転職後の不眠症、頭痛、末端冷え性、頻繁な風邪、下痢、腰痛、坐骨神経痛

転職後の不眠症、頭痛、末端冷え性、頻繁な風邪、下痢、腰痛、坐骨神経痛

睡眠薬に頼らずに眠れるようになった!

40代男性
来院に至った経緯
子供の頃から体が弱く、頻繁に風邪を引いていた。両親が心配してスポーツをやった方がいいと、野球、サッカー、柔道、合気道などいろいろなスポーツをやらせてもらったが、それでも中学生くらいまでは年間10回以上、高熱を出して寝込んでいた。

高校生くらいになると少し変わったのか、それまでよりは熱を出さなくなったが、それでも季節の変わり目などは必ずと言っていいほど高熱を出して寝込んでいた。また、高校生になって電車通学になってから、頻繁に下痢になるようになった。閉鎖的な空間にいるとお腹を下してしまい、授業中や電車内などすぐにトイレに行けないと思うと下痢になってしまった。

社会人になって草野球をやるようになったが、運動直後でも手足が冷たいと感じた。末端冷え性が気になってからは、お風呂上りでもすぐに手足が冷たくなることに気づいた。この頃から仕事中、午後になると決まって頭痛を感じるようになって頭痛薬が手放せなくなった。

35歳のときに転職をして、完全デスクワークの仕事になった。それまでの仕事は営業だったため、頻繁に外出していたが、完全デスクワークになってから体調が一気に悪化した。これまであったような、頻繁な風邪、末端冷え性、頭痛、下痢などが顕著に現れるようになった。

一番、困ったことは睡眠の質が悪くなったことだった。以前は、風邪を引いたりして体調が悪くなっても布団に入ればすぐに眠れたが、転職後はどれだけ疲れていても布団に入って3~4時間は眠れない日々が続いた。

すぐに眠れた日は、決まって1時間くらいで目を覚ましてしまい、その後は朝まで眠れないこともあった。さすがに眠れないのは我慢できなかったので病院へ行くと睡眠薬を処方されたが、薬も日によってまったく効かないことがあった。

デスクワークで長時間座っている影響か、これまでなかった腰痛も感じるようになった。右お尻が締め付けられるように痛みを感じることもあり、職場の同僚には「それは坐骨神経痛だから整体に行った方がいい」と紹介されて通ってみることにした。

自宅と会社の通勤圏内にある整体院だったので頻繁に通ったが、受けると確かに楽にはなるが、マッサージやストレッチをされるだけですぐに元に戻ってしまうと感じていた。

何か良い方法はないかなと調べてみると、YouTubeで塩川満章先生の動画を見る機会があった。腰痛はもちろん不眠症の人も治ったと見て一度受けてみようと思った。塩川カイロプラクティック治療室に問い合わせてみると残念ながら塩川先生は新規の受付はストップしているとのことだった。

誰かお弟子さんとかいませんかとこちらの住まいを伝えると、ちょうど藤沢駅前に副院長を務めていた前田先生が開院していると教えてもらった。塩川先生の治療院で副院長を務めていた先生なら大丈夫だろうと思い、当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左後頭部から第一頸椎左横突起の強い浮腫感

  • 03

    頸部全体の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また左後頭部から第一頸椎左横突起と右仙骨翼に強い浮腫が確認され、頚部胸鎖乳突筋と腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD5レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は慢性的なD3レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週3回のケアを提示したが、仕事の関係で週2回のケアから開始した。

2週目(4回目のアジャストメント)には、坐骨神経痛を伴う腰痛はほとんど気にならなくなった。

5週目(10回目のアジャストメント)には、この頃には午後になると頻繁に感じていた頭痛は気にならなくなり本人も忘れているほどだった。この段階でケアのペースを週1回に広げることができた。

9週目(14回目のアジャストメント)には、睡眠の質が少し良くなったのか次の日が休みの日だと薬を飲まなくてもわりと早く眠れるようになった。この頃には、そういえば最近はお腹を下すことがなくなったと本人も忘れているほどだった。

20週目(25回目のアジャストメント)には、睡眠の質が劇的に良くなり、睡眠薬を飲まなくても朝までぐっすりと眠れるようになった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

28週目(29回目のアジャストメント)には、睡眠の質は継続して良好で体が軽いと感じるようになった。また、ここ半年間風邪を引いていないことに驚いていた。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の転職後の不眠症は、自律神経の乱れが原因であったと考えられる。

検査では骨盤部と上部頸椎に強い反応がみられた。骨盤部と上部頸椎はどちらも副交感神経支配の部位となる。副交感神経とは休まる神経で、本来は夕方頃から副交感神経が優位に働くはずが、骨盤部や上部頸椎などに負担が掛かっていたため交感神経が過剰に働いていたと考えられる。

午後になると出る頭痛は緊張性の頭痛であり、交感神経が過剰に働くことで体は常に過緊張を起こしており、それが不眠症や午後の頭痛を引き起こしていたと考えられる。

胃腸の動きは、通常副交感神経が優位なときに活発となるが、交感神経が過剰に働くことで人間が本来持っている排出機能が過剰に働くことで下痢を引き起こしていたと考えられる。また末端冷え性があったことからも交感神経が過剰に働いていたと考えられる。

交感神経の作用として末梢の血管を閉じる役割がある。これ自体は交感神経の普通の作用だが、その状態が長期間続いてしまうと末梢の血管が閉じたままとなり末端冷え性を引き起こしてしまう。

子供の頃から頻繁に風邪を引いてしまうもの自律神経が関係していたと考えられる。人間の体内には白血球というものがあり、体内に侵入してきた細菌やウイルス、あるいはガン細胞などを直ちに排除するようにプログラムされている。

白血球には顆粒球とリンパ球があるが、交感神経が優位になると体内で顆粒球が上昇、副交感神経が優位になると体内でリンパ球が上昇する。この顆粒球とリンパ球の比率が乱れると免疫力の低下に繋がり頻繁な風邪となってしまう。

坐骨神経痛を伴う腰痛も発症していたが、検査では右の仙腸関節、特に仙骨翼に強い反応がみられた。仙骨に負荷が掛ると、臀部にある梨状筋という筋肉を引っ張ってしまい、坐骨神経を圧迫するリスクが上がってしまう。転職で完全デスクワークになり、長時間座っていたことで仙骨部には強い負荷が掛っていたのだろう。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、自律神経のバランスが整った結果、さまざまな症状の改善に繋がったと考えられる。あらためて神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
転職後の不眠症、頭痛、末端冷え性、頻繁な風邪、下痢、腰痛、坐骨神経痛
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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