不安を伴う様な首の痛み、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

不安を伴う様な首の痛み、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

不安感が強くなる首の痛みが改善

50代女性
来院に至った経緯
1年半前頃から自身で資格取得するためにセミナー参加し、毎日動画で学習やしたり、レポート作成のため長時間座っていることが多く、月に一度講義を受講するために県外まで電車や飛行機で移動していた。

朝起きたら急に左の頚に痛みを生じる。最初は寝違えかと思いったが痛みが強かったためすぐに整形外科を受診しレントゲン検査で関節に影がありそうだと診断を受け、電気療法などリハビリで2週間ほど通院した。

肩こりももともとあり、疲労がたまり肩こりがひどくなると後頭部に頭痛が出ることもあったため、定期的にマッサージを受けたり自宅で動画を見ながらヨガをしたりしていた。

6年前に甲状腺機能亢進症(バセドウ病)を発症し、体調不良で当初は1か月動けない程だった。現在も汗をかきやすかったり、慢性的な疲労感、不安感などの症状はみられ定期的に病院へ通院し、処方箋を服用している。

腰痛は、10年前にぎっくり腰になってからてい定期的にぎっくり腰になりそうになった。覚えていないくらい前から腰の痛みはあった。仕方ないと思っていたため特に気にはしていなかったが、草むしりや長時間座っていると腰が痛くなると思っていた。

左頚部痛は、痛みが強くなったり落ち着いたりを繰り返していていたため、なかなか改善されずに不安を抱えていた。そんな中、知人に相談しカイロプラクティックを勧められてインターネットで調べた。カイロプラクティックをこれまで受けたことがなかったが、すがる思いで来院された。



【神奈川県鎌倉市から来院】
初診の状態
  • 01

    頚部から肩周りの筋緊張

  • 02

    腰部脊柱起立筋の筋緊張

  • 03

    仙骨部の浮腫感

経過と内容
初診時の状態では、右仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤と上部頚椎、下部頚椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また骨盤と上部頚椎、下部頚椎に強い浮腫が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD4レベルが確認された。首の椎間板の段階は慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。
初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

2週目(2回目のアジャストメント)には、前回のアジャストメント後に抗議を受けるため電車と飛行機で移動したが、左頚部痛は筋肉の張り感はあるが痛みは改善し出かけることが出来たとお話しされていた。

5週目(5回目のアジャストメント)には、 首こり・肩こりの症状が緩和して不安感が減ってきていた。左上部頚椎の過緊張の軽減を確認。

6週目(6回目のアジャストメント)には、仙骨部の浮腫感の軽減を確認。勉強中も長時間座り過ぎないように意識していることもあり、骨盤が安定した来た。歩行が軽くなったとお話し視されていた。

13週目(10回目のアジャストメント)には、 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)は定期健診で数値が下がっていたため減薬し経過をみている状態。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の左頚部痛とバセドウ病は、自律神経のバランスが乱れたことが原因であったと考えられる。

頚部痛は、頚部右回旋制限強くみられたが、もとも慢性的な首こり・肩こりもみられた。首こり・肩こりの原因は2つ考えられ、骨格のバランスの乱れから頭部を支えられなくなり筋肉が過緊張してしまうものと、自律神経の乱れによって筋肉が過緊張な状態となってしまうものとがある。

検査では骨盤と下部頚椎、上部頚椎での明らかな体表温度の誤差と浮腫感、過緊張を確認したたため自律神経が乱れて交感神経が過剰になっている考えられ、副交感神経に絞ってケアを開始した。首こり・肩こりが長期的に負担となり頚部の痛みに繋がったと考えられた。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)は、甲状腺の働きが活発となり甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで起こる。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、体の様々な機能が働く速度が上昇し様々な症状に繋がる。その原因には交感神経が過剰に分泌されていることが考えられる。

腰痛は10年以上前から抱えているが、腰椎のレントゲンでは慢性的なD4レベルの段階であり、長期的な骨盤のバランスの乱れが腰椎の椎間板に負担をかけていたものと考えられた。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、脳と体の情報伝達である神経のサイクルが正常に働いた結果、右頚部痛、慢性的な首こり・肩こり、腰痛とバセドウ病に繋がったと考えられる。

右頚部痛、慢性的な首こり・肩こり、腰痛とバセドウ病が神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
不安を伴う様な首の痛み、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
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中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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