右腕の重だるい痛みとしびれ、腰痛

右腕の重だるい痛みとしびれ、腰痛

辛かった右腕の痛みとしびれが改善

50代男性
来院に至った経緯
仕事はデスクワークで日中は座っていることが多い。20年以上前から趣味でサーフィンを始め、現在は多い時だと週に3.4回仕事前に海に行っていた。

1年前頃から右腕から右手の母指と示指がしびれるようになり整形外科を受診。レントゲン、MRI検査で椎間板が狭く、頚椎ヘルニアの可能性があると診断され、処方箋と首の牽引と電気療法でリハビリに通院していた。

中学生の頃にスケートボードで転倒し、左大腿骨骨幹部骨折で4か月ほど入院しけんい牽引療法で徐々に整復した。その時の外傷のため左下肢は短い状態で、左のふくらはぎは朝起きた時など吊りやすい。

社会人になり慢性的な腰痛はあったが、1年前くらいからPC作業のため座っている時間が長くなり、椅子から立ち上がる時やサーフィンをした後に以前よりも痛みを強く感じるようになった。25歳頃からは、両足の足首からつま先まで末端冷え性で寒くなると保温のためにサポータを着けている。

3か月前頃に階段でつまずいて転倒した際、右膝関節を負傷。整形外科を受診し内側半月板損傷と診断され数日コルセット着用していた。転倒した時に右手を突いた。その時に右腕から首に走るような痛みを感じ、以前からある右腕のしびれが強くなった。

月に2回ほどリラクセーションマッサージや整体に通院していたが、右腕のしびれと右肩回りの痛みが徐々に強くなり、仕事や趣味にも支障をきたすようになり、夜も痛みで目が覚めるようになり悩んでいた。
インターネットで調べて塩川満章D.C,のYouTubeでカイロプラクティックを知り、藤沢方面で検索した。希望を持ち当院へ来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    腰部脊柱起立筋の筋緊張

  • 03

    右頚部から後頭部にかけての過緊張

経過と内容
初診時の状態では、左仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、仙骨部と上部頚椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また骨盤と上部頚椎に強い浮腫が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD5レベルで重度の骨盤の傾きが確認された。首の椎間板の段階は慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。
初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の都合で週に1回のペースでケアを開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、右腕の重だるい痛みとしびれは軽減しているが、母指と示指のしびれよりも前腕のしびれの方が気になると話されていた。

10週目(8回目のアジャストメント)には、左脚は既往歴があり脚長差はあり、骨盤の負担はかかりやすいと考えられるが、腰部脊柱起立筋の緊張、仙骨部の浮腫感は軽減し安定してきたことを確認できた。右母指と示指のしびれは軽減してきて、右肩甲骨から上腕部の痛みの方が気になる状態。

16週目(10回目のアジャストメント)には、検査で下部頚椎の浮腫感は軽減がみられ、前回からのアジャストメントが維持できていることを確認した。右肩甲骨から上腕三角筋後面にかけての痛みが強くみられ、サーフィンも1週間ほど休み様子をみたと話されていたが、母指と示指のしびれはほとんどにならなくなってきている。

18週目(13回目のアジャストメント)には、肩甲骨から右上腕部の痛みは消失していないが、痛みは軽くなり日常生活支障なくサーフィンも続けられている話されていた。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の右腕の重だるいしびれと痛み、腰痛は、骨盤のバランスが乱れから神経に負担が掛かったことが原因であったと考えられる。

腰痛は、体の土台である骨盤のサブラクセーションによるものと考えられた。左大腿骨骨幹部の既往歴で解剖学的上の下肢長脚長差があり骨盤には長年負担がかかりやすい状態で生活していた。検査では左の仙腸関節に可動域制限がみられたため左右の仙腸関節のバランスの乱れが腰部の椎間板に負担となってしまう。

右腕のしびれや痛みは、サーフィンや転倒した外傷による負担もあり整形外科でも頚椎ヘルニアの疑いと診断されて通り神経を圧迫してしていたため起こってしまったものである。しかし、それ以前から骨盤のバランスの乱れ日常的に負担をかけていたと考えられた。骨盤のサブラクセーションは上にある背骨の配列には影響を与える。その結果、頚椎で慢性的に必要以上の負担がかかったことが根本原因であると考えられた。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、脳と体の情報伝達である神経のサイクルが正常に働いた結果、右腕のしびれや痛みの改善に繋がったと考えられる。

神経の回復過程は、麻痺→しびれ→痛み→正常という順で回復していくが、今回のケースではしびれから痛み痛みに集中していき改善に向かった。神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
右腕の重だるい痛みとしびれ、腰痛
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中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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