腰部脊柱管狭窄症(腰痛、下肢のしびれ、副鼻腔炎、末端冷え性)

腰部脊柱管狭窄症(腰痛、下肢のしびれ、副鼻腔炎、末端冷え性)

杖無しでも一日中歩けるようになった!

70代男性
来院に至った経緯
社会人になってから引退するまで、ずっとデスクワーク中心の仕事をしていた。また海外出張も多く、飛行機での移動も多かった。その影響からか昔から慢性的な腰痛に苦しんでいた。子供の頃から副鼻腔炎や末端冷え性があり、昔からいろんな治療院に通っており、特に整体院や針治療などが好きでいろんなところに通った経験がある。ぎっくり腰も過去何度かやったことがあるが、そのたびに整体院や針治療などで治していた。

6ヶ月くらい前から、これまで感じたことがないような腰痛が出るようになり、左脚には痺れが出ていた。足元がすごくグラグラして、杖無しだと歩くこともできなくなってしまった。いつもだったら近所の整体院などに行くが、これはいつもと明らかに違うと思い整形外科を受診すると腰部脊柱管狭窄症だと診断された。

病院では手術をするしかないと言われたが、同年代の友人で手術をして悪くなった人の方が圧倒的に多かったので手術は絶対にしたくなかったので、自宅から1時間圏内のありとあらゆる治療院に通った。

整体院、針鍼灸院、マッサージ、温熱療法、音療法、他のカイロプラクティックなど6か月間で何か所の治療院に通ったのか覚えていないほど頑張って通ったが、何も変化がないどころか症状はどんどん酷くなり、たった10分立っているのもしんどくなってきた。横になって寝ているときでも腰の痛みを感じて、痛みで夜も眠れなくなった。

これはただ事ではないと思って手術も視野に入れた頃、友人から「藤沢駅前に開院したばかりの前田カイロプラクティックはとても評判が良さそうだぞ!」と教えてもらった。当院のHPを見たあと、院長の前田一真先生は、銀座の塩川カイロプラクティック治療室で副院長を務めた実績があり、カイロプラクティック業界ではとても有名な塩川満章先生の弟子だということを知る。

レントゲンを撮って根本原因に対してアプローチするという文言にもとても興味を持ち、これまでとは違った治療法を受けられるのではないかという期待を持って来院された。

【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左仙骨翼に強い浮腫感

  • 03

    腰部全体の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、左仙腸関節に明らかな可動域制限があった。

体表温度検査では、骨盤部に明らかに左右の温度の誤差があり、上部頸椎にも温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、椎間板の段階は慢性的なD6レベルで重度の骨盤の傾きも確認されたため、初期集中期の段階では週3回のケアから開始した

1週目(3回目のアジャストメント)には、杖を使った状態なら15分ほど歩けるようになった。ただしそれ以上歩くと左脚の痺れが酷くなり、グラグラする感じがしていた。

2週目(5回目のアジャストメント)には、杖を使った状態なら30分歩いても脚の痺れが出なくなった。また横になって寝ているときの腰痛はそれほど気にならなくなってきた。

3週目(9回目のアジャストメント)には、施術後の帰宅時に杖を院に忘れてしまうほど、杖無しでも歩けるようになっていた。またこの段階でケアのペースを週2回に広げることができた。

4週目(11回目のアジャストメント)には、歩行時には杖無しでも歩けるようになり、歩いていても足が地面を掴んでいるように安定していると感じるようになった。

6週目(15回目のアジャストメント)には、どこへ出かけるにも杖は持たなくて平気になった。また脚の痺れは本人も忘れているほど気にならなくなっていた。また鼻の通りが良くなっており、就寝時にも口呼吸にならずにすむようになった。この段階でケアのペースを週1回に広げることができた。

8週目(17回目のアジャストメント)には、前田カイロプラクティック藤沢院のHPを見つけてくれた友人と2泊3日で旅行に行ったが、旅行中3日間杖無しで朝から晩まで歩き回っても腰の不安はまったくなく、脚の痺れも一度も出なかった。また手足など末端がポカポカ感じるようになった。

現在は、二度と同じような思いをしたくないとケアのペースを2週間に広げてカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の腰痛の原因は重度の骨盤の傾きと可動域制限から腰部の神経に必要以上の負荷がかかっていたものと考えられる。骨盤に乱れがあると、腰部を含めた背骨全体の配列が乱れ、骨格によって体の重さを支えきれず全身の筋肉がガチガチに硬直している状態だった。

腰部脊柱管狭窄症とは、腰骨の間にある椎間板というクッションの部分がすべて潰れてしまっているような状態のことをいう。レントゲン評価でも腰の椎間板は6段階中6段階目と慢性的であった。このような場合、長年の骨盤の乱れが腰部に捻じるような動きを強いていた可能性が高い。

今回は上部頸椎にも反応が強く見られたが、末端冷え性は交感神経が過剰に働いている人の特徴でもある。骨盤部と上部頸椎は副交感神経支配の領域となるため、そこにサブラクセーションがあった結果、交感神経が自然と優位に働いてしまう。交感神経の働きとして末梢の血管を閉じる役割があるため、長期間その状態が続くことで末端冷え性となってしまう。

副鼻腔炎も自律神経のバランスが関係している場合がある。体内のリンパ球の比率は、交感神経が優位になると顆粒球の比率が上昇する。逆に副交感神経が優位になるとリンパ球の比率が上昇する。体内にいる菌やウイルスなどに過度に反応してしまうと白血球の死骸として鼻水や膿が溜まりやすくなるが、自律神経のバランスの乱れは体内の白血球の比率を乱し、副鼻腔炎などにも繋がってしまう。

今回の症例では腰部脊柱管狭窄症からの腰痛や脚の痺れが主訴だったが、仮に腰痛などの問題だとしても他の症状もことも加味して神経系を絞ってアプローチすることが重要となってくる。

今回は骨盤部と上部頸椎という副交感神経に絞ってアプローチしたことが、腰痛や下肢の痺れのみならず、副鼻腔炎や末端冷え性など自律神経系の改善にも繋がったと考えられる。神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が分かる症例である。
腰部脊柱管狭窄症(腰痛、下肢のしびれ、副鼻腔炎、末端冷え性)
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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