「なんとなく疲れやすい…」その原因、貧血と女性ホルモンの関係かもしれません!

日々の生活の中で、「立ちくらみがする」「すぐに息切れしてしまう」「肌がくすんで見える」などの不調を感じていませんか?
それらはもしかすると、「貧血」によるサインかもしれません。そして、この貧血には、女性ホルモンの変化が深く関わっていることをご存じでしょうか?
特に女性は、生理や妊娠・出産、更年期といったライフステージの変化によって、ホルモンバランスが大きく揺れ動きます。それに伴い、鉄分の消耗が激しくなり、貧血を起こしやすくなるのです。
今回のコラムでは、貧血と女性ホルモンの関係性についてお伝えしていきます。
女性に多い「鉄欠乏性貧血」とは?
貧血にはいくつか種類がありますが、最も多いのが「鉄欠乏性貧血」です。
これは、体内の鉄分が不足することによって赤血球の主成分であるヘモグロビンが十分に作られなくなり、全身に酸素を運ぶ力が低下してしまう状態です。
鉄分が不足すると細胞のすみずみに酸素が行き届かなくなり、疲労感、集中力の低下、冷え、動悸、息切れ、めまいなど、さまざまな症状が現れます。特に慢性的な疲労感は、単なる体力の問題ではなく貧血による影響であることが少なくありません。
ホルモンバランスの乱れが貧血を引き起こす理由
女性ホルモンの一つであるエストロゲンには、骨や血管、血液の状態を整える働きがあります。ところが、ホルモンバランスが乱れるとエストロゲンの分泌が不安定になり、血液の循環や造血機能にも影響が出てしまいます。
特に更年期を迎えるとエストロゲンが急激に減少し、体内の代謝や鉄分の吸収・利用がうまくいかなくなります。また、生理が重く出血量が多い方は慢性的に鉄分が不足しやすく、それが積み重なることで鉄欠乏性貧血が進行してしまいます。
一方で、妊娠中や授乳期の女性も、胎児や赤ちゃんへの栄養供給のために体内の鉄分が多く使われることから、貧血を起こしやすくなります。つまり、女性ホルモンの変動が激しい時期ほど鉄分の管理がより重要になるのです。
自律神経と貧血の意外なつながり
女性ホルモンのバランスが崩れると自律神経にも影響が及びます。自律神経は血管の収縮や拡張をコントロールしているためその働きが乱れると血流が悪くなり、さらに貧血の症状を悪化させる可能性があります。
例えば、立ち上がったときにふらついたり顔色が青白く見えたりするのは、自律神経の調節がうまくいかず、血流が一時的に低下している状態かもしれません。貧血と自律神経は相互に関係しており、どちらか一方の不調がもう一方にも影響を与えるという悪循環に陥ることもあるのです。
カイロプラクティックによるアプローチ
見落としがちな貧血も、女性ホルモンのサインかもしれません。
「なんとなく疲れがとれない」「朝からだるい」そんな日常の不調は、実は女性ホルモンと深く関係している貧血のサインかもしれません。
特に女性は、ホルモンバランスが揺らぎやすい時期に体の内側からの変化が現れやすくなります。
そして、ホルモンバランスは自律神経によって調節されるため、自律神経の働きに影響を受けやすいです。
カイロプラクティックでは、背骨や骨盤のゆがみを調整することで、自律神経のバランスを整えることを目指します。自律神経が安定することで血流や内臓機能の働きが改善され、鉄分の吸収や貧血の緩和にもよい影響を与えることが期待されます。
また、神経の流れをスムーズにすることで、脳からの指令が正しく伝わり、ホルモンバランスの回復にもつながる可能性があります。ただ単に鉄分を補うだけではなく、根本的な体のバランスを整えることで、より良い状態を目指すことができるのです。
カイロプラクティック・ケアを日常に取り入れながら、自律神経とホルモンのバランスを整え、根本から不調にアプローチしていきましょう。

執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。