長年の肩こりと顔のほてりを伴う高血圧が改善!

長年の肩こりと顔のほてりを伴う高血圧が改善!

慢性的な肩こりだけでなく、高血圧も正常化し、快適な生活へ!

50代男性
来院に至った経緯
美容師として30年以上のキャリアを持ち、長年にわたって仕事に従事してきた。職業柄、腕を上げた状態での作業が多く、美容師を始めた当初から肩こりを感じるようになった。年々その症状は悪化し、特にここ5年ほどは肩こりがひどくなると、吐き気や頭痛を伴うようになっていた。

普段はマッサージを受けることでなんとかしのいでいたが、ある日、仕事中に右肩周辺にビリッと電気が走るような痺れを感じた。その後も仕事が忙しくなると、同じような症状が繰り返されるようになった。もともと右肘や右手首には鈍い痛みを感じていたが、痺れが生じたのは初めての経験であり、「これはまずい」と危機感を覚えた。

そこで、美容室のお客様の紹介で整体院や鍼灸院に通ってみることにした。しかし、施術を受けた直後は身体が軽くなったと感じるものの、一晩眠ると元に戻ってしまうような感覚があり、根本的な改善には至らなかった。

学生時代はバレーボールをしており、その頃から腰痛を抱えていたこともあり、「そろそろ本格的に身体のメンテナンスをする時期かもしれない」と考え始めた。

ここ2年間は仕事が忙しくなると顔全体がほてるような感覚を覚えるようになり、病院で検査を受けたところ、血圧が上160/下95と高めであり、高血圧と診断された。医師からは降圧剤を処方されたが、幼少期から「薬は身体に良くない」と言われて育ったため、大人になっても風邪薬すら服用せずに過ごしており、降圧剤も飲まずに様子を見ていた。

「年齢的にも、これ以上放置せずにしっかりと身体をケアする必要がある」と考え、根本的な解決策を探していたところ、美容室のお客様の紹介で当院を訪れることを決めた。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    背部全体の過緊張

  • 02

    腰椎5番周辺と隆椎(頚椎7番・胸椎1番)周辺に体毛

  • 03

    腰部起立筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、下部頸椎や下部腰椎には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、下部頸椎、中部胸椎、下部腰椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また隆椎周辺と下部腰椎に強い浮腫が確認され、頚部から背部にかけてと腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD3レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアも難しく、できる限りケアの間隔を詰めて行うことにした。

4週目(3回目のアジャストメント)には、朝起きた際の腰痛が軽減し、仕事中に腰の痛みを感じても、一晩休めば回復できるようになった。

8週目(6回目のアジャストメント)には、背中の張り感が大幅に改善し、肩こりもかなり軽減。これまで肩こりがひどくなると吐き気や頭痛を伴うことがあったが、カイロプラクティックケアを受け始めてからは、そうした症状が一切出なくなった。

17週目(10回目のアジャストメント)には、仕事中に突然走るような右肩周辺の痺れは完全に消失し、本人も症状を忘れてしまうほどであった。また、固くなっていた肘や手首の動きがスムーズになり、可動域の制限が軽減。さらに、病院の検診では血圧がほぼ正常範囲内に戻っていた。

22週目(12回目のアジャストメント)には、腰痛、背部痛、肩こりのいずれもほとんど感じなくなり、仕事で負担がかかりすぎると、自分で身体の異変に気づき、適切に対処できるようになった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の肩こりの主な原因は、骨格のバランスが乱れたことにより、頭の重さを適切に支えられず、神経に過度な負担がかからないように首や肩の筋肉が過緊張を起こしていたことと考えられる。

肩こりには大きく分けて二つのタイプがある。一つは、骨格のバランスが崩れ、筋肉が補助的に緊張するケース。もう一つは、自律神経のバランスが乱れ、交感神経が過剰に働いた結果、全身が過緊張状態になるケースである。今回の肩こりは、明らかに前者に該当し、筋骨格の問題が主な要因となっていたと考えられる。

高血圧の傾向も見られたが、収縮期血圧(上の数値)160、拡張期血圧(下の数値)95と、拡張期/収縮期の両方が高くなっていた。これは、交感神経の過剰な働きによる影響である可能性が高い。腰痛の症状もあったが、初診時の評価では骨盤部の安定性が比較的保たれていたため、施術のアプローチは腰部から開始した。

骨盤部は副交感神経が支配する領域であり、腰部は交感神経が優位に働く部位となる。特に、収縮期血圧の上昇が確認されたことからも、腰部・中部胸椎・下部頸椎といった交感神経が関与する部位にフォーカスして施術を行った結果、高血圧の数値が改善へと向かったと考えられる。

また、右肩周辺に「ビリッ」と電気が走るような痺れを感じていたが、これは下部頸椎の問題が関係している可能性が極めて高い。加えて、右肘や右手首にも鈍い痛みが見られたが、手へと伸びる神経は第5頚神経から第8頚神経、および第1胸神経によって形成されているため、首の神経に相当な負荷がかかっていたと推測される。

神経のダメージは、「正常→痛み→痺れ→麻痺」の順番で進行する。今回、右肩周辺に電気が走るような「痺れ」の症状が出ていたことからも、頸椎の神経にはかなりのストレスがかかっていたことが示唆される。

今回の症例では、肩こり・背部痛・腰痛といった筋骨格系の問題が中心だったが、高血圧といった自律神経系の症状も併発していた。そのため、施術においては問題の神経系を明確に特定し、的確なアプローチを行うことが重要である。

アジャストメントによって神経の流れを整え、脳へ適切な情報が伝達されることで、体全体の機能が正常化し、症状の改善につながることが今回のケースでも確認された。これは、適切なケア計画の重要性を示す症例である。
長年の肩こりと顔のほてりを伴う高血圧が改善!
長年の肩こりと顔のほてりを伴う高血圧が改善! 長年の肩こりと顔のほてりを伴う高血圧が改善! 長年の肩こりと顔のほてりを伴う高血圧が改善!
前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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