体の様々な部位で出てくる神経痛、めまい、腰痛

体の様々な部位で出てくる神経痛、めまい、腰痛

日常生活にも支障をきたしていた、めまいや神経痛が改善

40代女性
来院に至った経緯
社会人になり20代前半で帯状疱疹を発症。それ以降、疲れやストレスが溜まると腹部や背中、肩部、股関節、大腿部など様々な部位でピリピリとした神経痛のような痛みが出るようになった。病院に通院し処方箋を服用していたこともあったが、今では市販の鎮痛薬を常備し痛みが出ると薬を飲み、症状が治まるまでは安静にするよう繰り返していた。

帯状発疹発症と同じ頃に、めまいを発症した。メリーゴーランドに乗っている時のようなふわふわした感覚で、半年くらい前からは毎日のようにめまいが出るようになり病院を受診するも検査では異常はみられなかった。めまい体操をしてめまいの頻度は減ってきていたが、3ヵ月くらい前に耳かきをしてから、まためまいが頻繁に出るようになってしまう。美容室でシャンプーをしてもらう体勢でもめまいが出てしまい悩んでいた。

腰痛は、以前からあったり当たり前のことだと思っていたためいつから気になっていたか覚えていないくらいだった。半年前くらいから坂道を上っているときに急に抜けるような痛みが出るときもあり、駆け足や早く歩くことを控えていた。

10代の頃から左膝蓋骨が外れるような症状で整形外整形外科を受診したこともあるが、レントゲンとMRI検査で異常なしといわれた。それから年に何度か膝蓋骨が外れるような感覚や膝が崩れるようになる。

神経痛も日によって痛みの強さや痛いことろが違い、めまいも頻繁になっていたため家事や庭のお手入れなども体調がすぐれない中で行っていて、横になっていることも増えていた。原因が分からず、自律神経が乱れている事が関係しているとは感じてはいたがどうしていいか分からなかった。ご家族の方がインターネットで調べてカイロプラクティックを知り、当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    仙骨全体の浮腫感

  • 03

    右頚部から後頭部にかけての過緊張

経過と内容
初診時の状態では、左仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、仙骨部と上部頚椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また骨盤と上部頚椎に強い浮腫が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD5レベルで骨盤の傾きが確認された。首の椎間板の段階は慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。 初期集中期の段階では週1~2回のペースでケアを開始した。

3週目(4回目のアジャストメント)には、アジャストメント翌日の午後から急に振り向いたりすることは怖さはあるが、めまいが落ち着いてきた。歩いていて抜けるような腰痛は回数が減ってきたが、検査では仙骨部の浮腫感は強くみられた。

6週目(8回目のアジャストメント)には、長時間座っていることが多かったからか腰の痛みがあったが、歩いていて抜けるような症状は出なかった。めまい症状が落ち着いてきて、普段横になることが減ってきた。

25週目(20回目のアジャストメント)には、半年前くらいはめまいや体の腹部や肩の痛みは安定したり痛くなったりを繰り返していたが、この頃から体の痛み 、めまいとも感じにくくなってきていると話されていた。

27週目(21回目のアジャストメント)には、週1回のペースでジムに通い始めた。めまいや体の痛みは感じずに不安なく日常生活や運動が出来ている。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回のめまい、体のさまざま部位での神経痛や多くの症状がみられたが、自律神経のバランスが乱れが原因であったと考えられる。

体のあちこちに出る痛みは、ホルモンバランスが乱れたことによって起こる症状の特徴の一つでもある。ホルモンは微量でも強い効果を発揮するため、それによるバランスの乱れによってさまざまな症状に出ることが多い。

女性の場合、女性ホルモンの分泌量の変化によってライフステージで様々な体調の変化が起こりやすくなる。自律神経のバランスが乱れることで脳が卵巣の状態を正しく把握できなくなってしまう。その結果、エストロゲンやプロゲステロンの急激な変動に繋がったと考えられた。 女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンは副交感神経の働きにも関係していてる。

検査では骨盤と上部頚椎での明らかな体表温度の誤差と浮腫感、過緊張を確認した。骨盤と上部頚椎は副交感神経支配の部位であるため、副交感神経の働きが低下し、交感神経の働きが過剰となっていたと考えられた。

腰痛は、歩行中の抜けるような腰の痛みであったが骨盤のバランスの乱れによって長期的に神経に負担がかかり、歩行中に左右のバランスが乱れ症状に繋がったものと考える。

膝関節部の膝蓋骨の外れるような膝痛は、レントゲンやMRI検査では問題はみられなかった。股関節や膝関節、足関節はその部位への直接的な外傷がない場合、ほとんどが骨盤での負担によるものが多い。今回の症状も骨盤での負担と腰椎の椎間板がD5レベルと慢性的であったため下肢に繋がる神経には長期的に負担がかかり膝のアライメントや関節の運動機能に影響を与えたものと考えられた。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、脳と体の情報伝達である神経のサイクルが正常に働いた結果、めまいや体の神経痛、腰痛の改善に繋がったと考えられる。神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
体の様々な部位で出てくる神経痛、めまい、腰痛
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中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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