整体とカイロプラクティックの施術の違いとは?
日本ではカイロプラクティックの認知度はかなり低く、ほとんどの人が整体やマッサージと何がどう違うのか分からないというのが現状です。
整体とは、その言葉の定義自体があいまいで、マッサージでもストレッチでも施術を施す側が整体だと言ってしまえば整体となります。
では、カイロプラクティックの施術はどのようなものでしょうか?
カイロプラクティックの誕生秘話!
カイロプラクティックは1895年9月18日にアメリカのアイオワ州ダベンポートで誕生しました。
カイロプラクティックの生みの親は『D.D.パーマー』という人物です。
D.D.パーマーは何年も背骨の研究をしてきました。実は、歴史的に有名な人物も背骨の重要性には気づいていました。
医学の父であるヒポクラテスはこんな言葉を残しています。
『背骨についての知識を深めよ、多くの病気の原因である』
発明王として有名なトーマス・エジソンはこんな言葉を残しています。
『未来の医学は背骨を治療することになるだろう』
D.D.パーマーは、当時自身が雇っていた清掃員のハービー・リラードに人類史上、初めてカイロプラクティックの施術を行いました。
では、ハービー・リラードが当時どのような症状で困っていたのでしょうか?カイロプラクティックと聞いて一般的にイメージできるような腰痛や肩こりでしょうか?
実はハービー・リラードの症状は「耳が聞こえない」というものでした。
リラードは当時、清掃作業中に背骨からボキッと音が鳴り、その直後から徐々に聴力が低下していったとされています。
D.D.パーマーは、リラードの背骨を検査して、何度かカイロプラクティックでの施術を行った結果、リラードは耳が聞こえるようになったのです。
カイロプラクティックで難聴が改善するなんて、一般的にはまったくイメージがつかないですよね。
カイロプラクティックでは、脊柱(背骨や骨盤)の骨関節面を使って間接的に神経に対してアプローチして、体の機能面や自然治癒力が100%発揮できる状態にしていきます。
つまり、整体とカイロプラクティックの施術の違いとは、整体は構造面、カイロプラクティックは機能面に対してのアプローチとなります。
では、カイロプラクティックは構造面に対してアプローチはしないのかというとそうではありません
構造面よりも機能面の方が、脳と体にとっては重要だということです。
次はアメリカでカイロプラクティックの説明として使われているポピュラーなものを使って、なぜ機能面の方が重要なのかをご紹介していきます。
背骨をアジャストメント(調整)することはブレーカーの電源を入れるのと同じ!?
アメリカではよくブレーカーを引き合いに出して説明されます。人間は背骨一つ一つから神経が枝分かれして全身に広がっています。脳と体はその神経を介して情報のやり取りを電気信号で行っています。
背骨に負担がかかるということは、そこから枝分かれしている神経にも負担がかかるということです。カイロプラクティックでは神経の流れを整えることを目的としています。
これをブレーカーに例えると、『神経の流れが滞っている』状態とは、ブレーカーが落ちて電気が流れていない状態となります。
背骨をアジャストメントするということは、このブレーカーの電源スイッチを入れる行為に似ています。ほんの一瞬とはいえ電気が通って体の情報が脳へ届くわけですから、その効果は絶大です。
これがアメリカで一般の方へ説明されているポピュラーなものとなります。これも分かりやすい説明ですが、筆者の考えでは少しだけ意味合いが違います。
この考えだと、ブレーカーが落ちている状態というのは完全に電気の流れがない状態になります。神経の流れが滞っている状態=脳と体は情報のやり取りを一切していないというなら分かりますが、そうではありません。
次にご紹介する『ラジオ』の方が意味合いとしては合っているなと思います。
神経の流れが悪くなっているとは、ラジオのチューニングがズレているのと同じ!?
脳と体は常に情報のやり取りをしています。何によって情報のやり取りをしているのかというと「神経の流れ」によってです。
背骨や骨盤に負担がかかると、そこから枝分かれしている神経にも負担がかかります。神経の役割は脳と体の情報のやり取りとなるので、神経に負担がかかる状態というのは、その情報のやり取りが上手くいかない状態となります。
では、神経の流れが悪くなると体の情報が一切脳へ届かなくなるのかというとそうではありません。
例えばラジオのチューニングがズレているとノイズが混ざりますよね。筆者は生まれも育ちも神奈川県なので昔からFM横浜(84.7)を聴いてきましたが、84.6だとしてもラジオから音は聞こえます。ただし音にはノイズが混ざります。
脳と体の情報のやり取りが上手くいかない状態とは、このラジオのチューニングがほんの少しズレてノイズが混ざっている状態と似ています。カイロプラクティックケアで背骨や骨盤を整えることは、ラジオのチューニングを合わせる行為そのものともいえます。
いかがでしたでしょうか?日常生活にあるものだと、カイロプラクティックの施術の意味が理解しやすいと思います。
ぜひ、日々の健康維持にカイロプラクティックケアを取り入れ、体の声を脳へ届けることに役立ててください!
執筆者前田 一真
神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。
笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。