つらい首の痛みと脚のむくみ…デスクワーク生活で悪化した不調がスッキリ改善！

薬やマッサージではよくならなかった慢性的な首の痛みとむくみが解消された理由とは？

来院に至った経緯

長時間のデスクワークを続ける生活の中で、約5年前から左首に違和感を覚えるようになった。当初は軽いこわばりや張りを感じる程度だったが、次第に頻度が増し、特に朝起きた際に首が固まったような感覚に悩まされるようになった。また、仕事中に同じ姿勢を続けることで痛みが悪化し、昼過ぎには首の奥がズーンと重だるくなり、それとともに頭痛が出現することが増えていった。

特にパソコン作業を長時間行う日には、首から後頭部にかけて強い張りを感じ、集中力の低下や目の奥の違和感を伴うこともあった。業務終了時には疲労感が蓄積し、首の痛みがピークに達するため、帰宅後もリラックスできず、家事や趣味の時間を十分に楽しめない状態が続いた。

症状を改善しようと、日常的に姿勢を意識したり、ストレッチを取り入れたりしたが、大きな変化は感じられず、症状が強い日は頭痛薬を服用してなんとか乗り切る日々が続いた。しかし、薬の効果はあくまで一時的で、数時間後には再び痛みが戻るため、根本的な解決には至らなかった。

さらに、約1年前からは両脚のだるさやむくみが気になるようになった。特に長時間の座り仕事が続いた日には症状が悪化し、夕方にはふくらはぎがパンパンに張り、靴がきつく感じるほどのむくみを自覚するようになった。週の初めはまだ軽度だったが、週末にかけて症状が蓄積し、金曜日には脚の疲れが限界に達することが多かった。軽い運動や入浴、マッサージで一時的に和らぐこともあったが、翌日には再び症状が戻るため、改善の実感が得られなかった。

また、立ち上がる際に脚がだるく感じることも増え、夕方以降は歩行時に足取りが重くなることもあった。むくみが強い日は、脚全体が腫れぼったく感じられ、足裏の違和感や軽いしびれを伴うこともあった。

そんな折、ご近所の方が当院に通院されていることを知り、相談したところ「同じような症状が改善した」との話を聞いた。薬やマッサージでは根本的な改善が難しいことを実感していたため、これを機に体のバランスを整えることが必要ではないかと考え、当院を訪れることを決意した。

初診の状態

• 01

  頚部から肩のかけての筋緊張。特に左側

• 02

  右仙腸関節の可動域制限

• 03

  腰部脊柱起立筋の緊張

経過と内容

初診時の状態では、上部頚椎と骨盤には明らかな可動域制限と強い浮腫感、体表温度検査では明らかに左右の温度の誤差が確認された。

腰部レントゲン側面像では、L5がD3レベルと慢性的な段階で確認された。
頚部レントゲン側面像では、D4レベルで慢性的な段階で確認された。
初期集中期の段階では週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、腰部脊柱起立筋の筋緊張の緩和、骨盤部の浮腫感軽減。慢性腰痛が緩和し、両下腿の浮腫みは週末になるとより強く感じられたが浮腫みが改善されてきた。

5週目(5回目のアジャストメント)には、1週間は疲労が溜まると頚部痛みはあるが回数と痛む時間も減り、頭痛薬を服用せずに過ごしている。

9週目(7回目のアジャストメント)には、仕事が忙しく長時間座っていることが多かったため腰痛はあったが、両下腿の浮腫みは気にならなくなった。首こりのような症状はあるが痛み、頭痛は発症していない。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察

今回の首の痛みは、自律神経のバランスの乱れが大きく関与していると考えられる。

問診の結果、下部頚椎や骨盤において顕著な体表温度の差、浮腫、筋緊張が確認された。特に交感神経が過剰に働いており、下部頚椎のサブラクセーションが上部頚椎に負担をかけている状態だった。そのため、まず骨盤の調整を優先し、筋骨格系へのアプローチを行った。

首の痛みの主な要因は2つ考えられる。1つ目は、自律神経の乱れにより筋肉が過剰に緊張し、痛みを引き起こすケース。2つ目は、骨格のバランスが崩れることで頭部の重みを適切に支えられず、筋肉に負担がかかるケースである。

また、骨盤のバランスの乱れは背骨の配列に影響を与える。今回のケースでは、長期間にわたる骨盤のサブラクセーションが自律神経の乱れを引き起こし、頚部への慢性的な負担につながっていた可能性が高いと考えられた。

さらに、下腿のむくみも自律神経の影響を強く受ける。下半身の血流やリンパの流れは神経が調整しており、特に腰部や骨盤から伸びる神経が深く関わっている。この神経に負荷がかかると血管の拡張・収縮がスムーズに行われず、血液やリンパの流れが滞ることで、浮腫みや冷えの原因となる。今回のケースでは、慢性的な腰痛も確認されており、腰部や骨盤の神経圧迫が下半身の循環不良を招いていた可能性がある。

また、体内の水分バランスを調整する心臓、腎臓、肝臓、甲状腺といった臓器の機能は自律神経によってコントロールされている。このバランスが崩れると水分代謝が乱れ、浮腫みが発生しやすくなる。

さらに、仕事の後半や夕方にかけて発生する頭痛も、交感神経の過剰な働きが原因のひとつと考えられる。デスクワークで長時間同じ姿勢を続けると筋緊張が蓄積し、さらにPC作業によるブルーライトの影響で交感神経が刺激される。これにより眼精疲労が進み、緊張型頭痛を引き起こしやすくなる。交感神経が優位な状態が続くと末梢血管が収縮し、血流が悪化。老廃物や疲労物質が蓄積しやすくなるため頭痛のリスクが高まる。

アジャストメントによってサブラクセーションが解消され、神経の流れが正常に。こ整ったことにより、頚部の痛みや下腿の浮腫みが改善に向かったと考えられる。

長年悩まされていた症状が、神経の働きを整え、脳と体の情報伝達をスムーズにすることで改善した貴重なケースである。