ストレートネックによる首の痛みと肩こり、左腕の痺れ、長時間の運転姿勢とデスクワークによる腰痛

ストレートネックによる首の痛みと肩こり、左腕の痺れ、長時間の運転姿勢とデスクワークによる腰痛

慢性的な首の痛みと肩こりが解消された!

40代男性
来院に至った経緯
20年位前、20代前半のときに車に乗って信号待ちをしていると、後ろから居眠り運転のワゴン車にノンブレーキで突っ込まれた。乗っていた普通乗用車の後ろのハッチが開けられないほどの交通事故だった。

病院でレントゲン検査などをしたが、骨には特に異常はなく、ストレートネックになっていると言われた。何度かリハビリに通っていると首の重だるさはなくなったので、その時は完治したと思っていた。

消防の仕事に就職して救急隊員になった。基本的な業務は車の運転とデスクワークで座っている時間が長いせいか肩こりと腰痛を感じるようになった。近所の整体院やマッサージに行くと楽になるが1週間も経つ頃には首肩や腰が固まってくるのが分かった。

10年程前から頻繁に寝違えるようになった。月に2回は寝違えてしまい、車の運転が辛くなってきたので、交通事故以来10年ぶりに整形外科を受診した。このときもレントゲンを撮ったが、やはり骨には異常がなくストレートネックが原因だと言われた。

ストレートネックを改善するという整体院を探して通ってみたが、ただ首をバキバキされるだけで何も変化がなく、マッサージに通う方がマシだと思って通わなくなった。肩こりと腰痛が慢性的になりすぎて、騙し騙しやるしかないのかと諦めて、いつものマッサージに週1回通っていた。

1か月前に急に首が動かなくなった。いつもの寝違えた感じと違ったのは、左腕に痺れを伴っていたことだった。腕の痺れは怖かったので、近所の病院ではなく、少し離れた大きな病院で検査をしてもらった。

レントゲンだけではなくMRI検査もしてもらったが、特に異常はなく、そこでもストレートネックが原因だと診断された。昔からストレートネックだと言われてきたが、腕に痺れが出たことは一度もないと伝えると、病院では手術をするほどではないしやることはないからと神経痛の薬を処方された。

何か良い方法はないかなと探しているときにYouTubeで塩川満章先生の動画を見た。調べてみるとシオカワグループのHPを見つけ、たまたま自分が住んでいた藤沢市にグループ院があることを知った。

それから当院のHPを見て、YouTubeの塩川先生の治療院で副院長を務めていた先生だと知った。藤沢駅前なら通いやすいと思い、ここならストレートネックも改善するかもしれないと思い、当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    隆椎周辺のスポンジ状の浮腫感

  • 02

    頸部全体の過緊張

  • 03

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

経過と内容
初診時の状態では、下部頸椎と左仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、下部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また隆椎周辺と左上後腸骨棘上端に強い浮腫が確認され、頚部全体と腰部左起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、左腕に出ていた痺れが少し緩和されてきた。左腕の二の腕が突っ張るような感覚が出てきた。

5週目(5回目のアジャストメント)には、左腕の痺れが解消されて、左腕全体が筋肉痛のように重だるく感じるようになった。

8週目(8回目のアジャストメント)には、仕事中の腰痛はほとんど感じなくなった。特に車の運転やデスクワーク時の座っている姿勢から立ち上がるときの腰痛はまったく感じなくなった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

16週目(12回目のアジャストメント)には、左腕に出ていた重だるさはまったく感じなくなり、20年以上あった肩こりが楽に感じるようになった。首の痛みや腰痛もほとんど感じなくなり、20年以上前の交通事故以来、一番体が軽いと感じるようになった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回のストレートネックによる首の痛みや肩こりは、下部頸椎の神経圧迫が原因であったと考えられる。

一般的に、首の痛み、肩こり、頭痛などはストレートネックが原因だとされることが多い。しかしストレートネックというものは構造上の問題であり、症状を引き起こすことには繋がらない。

スマートフォンやパソコンの普及により、現代人は日常生活において頭部が前方に移動しているケースが多くみられる。頭部の重さは成人男性であれば7~8㎏、ボーリングの球と同じくらいの重さがある。

頭部が前方に傾くと、人間には補正作用があるため前後のバランスを取るために首の前カーブが減少してくる。これが現代人のストレートネックの要因となる。

交通事故などの外傷によってなるストレートネックもあるため、交通事故などの外傷によって起こったものなのか、日常生活の積み重ねで起こったものなのかを判断する検査力が何よりも重要となる。

検査では隆椎周辺に強い浮腫感があったが、隆椎付近(下部頸椎や上部胸椎)から腕に向かって神経が伸びている。左腕に痺れがあったこと、頻繁に寝違えていたことなど考えても、ストレートネックが原因だったのではなく、下部頸椎の神経圧迫が原因だったのだろう。

人間の感覚は、「正常→痛み→痺れ→麻痺」の順番で進行していく。その回復過程では、「麻痺→痺れ→痛み→正常」の順番で回復していく。また、回復過程では患部が筋肉痛のように重だるさを感じることもあるが、今回はその過程を顕著に辿った。

肩こりは2種類の原因が考えられる。一つは自律神経のバランスが乱れたことで交感神経が過剰に働き、体全体が過緊張の状態で起こるケース。もう一つは骨格の乱れから頭部の重さを骨格で支えることができなくなり、首肩の筋肉を固めて頭部の重さを支えるケース。

今回の肩こりは完全に後者の肩こりで、下部頸椎の安定とともに慢性的な肩こりの改善に繋がったとかが得られる。

慢性的な腰痛もあったが、骨盤の左右差から腰部の神経に大きな負荷が掛っていたと考えられる。検査では左の仙腸関節に可動域制限が確認されたが、人間には補正作用があるため、どちらかの仙腸関節の動きが制限されれば反対側は過剰に動いてしまう。

すると歩くたびに腰部が捻じれるような状態になり、結果として椎間板の厚みが失われてしまうほどの負荷が掛かってしまう。また、土台である骨盤部の乱れは背骨全体にも影響を起こし、下部頸椎の負荷を強めていた可能性もある。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれたことで、首の痛み、肩こり、左腕の痺れ、腰痛の改善に繋がったと考えられる。今回のケースでは20年以上前に交通事故があったが、どれほど慢性的な状態でも、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
ストレートネックによる首の痛みと肩こり、左腕の痺れ、長時間の運転姿勢とデスクワークによる腰痛
ストレートネックによる首の痛みと肩こり、左腕の痺れ、長時間の運転姿勢とデスクワークによる腰痛 ストレートネックによる首の痛みと肩こり、左腕の痺れ、長時間の運転姿勢とデスクワークによる腰痛 ストレートネックによる首の痛みと肩こり、左腕の痺れ、長時間の運転姿勢とデスクワークによる腰痛
前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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