頭痛や吐き気を伴う重度の肩こり…人生で初めて感じた肩の軽さ！

整体・マッサージ・鍼灸でも治らなかった肩こりが、ついに改善！

来院に至った経緯

中学生の頃から慢性的な肩こりがあり、両親が通っていた整体に一緒に連れて行ってもらうことがあった。整体でストレッチやマッサージを受けると、一時的には肩こりが和らいだように感じたが、数日も経たないうちにまた辛くなり、いつの間にか毎週のように整体へ通うようになっていた。

高校に入る頃には、全身が冷えているような感覚があり、真夏でも湯船にしっかり浸からないと眠れなくなってしまった。もともと運動が苦手だったが、筋肉量が少ないせいで冷えやすいのかもしれないと思い、大学生になってからスポーツジムに通い始めた。

しかし、運動をして汗をかいても体の冷えはむしろ強くなり、ジムの帰り道は震えるほど寒く感じることが多かった。さらに、どれだけ運動を続けても体重が思うように減らず、代謝が極端に悪いのではないかと不安になった。

社会人になり、金融関係の仕事に就いたが、オフィスの冷房が強く、真夏でも凍えるような環境で過ごすことになった。冷房の効いた室内では、常に毛布をかぶりながら仕事をしていたほどだった。

長時間のデスクワークで前かがみの姿勢を続けるうちに、腰痛を感じるようになった。特に長時間座った後に立ち上がる瞬間に鋭い痛みが走り、一度痛みが出るとその後は何をしていても腰が気になった。

社会人になって8年ほど経った頃、これまでにないほどの強烈な肩こりに悩まされるようになった。肩のこりがひどくなると、後頭部まで引っ張られるような感覚があり、頭痛や吐き気を伴うほどだった。オフィスの寒さのせいなのか、長時間のデスクワークによる姿勢の影響なのか原因は分からなかったが、とにかく肩こりが悪化し、仕事を早退することも増えていった。

社会人になってからも整体やマッサージに通い続けていたが、ここまでひどい肩こりは経験したことがなく、これまでの対処法では改善しないと感じ、他の方法も試すことにした。

鍼灸、温熱療法、筋膜リリースなど、あらゆる治療法を試したが、整体やマッサージと同じように、その場では楽になった気がするものの、翌朝には肩がガチガチに固まってしまう状態を繰り返していた。

そんな姿を見かねた職場の上司が、「そんなに辛いなら、ここの先生がすごいから行ってみな！」とカイロプラクティック院を紹介してくれた。これまでカイロプラクティックは「バキバキされるのが怖い」というイメージがあり敬遠していたが、上司からの紹介ということもあり、一度試してみようと思い来院した。


【神奈川県藤沢市から来院】

初診の状態

• 01

  首から肩にかけての過緊張

• 02

  隆椎周辺に顕著な浮腫

• 03

  左仙腸関節の可動域制限

経過と内容

初診時の検査では、左仙腸関節に明らかな可動域の制限が認められた。体表温度検査では、上部胸椎、骨盤部、下部腰椎において左右の温度差が顕著であった。また、隆椎周辺および左上後腸骨棘上端に強い浮腫が確認され、首・肩周りと腰部の起立筋は過緊張の状態にあった。

レントゲン評価では、腰椎の椎間板にはそれほど慢性的な段階は確認されなかったものの、頸椎の椎間板はD3レベルと慢性的な段階が認められ、首の前弯カーブが消失し、ストレートネックの状態になっていた。

初期集中期として週2回のケアを推奨したが、仕事の都合により週1回のペースでケアを開始した。

4週目(4回目のアジャストメント)には、肩こりが軽減し、頭痛や吐き気を伴う症状が落ち着いてきた。また、仕事中に椅子から立ち上がる際に気になっていた腰痛が改善し、日常生活での負担が減った。

9週目(7回目のアジャストメント)には、この時点で、頭痛や吐き気は完全に消失し、肩の違和感もかなり軽減してきた。

22週目(11回目のアジャストメント)には、肩周りがこれまでにないほど軽く感じるようになり、慢性的なこりから解放され始めた。

31週目(14回目のアジャストメント)には、仕事中に冷房の風が苦手で夏場でもブランケットを手放せなかったが、それほど寒さを感じなくなり、冷えの改善がみられた。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察

今回の肩こりは、骨格の不安定さによって神経に負担がかかり、本来骨格で支えるべき頭部の重さを筋肉が代わりに支えようとした結果、首や肩の筋肉が過緊張を起こしていたと考えられる。

肩こりには大きく分けて2つのタイプがある。1つは骨格の乱れが原因となり、頭部の重さを支えるために首や肩の筋肉が過剰に緊張するケース。もう1つは、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が過剰に働くことで全身が過緊張を起こし、肩こりが発生するケースである。今回の症例では、前者の「骨格の乱れによる肩こり」が主な原因であったと考えられる。

首の付け根にある隆椎（りゅうつい）は、顔を下に向けた際に突出する部分であるが、この周辺の筋肉が極度に緊張し、血流が滞っていたことが確認された。頭痛や吐き気を伴う強い肩こりは、この部分の筋緊張による血流異常が関与していた可能性が高い。

また、下部頸椎から上部胸椎にかけての神経は、甲状腺と密接な関係を持つ。甲状腺は甲状腺ホルモンを分泌し、全身の代謝を促進するとともに、エネルギー産生や体温維持を担う重要な内分泌器官である。

今回のケースでは、全身の冷えや体重が落ちにくいといった症状もみられたが、これらは甲状腺機能の低下が影響していた可能性がある。甲状腺の機能が低下すると、代謝が落ち、エネルギーの消費効率が悪くなることで痩せにくい体質になってしまう。また、体温調節機能の低下により、全身の冷えが生じやすくなる。

さらに、骨盤の歪みも隆椎周辺に負荷をかける要因の一つと考えられる。人間の体は、バランスを取るために無意識のうちに姿勢を補正しようとするが、土台である骨盤が歪むと、その影響が頸椎や上部胸椎にまで波及することがある。今回の症例でも、骨盤の乱れが長期間続いたことで、首や肩に過度なストレスがかかっていたと考えられる。

また、骨盤の歪みは腰部の神経にも影響を及ぼし、腰部の筋肉に過剰な緊張を引き起こすことがある。今回、腰部起立筋が極度に硬直していたのも、骨盤が正常な機能を果たせなくなった結果、腰の神経に負担がかかり、筋肉が防御反応として過緊張を起こしていたものと考えられる。

アジャストメントによってサブラクセーション（神経の圧迫）が取り除かれたことで、過度な筋緊張が不要となり、結果として慢性的な肩こりや腰痛の改善につながったと考えられる。今回のケースは、神経の働きを正常化し、脳と体の情報伝達をスムーズにすることの重要性を再認識させる症例であった。