ストレスで悪化する動悸・不整脈が改善!仕事中の胸の痛みが消えた理由とは?

ストレスで悪化する動悸・不整脈が改善!仕事中の胸の痛みが消えた理由とは?

動悸が治まり、心拍数も安定!快適な毎日へ

40代男性
来院に至った経緯
高校・大学と本格的にボクシングを続けていた。首には常に違和感があり、あまり強くなかったこともあり、試合ではかなり強いパンチを何度も受けていた。

大学卒業を控え、ボクシングを辞めた頃から、睡眠の質が悪くなり始めた。疲れているはずなのに布団に入ってもまったく眠くならず、ひどいときには朝方まで眠れないこともあった。睡眠不足のため、日中は強い眠気に襲われるようになった。社会人になっても状況は変わらず、仕事に支障をきたすことを心配し、病院で睡眠薬を処方してもらうようになった。

仕事はデスクワークが中心で、一日中座りっぱなし。社会人3年目のある朝、起きたときに腰に違和感を覚えた。その日は普段通り出社したものの、午前中ずっと座って仕事をし、お昼休みに立ち上がろうとした瞬間、腰に激痛が走った。

まったく動けなくなり、救急車で病院に運ばれた。レントゲンやMRI検査を受けたが、骨には異常がなく、「急性のぎっくり腰」と診断された。痛み止めと腰椎コルセットを処方され、その後も何度もぎっくり腰を繰り返すようになった。ぎっくり腰のたびに病院へ行き、痛み止めを処方されるという生活が続いた。

腰痛は特に朝の寝起きが最もつらく、熱いシャワーを浴びないと動けないほど腰が固まっていた。仕事中も長時間座りっぱなしのため、午後になると座っているだけでも腰に痛みを感じることがあった。長時間座った後の立ち上がりは特に怖く、腰が抜けるような感覚があり、いつも机に手をついて慎重に立ち上がっていた。

睡眠薬を常用することが当たり前になり、睡眠の質の悪さすら気にならなくなっていたある日、仕事中に突然、心臓がバクバクと激しく鼓動し、胸の苦しさを感じた。驚いていると、同僚から「それは動悸だからすぐに病院へ行った方がいい」と勧められ、その日は仕事を早退して病院を受診した。

診察では「脈が少し早い頻脈です」と言われたが、それまで健康診断で心臓に異常を指摘されたことはなかった。心臓に関する問題はさすがに不安を感じ、大きな病院で精密検査を受けることになった。何時間にも及ぶ検査を受けたが、心臓には異常がなく、「頻脈性の不整脈」と診断された。

それ以降、仕事中に突然動悸が起こり、胸の痛みを感じることが増えていった。そんな折、子どもの頃からの友人に「動悸がするならカイロプラクティックがいい」と勧められ、当院を紹介された。

過去に腰痛をきっかけにカイロプラクティックを受けたことはあったが、その際は「ただバキバキされるだけで、むしろ腰痛が悪化した」という経験があり、最初は半信半疑だった。しかし、信頼している友人の紹介だったため、疑い半分ながらも来院を決意された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    第一頸椎左横突起にスポンジ状の浮腫

  • 02

    頸部胸鎖乳突筋(特に左側)の過緊張

  • 03

    右仙骨翼にスポンジ状の浮腫

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また第一頸椎左横突起と右仙骨翼に強い浮腫が確認され、頚部胸鎖乳突筋(特に左側)と腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD6レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は慢性的なD5レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週3回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

【4週目】(4回目のアジャストメント)
寝起きの腰痛が明らかに軽減し、これまで毎朝シャワーを浴びなければ動けなかったのが、シャワーなしでも朝の準備ができるようになった。

【6週目】(6回目のアジャストメント)
この1か月間、動悸が完全に消失。本人も気づかないほど自然な状態になった。病院の定期検診ではまだ脈がやや速いものの、着実に安定へ向かっている。腰痛も日を追うごとに改善し、仕事中に座っている際の痛みを感じない日が増えてきた。

【8週目】(8回目のアジャストメント)
仕事中に長時間座った後、立ち上がる際に感じていた腰が抜けるような不安感がなくなり、日常生活でも腰痛をほとんど感じなくなった。この時点で施術のペースを2週間に一度に広げることができた。

【17週目】(13回目のアジャストメント)
病院の定期健診で、脈の状態が落ち着き、不整脈が出ていないと診断された。この頃には、睡眠薬を服用しなくても自然に眠れる日が増えてきた。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の動悸・頻脈性不整脈の主な原因は、自律神経のバランスの乱れであったと考えられる。検査では、骨盤部と上部頸椎に反応が見られたが、これらはどちらも副交感神経の支配を受ける部位である。副交感神経にサブラクセーション(神経機能の障害)が生じると、その影響で交感神経が過剰に働く状態になってしまう。

人間はストレスを受けたり、緊張状態が続いたりすると、脳はその環境に適応するために交感神経を活性化し、心拍数を上げるよう神経に指令を送る。これにより血液循環を高め、外部環境に対応しようとする。しかし、自律神経のバランスが崩れると、ストレスに適応しようと交感神経が過剰に反応し、心拍数が異常に上昇。その結果、動悸を引き起こしていたと考えられる。

今回のケースでは、頻脈性不整脈も見られたが、これも副交感神経の機能低下が関与していた可能性が高い。副交感神経の働きが低下すると、結果として交感神経が過剰に活動し、心拍数が異常に上がる状態が続いてしまう。この影響で動悸や不整脈が発生し、それに伴い不眠症の症状も悪化していたと考えられる。

また、今回の検査では第一頸椎に強い反応が見られたが、動悸や不整脈において特に注目すべきなのは左の迷走神経である。迷走神経は心臓の働きを調整する重要な神経であり、第一頸椎の位置異常がこの神経に影響を与えることがある。特に、第一頸椎の左横突起が前方に変位すると、左の迷走神経に大きな負担がかかり、心臓のリズムを乱す原因となる。

さらに、長年続いていた腰痛も骨盤部の問題が関与していたと考えられる。骨盤は身体の土台であり、建物に例えるならば基礎の部分にあたる。骨盤が不安定になると、身体のバランスが崩れ、上部頸椎にも過剰な負荷がかかる。これにより、腰痛だけでなく、動悸や不整脈といった自律神経の問題にも影響を及ぼしていた可能性が高い。

施術によってサブラクセーション(神経機能の障害)が取り除かれ、脳と身体の情報伝達が正常に機能した結果、自律神経のバランスが整い、症状が改善へと向かったと考えられる。病院の検査で「異常なし」と診断されたとしても、根本的な原因を特定し、適切なアプローチを行うことが何よりも重要であることが示された症例であった。
ストレスで悪化する動悸・不整脈が改善!仕事中の胸の痛みが消えた理由とは?
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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