体質との関係性、生理痛は遺伝する?

「お母さんも生理痛がひどかったから、私も同じなのかな……?」
生理痛が重いと、遺伝が関係しているのでは?と気になる方も多いでしょう。生理痛の原因は遺伝的な要因だけでなく、生活習慣や体質による影響も大きいのです。
今回コラムでは、生理痛と遺伝の関係性、そして痛みを和らげるための対策についてお伝えしていきます
生理痛は遺伝するの?
生理痛そのものが直接遺伝するわけではありません。しかし、生理痛が起こりやすい体質やホルモンバランスの特徴はある程度遺伝の影響を受けることがあります。
遺伝の影響を受けやすい要素
・ホルモン分泌のバランス:エストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量には個人差があり、生理痛の強さに関係します。
・プロスタグランジンの分泌量:生理中の子宮の収縮を促すホルモン様物質で、分泌量が多いと痛みが強くなります。
・骨盤の形や子宮の位置:子宮が後ろに傾いている(後屈)場合、血流が滞りやすく生理痛が悪化しやすいといわれています。
こうした要素は家族間で似ることがあるため、母親も生理痛がひどかったから、私も重いと感じるケースも多いです。
体質が影響する生理痛の原因
遺伝的な体質だけでなく、生活習慣や環境によるホルモンバランスの乱れも生理痛に深く関係しています。そして、ホルモンバランスが乱れる根本的な原因のひとつが自律神経の乱れです。
自律神経と生理痛の関係
自律神経が乱れるとストレスを感じやすくなり、交感神経が優位になることで子宮の収縮が強まり生理痛が悪化しやすくなります。また、自律神経の不調はホルモンバランスの乱れを引き起こし、生理前の不調(PMS)の悪化 にもつながります。
さらに、自律神経の乱れは冷え性を引き起こしやすく体が冷えることで血流が悪くなり、子宮の筋肉が硬直しやすくなるため生理痛が強くなる原因となります。特に足先やお腹の冷えには注意が必要です。
睡眠の質も重要
自律神経を整えるためには睡眠の質も大切です。睡眠不足や不規則な生活はホルモンバランスの乱れを引き起こし生理痛を悪化させる可能性があります。特に生理前〜生理中は意識的にリラックスする時間を作り質の良い睡眠を確保 することが大切です。
腸内環境も影響する
近年、腸内環境とホルモンバランスの関係も注目されています。腸内環境が悪化すると栄養の吸収が低下し、ホルモンの合成や代謝に影響を与える可能性があります。 便秘や下痢があると生理痛が悪化しやすいため腸内環境を整えていくことも大切です。
女性のライフサイクルを支えるカイロプラクティック・ケア
生理痛そのものが遺伝するわけではありませんが、生理痛が起こりやすい体質やホルモンバランスの特徴は家族間で似ることがあります。しかし、生活習慣やストレス管理を見直すこと自律神経の乱れを整え女性ホルモンバランスが安定することで生理痛を軽減できる可能性が十分にあるため、「遺伝だから仕方ない」と諦める必要はありません。
生理は女性のライフスサイクルにはとても影響をあるものとなります。体を温めたり、適切な食生活を心がけることはとても大切ですが、自分の体質を理解し、月経周期に関係する女性ホルモン変動を安定させるために自律神経の働きを最大限に発揮させていくことが大切です。
私たちの身体は、脳から神経を通じて体の細胞や組織の情報伝達をして健康を維持しています。神経伝達が正常であれば自律神経の働きや女性ホルモンの働き、子宮や女性ホルモンを分泌する卵巣の働きもスムーズに行われます。
日常にカイロプラクティックケアを取り入れ、生理期間を少しでも快適に過ごせるようにしていきましょう!

執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。