側弯症による腰痛と背部痛、生理痛

側弯症による腰痛と背部痛、生理痛

側弯症だから諦めるしかないと思っていた腰痛と背中の痛みが解消された!

30代女性
来院に至った経緯
小学校4年生の健康診断で側弯症疑いとされていた。中学生になる頃にはハッキリと側弯症と診断されて、このままだと手術になると言われていた。

両親が手術に強く反対したため、病院では腰椎コルセットを巻くように指示されて中学1年生の後半から中学卒業までの2年半ほどをコルセットを巻いて生活していた。

高校生になると病院の先生からコルセットは付けなくても良いと言われたため、コルセットを着けなくなった。その頃から、なんか腰が痛いなと思うようになり、両親が通っていた整体に一緒に通うようになった。

大学生になる頃には、ハッキリと腰痛を感じるようになった。大学の講義で一コマずっと座っていることができなくなり、大学側に説明して講義の途中で歩くことを許可してもらった。この頃から、背中に強い張り感を感じるようになった。

いつも決まって右肩甲骨の内側に張り感を感じていた。この頃から生理痛なのか、生理の期間だけ下腹部痛のようなものを感じていた。ただ生理痛自体は、いつもの腰痛に下腹部痛が加わるだけなので、特に気にしてはいなかった。

社会人になってデスクワークの仕事に就いたが、腰痛がどんどん酷くなり、家から最寄り駅までの10分間の道のりが一度に歩けなくなった。家から駅までの途中に公園があったので、いつも公園のベンチに腰掛けて休んでいた。

両親が通っていた整体にもずっと通っていたが、腰痛が悪化しているような気がして、自分で調べて針治療や温熱療法など受けてみた。どこで施術を受けてもその場では少し楽になる気がするが、帰宅途中には元通りになっているような感覚だった。

このまま騙し騙し生活していくしかないのかと思ったときに、たまたま検索で当院のHPを見る機会があった。レントゲンを撮って根本原因を特定するというキーワードを見て、今まで行った治療院でレントゲンを撮るところはなかったと思った。

15年以上苦しんできた腰痛も、ここなら治るかもと思い、当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左仙骨翼の強い浮腫感

  • 03

    左腰部と右背部の起立筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、左の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と中部胸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また左仙骨翼と中部胸椎に強い浮腫が確認され、左腰部起立筋と右背部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD5レベルで重度の骨盤の傾きや腰部側弯以外にも過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は、それほど慢性的なところは確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、歩くのも辛くなっていた腰痛が少し改善された。以前は家から最寄り駅まで10分の道のりも途中で休憩しないと歩けなかったものが、一度も休憩することなく歩けるようになった。

6週目(6回目のアジャストメント)には、この頃には歩いているときの腰痛はほとんど感じなくなった。また、背部痛は本人も忘れているほどで、そういえば背中の痛みが気にならないと回復傾向だった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

12週目(9回目のアジャストメント)には、腰痛は背部痛はまったく感じなくなった。また、腰や背中の痛みが気にならなくなった影響なのか、睡眠の質がすごく良いと感じるようになった。

20週目(13回目のアジャストメント)には、生理痛がまったく感じなくなった。今まで腰痛がきつすぎて気にしていなかったが、生理期間中だけあった下腹部痛も一切感じなくなった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の側弯症が原因と思われる腰痛や背部痛は、左仙腸関節の可動域制限が一番の原因だったと考えられる。

初診時では、左仙骨翼にスポンジ状の強い浮腫感が確認され、左腰部起立筋は過緊張の状態であった。また、脚長差検査では、左脚の長さが2㎝以上も短くなっていた。それによって腰部の側弯が左凸になったまま、成長してしまったと考えられる。

人間には補正作用があるため、腰部側弯が左凸だとすると胸部辺りで必ず右凸の側弯が表れる。つまり、土台である骨盤部から評価することで、効果的なアプローチをすることが可能となる。

単純に腰痛や背部痛だからといって、患部の腰や背中だけを診ているだけでは、変化を望むことは難しくなる。椎間板の段階から見ても10~15年近くの長い年月、腰部に負荷が掛かっていたと考えられるため、小学生くらいから骨盤部の制限があったと考えられる。

一般的に側弯症は遺伝的な要素も強いとされているが、アメリカで小児専門のカイロプラクティックをしている先生は、『側弯症はお母さんのお腹の中にいるころから始まっている』とされている。

子宮は骨盤から3本の強靭な靭帯で支えられていて、ハンモック状態となっている。お母さんの骨盤部に乱れがあると、宙づりになっているハンモックが捻じれているような状態となる。その状態では、赤ちゃんは自由に寝返りを打つことができず、身体に制限が掛かってしまい、それが側弯症の始まりだとされている。

お母さんの骨盤部や生まれた子供の骨盤部をアジャストメントによって整えることで、側弯症のリスクを最小限に抑えることが可能となるため、早期のカイロプラクティックケアが有効となる。

側弯症やストレートネックなど、“構造面”に着目してしまいがちだが、実際に重要なことは神経などの“機能面”となるケースが極めて多い。子供の場合であれば、側弯症の“構造面”もカイロプラクティックのアジャストメントによって多少は軽減されるケースがある。

しかし、成長期が終わってしまった大人の場合は、背骨の構造面が変わることはほとんどない。それなら側弯症が原因だと思われる腰痛や背部痛は変化しないことになるが、実際にはそうではなく“神経機能”が改善されれば痛みや張り感は解消されてくる。

腰の痛みや背中の張り感は「今、神経に負担が掛かっていますよ!」という体から脳へのSOSのサインとなる。“構造面”に囚われるのではなく、どこの“神経”に負担が掛かっているのかを検査によって特定できれば、体に起こっている問題(症状)は、脳が必ず解消に導いてくれる。

たとえ側弯症が原因と言われて15年以上苦しんだ腰痛や背部痛であったとしても、アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれたことで症状の改善に繋がったと考えられる。生理痛はプロスタグランジンという物質の過剰分泌が考えられるが、どのような症状であったとしても、あらためて神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
側弯症による腰痛と背部痛、生理痛
側弯症による腰痛と背部痛、生理痛 側弯症による腰痛と背部痛、生理痛 側弯症による腰痛と背部痛、生理痛
前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

症例一覧へ戻る
pagetop