腰椎圧迫骨折・左下肢のしびれ

腰椎圧迫骨折・左下肢のしびれ

腰から足の痛みで寝れなかった症状が改善された

60代男性
来院に至った経緯
40代の頃にパラグライダーに乗っている際落下し、腰椎圧迫骨折と左下腿骨骨折で入院した事があり、その頃から腰の痛み、左臀部から左下肢の痛みとしびれが頻繁に出るようになる。

痛みが強くなると病院を受診し痛み止めを処方してもらい、周りから良いといわれるものはほとんど試し、様々な治療院も転々としていた。治療をすると楽になるが、すぐに痛みをぶり返し本人が思うような改善はみられなかった。

この状態のまま放置していたら徐々に症状が強くなり、ぎっくり腰も頻繁に繰り返すようになる。腰の痛み、左下肢の痛みとしびれは悪化するばかりで、歩くとすぐに左脚外側の痛みが強くなり休まないと痛みが治まらず長い時間歩けなくなった。

就寝中の痛みも出てくるようになり、その痛みも徐々に悪化するばかりで、1時間おきに痛みで目が覚めてしまい、ほぼ寝れていないような状態となってしまった。

仕事は設備工事で重労働多く、仕事にも影響があり困っていた際にインターネットで検索し当院のホームページにたどり着く。ホームページを見ていて根本原因という言葉が目に留まり、場所も通える範囲であったため来院に至る。


【神奈川県鎌倉市より来院】
初診の状態
  • 01

    第1腰椎から第5腰椎部の浮腫感

  • 02

    左仙骨翼の浮腫感

  • 03

    腰部脊柱起立筋(特に左側)の筋緊張

経過と内容
初診時の状態では左仙腸関節に明らかな可動域制限がみられた。腰部から臀部にかけて筋肉の緊張は強く、左の仙骨翼に浮腫感を確認した。

レントゲンの評価では、圧迫骨折の既往歴もあり脊椎の生理的な弯曲は消失し、第1腰椎から第5腰椎まで椎骨の変性がみられた。第5腰椎の椎間板はD6レベルと慢性的な段階が確認された。頚椎部分でも第4から第6頚椎は椎骨の変性がみられ、椎間板の段階はD6レベルと慢性的だった。初期集中期として週3回のペースでのケアを提案したが仕事の関係上、週2回のケアから開始した。

1週目(2回目のアジャストメント)では、腰部脊柱起立筋の過緊張の軽減はみられ、腰から左下肢の痛みが軽減し、就寝中に起きることがなくなった。

2週目(4回目のアジャストメント)では、左仙骨翼の浮腫感の軽減を確認。歩行中の痛みが軽減し5分以上歩けるようになった。

3週目(5回目のアジャストメント)では、歩行時の痛みが改善し休まなくても歩くけるようになる。

7週目(8回目のアジャストメント)では、2週間間隔があいたが、症状は安定しており、仕事で重いものを持ち運びしても症状は出なかった。

現在は症状は安定しており、月に2回のペースでお体のケアを継続している。

考察
今回の患者様は、腰の痛み、左臀部から左下肢の痛みが強く日常生活にも支障をきたすほどの症状で来院された。

睡眠は症状が強くなるまでは安定しており、他に自律神経系の症状はみられなかった。検査では腰椎を支えている骨盤部分でのサブラクセーション(根本原因)も確認し、腰から左下肢の症状が強くみられたため神経系を絞らずに筋骨格系でアプローチを開始した。

骨盤部分でのバランスの乱れは腰椎の配列にも影響を与える。外傷の既往歴と、第5腰椎の椎間板はD6レベルととても慢性的ではあることから20年以上前からサブラクセーション(根本原因)が放置されている状態であると考えられた。

圧迫骨折など外傷があるため腰部、左下肢の症状はその部分での影響は考えられる。しかし、脊椎を支えている骨盤のサブラクセーションによって椎間板部分で長期的に負担がかかると、椎間板の水分は放出され椎間板のスペースが減少する。その結果、外傷によって元々負担がかかりやすかった部分で慢性的に神経機能にも影響を与え、下肢の痛みやしびれなどの症状に繋がったのであろう。

アジャストメントによってサブラクセーション(根本原因)が取り除かれたことで、神経機能が正常に働くようになり、長期的に椎間板にかかっていた負担か改善され腰の痛み、左下肢の症状の改善したのだろうと考えられる。さらに、痛みが改善されたことで睡眠の質も安定していった。睡眠の時間が私たちの体にとって一番回復される時間であるため、睡眠の質が高くなったことも早期に症状が改善したことに繋がったと考える。

サブラクセーション(根本原因)が長期的に放置された状態は体へ与える負担は大きいく、サブラクセーション(根本原因)が取り除かれることで神経の機能が回復し、脳への情報伝達が正常に働くことで体の不調の回復に繋がることが実感できた症例である。今後も継続してケアを続けていきたい。
腰椎圧迫骨折・左下肢のしびれ
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中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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