最低でも1日1回は排便がある状態が定着。睡眠の質も大きく向上し、頭痛は完全に消失。また、生理痛も軽減し、生理周期が安定してきた。

【18週目】(12回目のアジャストメント)
アレルギー反応を除くほとんどの症状が改善。この時点で施術のペースを3週間に1回に広げることができた。

【27週目】(15回目のアジャストメント)
アレルギー反応にも変化が見られ、体調が良い日は金属製のネックレスをつけていても発赤が出なくなった。

現在は、これまでの症状が再発しないようにするため、月1回のメンテナンスケアを継続している。

考察
今回のケースでは、骨盤部と上部頸椎という副交感神経の支配を受ける部位に強い反応が見られたことから、交感神経が過剰に働き、自律神経のバランスが崩れていたことが、多くの症状の根本原因となっていたと考えられる。

この自律神経の乱れが、長年の不眠や便秘、さらにホルモンバランスの異常を引き起こし、結果として体のさまざまな不調につながっていたのだろう。

手足のしびれについても、触診では末端の冷えが顕著に見られた。交感神経が過剰に働くと、末梢血管が収縮し、血流が滞ることで末端まで十分な血液が行き渡らなくなる。その結果、血液循環の悪化による冷え性を引き起こし、しびれとして症状が現れていたと考えられる。

また、頭痛に関しては、時間帯や天候の影響を受けず、痛みの部位や質が毎回異なることから、ホルモンバランスの乱れが関与している可能性が高い。自律神経が正常に機能しないと、ホルモンを分泌する各器官と脳との情報伝達に異常が生じ、ホルモン分泌が乱れることで、頭痛の誘因になっていたと考えられる。

今回の主訴であった「頻繁に出る鼻血」の問題は、便秘や生理不順により体内に老廃物が蓄積し、その排出経路の一つとして鼻血が出ていた可能性がある。通常、体は便や汗、生理といった排泄機能を通じて不要なものを排出するが、便秘や生理不順によってそれが滞ると、別の形で排泄しようとする。今回の鼻血も、そうした体の自然な防御反応の一つだったのかもしれない。

便秘に関しては、交感神経の過剰な活動が原因となることが多いが、幼児期から続いているケースでは、副交感神経の機能低下が影響している可能性が高い。腸の蠕動運動は副交感神経によって調整されているため、その働きが低下すると、腸の動きが鈍くなり、便秘を引き起こしやすくなる。また、長年の便秘が体内の老廃物の蓄積につながり、他の不調の引き金になっていた可能性も考えられる。

生理不順についても、体内のデトックス機能が正常に働いていなかったことが大きく影響していたと考えられる。生理は女性にとって体内の老廃物を排出する重要なプロセスであり、これが正常に行われないことで、体内に不要な物質が蓄積し、ホルモンバランスの乱れを引き起こしていたのだろう。

また、生理不順だけでなく、生理痛も強かったことから、女性ホルモンの分泌異常があったと推測される。ホルモンのバランスが崩れると、代償的にプロスタグランジンというホルモンが過剰に分泌されるが、このホルモンは痛みを引き起こすため、生理痛の悪化につながっていたのかもしれない。

さらに、幼少期から続くアレルギー体質や発赤の症状についても、体内に蓄積した毒素が影響していた可能性がある。アレルギー反応には副腎が関係していることが多いが、骨盤の歪みが副腎を支配する下部胸椎に負担をかけていたことも一因と考えられる。

副腎に関連する神経が直接的に影響を受けていたのか、それとも補正作用による二次的な負担がかかっていたのか、あるいは自律神経のバランスの乱れがホルモンバランスに影響を与えていたのか、詳しい検査によって明確にする必要があった。

今回の症例のように、多くの症状が絡み合っている場合は、最初にどの神経系に負担がかかっているのかを特定することが極めて重要となる。問診や検査を通じて、神経の機能障害(サブラクセーション)の影響を明確にし、適切なアプローチを行うことが、根本的な改善につながる。神経系の働きを正確に評価し、的確にアプローチすることの重要性が改めて示された症例であった。
便秘と頻繁に出る鼻血が改善!自律神経バランスを整えた結果とは?
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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