肩関節周囲(四十肩・五十肩)による右肩の可動域制限、右腕の痛み、右手小指の痺れ、肩こり、坐骨神経痛を伴う腰痛

肩関節周囲(四十肩・五十肩)による右肩の可動域制限、右腕の痛み、右手小指の痺れ、肩こり、坐骨神経痛を伴う腰痛

まったく上がらなかった右腕が上がるようになった!

50代女性
来院に至った経緯
仕事は調理師をやっていて、慢性的な肩こりや腰痛があった。腰痛は酷くなると坐骨神経痛にように右お尻に鋭い痛みを感じることがあった。仕事柄、重たい物も持つのでぎっくり腰も何度か体験していた。

1か月くらい前に、仕事中に上の棚から調味料を取ろうとしたら右腕全体にビリっと電気が走るような痛みを感じ、右肩が上がらなくなった。整形外科を受診すると肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)だと診断された。首と肩のレントゲンも撮ったが骨には異常ないとのことだった。

右肩の可動域は次第に酷くなり、初めは腕が上がりにくいだけだったのが、下着を背中で止めるような動作もできなくなった。横から腕を上げてくると水平までも上がらなくなってしまったため、近所の整体院や針鍼灸院に通ってみたが、まったく変化がなく逆にどんどん固まってくるように感じた。

病院ではリハビリしかやることがないと言われ、リハビリにも何度か通ってみたが右肩周辺に強い痛みが出てしまった。その痛みが徐々に右腕の方に下りてきて、右手の小指が痺れるようになってしまったので、リハビリに通うのをやめた。

肩専門のカイロプラクティックというところにも通ってみたが、ひたすら右肩周辺をマッサージしたりストレッチしたりするだけだった。ここでは頻繁に通わないと肩関節周囲は治らないと言われ、週2回を4か月間通ったが、まったく変わらなかった。

肩専門の治療院で診てもらっても改善されないことに不安を感じていたが、YouTubeで塩川満章先生という人の動画を見る機会があった。日本のカイロプラクティックのパイオニアの先生とのことで、塩川先生の動画を見ているうちに自分が通っていたカイロプラクティックと違うことに気づいた。

本物のカイロプラクティックというフレーズに惹かれ、これだったら改善するかもしれないと思い、調べてみると藤沢駅前に塩川先生のお弟子さんがいることを知った。塩川先生の治療院で副院長を務めていた先生のようで、この先生ならなんとかしてくれるかもしれないという思いで当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    隆椎周辺の強い浮腫感

  • 03

    頸部全体の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部頸椎・下部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また右仙骨翼と隆椎周辺に強い浮腫が確認され、頸部全体と腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD5レベルで重度の骨盤の傾きや椎骨の変性が確認された。首の椎間板の段階は慢性的なD5レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週3回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

6週目(6回目のアジャストメント)には、坐骨神経痛のような腰痛はほとんど感じなくなった。右手の小指に出ていた痺れが弱くなってきた。

11週目(11回目のアジャストメント)には、右腕の痛みや肩こりが少し緩和されてきた。右腕は水平よりも少し上まで上がるようになった。右手小指に感じていた痺れはまったく感じなくなった。

23週目(23回目のアジャストメント)には、右腕が斜め45度くらいまでは上がるようになった。下着を止めるような背中側に腕を回す動作が少しできるようになった。

36週目(36回目のアジャストメント)には、右肩はスムーズに上がるようになり腕が耳まで着くようになって、日常生活では何も支障がなくなった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の肩関節周囲(四十肩・五十肩)による右肩の可動域制限は、下部頸椎の神経圧迫が原因であったと考えられる。

肩の問題はさまざまな問題が考えられる。肩鎖関節、胸鎖関節、肩関節などが考えられるが、最も考えられるのは下部頸椎や上部胸椎などの問題である。肩関節は球状関節で、読んで字のごとくビリヤードの玉ほどツルツルな形状をしている。

つまり球状関節の部位は、本来引っかかりようがない部位となる。そこに腕が上がらないほどの負担が掛かったということは、真っ先に疑うべきは上肢など肩関節周辺の問題よりも、首から腕に向かって伸びる神経機能に異常があると考えるのが自然である。

腕に向かって伸びる神経は主に下部頸椎(頸椎5番から胸椎1番)から伸びているが、今回のケースでは頚椎7番に強い反応があった。右腕に痛みや痺れも出ていたが、人間の痛みの感覚は「正常→痛み→痺れ→麻痺」の順番で進行してしまう。

右手の小指という末端まで痺れを感じていたということは、それだけ下部頸椎から伸びる神経に長期間にわたって負担が掛かっていたと考えられる。慢性的な肩こりもあったが、肩こりは頭部の重さを骨格で支えられなくなったことで、首肩の筋肉をガチガチに固めて頭部の重さを支えた結果だったのだろう。

肩が吊り上がってしまうほどの痛みが出ていて腕が地面と水平くらいの高さまでしか上げられない場合は、回復までにはそれなりの時間が掛かることを覚悟しなければならない。なぜなら、先に記述した通り肩関節自体は球状関節なので本来引っかかりようがない部位に制限が掛かっている状態ということは、体にとってはかなりの異常事態だからである。

負担が掛かっていた肩関節周辺を保護しようとしてカルシウム成分を徐々に沈着させていって、限界が来た時に腕が上がらないというような症状が現れるケースが多くみられる。では、何を保護しようとしているのかといえば神経となる。脳は、神経を保護するために運動病理を発生させて関節の動きを制限させてでも神経を守ろうとしていたと考えられる。

坐骨神経痛を伴う腰痛は右の仙腸関節の可動域制限が原因であったと考えられる。特に今回のケースでは仙骨部に強い反応が見られた。過去に何度もぎっくり腰をやっていることを考慮しても、長年の骨盤の左右差から腰部の神経にも多大な影響を与えていたのだろう。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、肩や腕の情報が脳へ正しく届いたことで、肩関節周辺(四十肩・五十肩)の改善に繋がったと考えられる。肩関節周辺(四十肩・五十肩)以外に、長年続いた肩こりや坐骨神経痛を伴う腰痛なども出ていたが、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。


※肩関節周囲(四十肩・五十肩)は、放置している期間が長いほど、改善までにも時間が掛かります。重症化する前に、早めのカイロプラクティックケアをおススメします!
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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