毎朝の電車通学が苦痛だった慢性的な下痢が改善!

毎朝の電車通学が苦痛だった慢性的な下痢が改善!

突然の下痢に悩まされず、電車移動も安心してできるように!

10代男性
来院に至った経緯
幼少期から胃腸が弱く、急な下痢に頻繁に悩まされていた。特に強い腹痛を伴うわけではなく、突然催してトイレに駆け込むことが、小学校低学年の頃から繰り返されていた。

小学校・中学校ではサッカーを続けていたが、試合中に急に下痢になり、途中で交代を余儀なくされることが多かった。サッカーでは一度交代すると試合に戻ることができないため、怪我をしたわけでもないのに試合を途中で辞退することに周囲の理解を得られず、最終的には中学を卒業するタイミングでサッカーを辞めてしまった。

高校生になり電車通学を始めたことで、これまで以上に下痢が深刻な問題になった。特に通学中に突然催すため、電車内での不安が常につきまとい、各駅のトイレの場所を事前に把握しておかないと安心して移動できなかった。朝の混雑した電車の中で急にトイレに行きたくなり、途中下車を余儀なくされることも多かった。

大学生になっても下痢の症状は治まらず、通学時に途中下車してトイレに駆け込むことが日常的になっていた。その影響で朝一の講義に遅刻することも増え、授業に集中することが難しくなっていった。

この頃から睡眠の質が急激に悪化し、長く眠れず、2時間ほどで目が覚めてしまうことが続くようになった。また、夕方になると頭痛が頻繁に起こるようになり、外出時は常に頭痛薬を持ち歩くようになった。

下痢の頻度はさらに増し、ほぼ毎回、水のような下痢が続く状態に悪化した。通学時だけでなく、大学の講義中にも突然下痢に襲われることがあり、授業を途中で抜けることが増えてしまった。

病院で検査を受けたが特に異常は見つからず、『過敏性腸症候群の可能性がある』と言われ、下痢止めを処方された。しかし、薬を飲んでもまったく効果を感じられず、根本的な解決には至らなかった。このまま社会人になっても改善しなかったらどうしようという不安が日に日に大きくなっていった。

そんな時、親戚の方から「カイロプラクティックを試してみては?」と勧められ、少しでも改善の可能性があるならと来院を決意された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    第一頸椎右横突起にスポンジ状の浮腫

  • 02

    頸部右胸鎖乳突筋の過緊張

  • 03

    右仙腸関節の可動域制限

経過と内容
初診時の状態では、第一頸椎と右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また第一頸椎右横突起と右上後腸骨棘上端に強い浮腫が確認され、頚部右胸鎖乳突筋と腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD3レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板はそれほど慢性的な段階は確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、学業の関係で週1回のケアから開始した。

【6週目】(6回目のアジャストメント)
睡眠の質に明らかな変化が現れた。それまでは2時間ごとに目が覚めていたのが、4時間ほど連続で眠れるようになった。また、これまで毎朝のように起こっていた通学時の下痢が減り、トイレの心配をする回数が明らかに少なくなった。この段階で、施術の間隔を2週間に1回に広げることができた。

【12週目】(9回目のアジャストメント)
睡眠の質はさらに安定し、6~7時間の連続睡眠が取れるようになった。通学中の下痢もほとんどなくなり、日常生活において大きな支障が出ることはなくなった。ただし、試験当日など強い緊張を感じる日は、まれに下痢になることもあった。また、本人も忘れてしまうほど頭痛の症状が消失し、気づけば頭痛薬をまったく服用しなくなっていた。

【16週目】(11回目のアジャストメント)
睡眠の質や下痢の症状は完全に落ち着き、通学時にトイレを気にする必要がなくなった。また、施術のペースを3週間に1回に広げることができた。

現在は、再発を防ぎ、安定した体調を維持するために、月1回のカイロプラクティックケアを継続している。

考察
今回の下痢の問題は、上部頸椎と骨盤部にサブラクセーション(神経機能の障害)が確認されたことから、交感神経と副交感神経のバランスが崩れたことによる自律神経の乱れが主な原因と考えられる。特に、痛みを伴わず水のような下痢が続く場合は、副交感神経の異常が関与しているケースが多い。

自律神経は交感神経と副交感神経の二つの働きによってバランスを保っている。交感神経は車で例えるとアクセルの役割を果たし、副交感神経はブレーキの役割を担う。今回のケースでは、副交感神経の機能障害によって自律神経のバランスが崩れ、結果として交感神経が過剰に働いた状態になっていた。

その結果、腸の排出機能が過剰に活性化し、必要以上に排便が促進されてしまったため、頻繁な下痢が引き起こされていたと考えられる。これは、交感神経が優位になることで腸の蠕動運動が異常に亢進し、通常の消化吸収プロセスがうまく機能しなくなるためである。結果として、腸内の水分が過剰に排出され、水のような下痢が続いていた可能性が高い。

また、交感神経が優位な状態が続くことで、リラックスモードへ切り替えることが難しくなり、不眠の症状にもつながっていたと推測される。

さらに、夕方以降に出現していた頭痛は、緊張性頭痛の特徴を持っており、これも交感神経が過剰に働いているときに起こりやすい症状である。交感神経はストレスや緊張がかかった際に活性化するため、自律神経のバランスが乱れた状態では、このような頭痛が頻繁に発生することがある。

頭痛は、その発生部位や質、発症する時間帯、環境の変化などによって、どの神経系に負担がかかっているかを読み取ることができる。

今回の症例のように、自律神経の問題が関与しているケースでは、どの神経系に負担がかかっているのかを正確に特定し、ターゲットを絞ったアプローチを行うことが重要である。過剰に働いている交感神経を抑えるために、副交感神経へのアプローチを中心に施術を行ったことが、今回の改善につながったと考えられる。

一度に複数の部位を施術するのではなく、神経系の働きを見極め、必要なポイントに的確にアプローチすることの重要性を示した症例であった。
毎朝の電車通学が苦痛だった慢性的な下痢が改善!
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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