テニス肘(肩こり、右腕の重だるさ、右腕の軽いしびれ、寝起きの頭痛)

テニス肘(肩こり、右腕の重だるさ、右腕の軽いしびれ、寝起きの頭痛)

長年痛みで動かしづらかった右肘が自由に動くようになった!

30代女性
来院に至った経緯
両親の影響で物心つくころから弦楽器を弾いてきた。大人になっても本業とは別にオーケストラに所属して弦楽器を担当していた。長いことヴァイオリンを弾いてきて大人になってからヴィオラを弾くようになったが、10年くらい前から右肘に痛みを感じるようになった。

今考えると、本業の方がちょうど10年くらい前に部署移動でパソコン作業ばかりになり、その頃から右肘の痛みだけではなく、肩こりも感じるようになった。また、この頃から重たい荷物を持ったりすると右腕全体が重だるく感じるようになり、そのまま無理をしていると軽いしびれを感じるようになった。

同じころから寝起きに頭痛を感じるようになった。朝の支度をしているときが一番辛くて、会社に出社して午前中仕事をしていると徐々に気にならなくなってくるので、会社に行きたくないストレスなのかなと思っていた。

1年くらい前に、いつものようにヴィオラの練習をしていると、右肘に激痛が走った。痛む場所はいつもと同じだったが、この痛み方はいつもとは違うと思い、近所の整形外科に行った。レントゲン検査など受けると、テニス肘だと診断された。

これまでテニスは一度もやったことがなく、子供の頃からヴァイオリンを弾いていることを伝えると、もう弾かないようにしてくださいと言われた。子供の頃から弦楽器と一緒にいることが当たり前で、それを突然やめてくださいと言われても納得できないと伝えると、それなら痛み止めを出しますと言われた。

この病院は患者に言われたから痛み止めを出すのかと思い、通うのをやめて自分で良い治療院を探そうと思った。それから1年間で接骨院、針鍼灸院、整体院、温熱療法などありとあらゆる治療を受けたが、右肘の痛みはどんどん酷くなった。

そんなときYoutubeで塩川満章先生の動画を見る機会があった。カイロプラクティックは受けたことがなかったが、肩こりも一瞬で治るという動画を見て、肩こりも酷いから一度受けてみたいなと思い調べてみると、たまたま藤沢駅前で塩川先生のお弟子さんが開院されていることを知った。

カイロプラクティックは骨をボキボキ鳴らすイメージしかなかったので怖かったが、動画で見ていた塩川先生のお弟子さんは塩川カイロプラクティック治療室で副院長を務めていて、塩川先生の学校で現役講師も務めている先生ということで、この先生なら大丈夫だろうという思いで当院に来院された。


【神奈川県藤沢市湘南台から来院】
初診の状態
  • 01

    隆椎周辺の強い浮腫感

  • 02

    胸椎1番の可動域制限

  • 03

    頚部全体の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、胸椎1番には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、胸椎1番と腰椎5番に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また隆椎周辺と下部腰椎に強い浮腫が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階はそれほど慢性的なところは確認されなかった。首の椎間板の段階もそれほど慢性的なところは確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週1回のケアから開始した。

2週目(2回目のアジャストメント)には、耐え難いほどの肘の痛みは軽減された。

4週目(4回目のアジャストメント)には、肘の痛みはそれほど気にならなくなった。また寝起きの頭痛はまったく気にならなくなった。

6週目(6回目のアジャストメント)には、移動で重たい物を持った時の腕全体の重だるさはあまり感じなかった。また腕の痺れはまったく出なくなった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

16週目(11回目のアジャストメント)には、右肘や右腕全体に感じていた違和感はまったく出なくなった。また肩こりもそれほど感じなくなった。ヴィオラを練習で3~4時間弾いていても肘の痛みはまったく気にならなくなった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回のテニス肘は、上部頸椎から腕の方に向かって伸びる神経に過度な負担が掛かっていたことが原因であったと考えられる。

腕に向かって伸びる神経は、首や背中の上の方から肘に向かって手の指先まで伸びている。本来は損傷した肘周辺の組織の状態は、神経を介して脳へ伝達される。検査では胸椎1番(背中の一番上)に顕著な反応があり、脳が肘周辺の状態を正しく認識できていなかったと考えられる。

人間の治るチカラは偉大なものであるが、いつまで経っても治癒しないということは、根本的な原因、つまりサブラクセーション(根本原因)が存在していることを意味している。その場合、どれだけ肘周辺に対してアプローチしたところで、脳と肘周辺の情報のやり取りが上手く伝達できなければ、人間が本来持っている治るチカラ(自然治癒力)は機能しなくなってしまう。

上部頸椎にサブラクセーション(根本原因)があった状態で、管楽器の練習により肘周辺に特殊な動きが過度に掛かった結果、テニス肘のような症状を発症していた十考えられる。また右腕全体の重だるさや肩こりなども同じ神経系の問題だと考えられる。

重たい荷物を持つと右腕が痺れるような感覚もあったが、人間の痛みの段階は「正常→痛み→痺れ→麻痺」の順番で進行していく。つまり回復過程では「麻痺→痺れ→痛み→正常」の順番で回復していく。

それ以外の回復過程の感覚として、よく現れるケースが「腕の重だるさ」や「腕全体が筋肉痛」のように感じる状態である。腕に感じる重だるさや、重たい荷物を持った時に感じる痺れのような感覚は、この回復過程の狭間を行ったり来たりしている状態であったと考えられる。

肩こりには2種類ある。一つは筋骨格系の乱れから、頭部の重さを支えられる首肩の筋肉を固めるケース。もう一つは交感神経が過剰になり、体が常に緊張状態を保っているケース。今回のケースでは前者であったと考えられる。

胸椎1番(背中の一番上)の乱れによって、骨格で頭部の重さを支えられず、神経を保護するために筋肉の硬直を強めていたのだろう。また寝起きの頭痛に関しても、上部頸椎からの問題であったと考えられる。

上部胸椎は人間の代謝を司る甲状腺と密接な関係がある。甲状腺機能が低下すると体全体の代謝が低下してしまう。人間は、寝ているときは誰しも代謝が低下している。甲状腺機能が低下している状態によって、寝ているときの代謝はさらに低下し、寝ている間に体に毒素が溜まった結果として寝起きの頭痛を発症していたと考えられる。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、脳が肘周辺の状態を正しく把握できるようになった結果、テニス肘の改善に繋がったと考えられる。

たとえテニス肘など肘の問題であったとしても、問題となっている神経系を特定する検査が重要であり、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
テニス肘(肩こり、右腕の重だるさ、右腕の軽いしびれ、寝起きの頭痛)
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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