2025.04.26

更年期のお腹の不調と自律神経の関係性を知り、見過ごされがちなサインに気づく

カテゴリ: 健康通信
更年期のお腹の不調と自律神経の関係性を知り、見過ごされがちなサインに気づく

40代後半から50代にかけて迎えるのが更年期です。この時期は、ホルモンバランスの大きな変化とともに体にも心にもさまざまな症状が現れるタイミングです。

その中でも意外と多いのが、「お腹まわりの不快感」や「腸の調子の乱れ」。たとえば、食後にすぐお腹が張って苦しくなったり、便秘と下痢を繰り返したり、ガスがたまりやすく人前で気になってしまったりといった症状がよく見られます。また、胃腸薬を飲んでもすっきりしないという声も少なくありません。

実はこれらの不調、単なる「食べ過ぎ」や「運動不足」だけが原因ではなく、「自律神経の乱れ」が深く関わっていることがあります。

今回のコラムでは、更年期のお腹の不調と自律神経の関係性についてお伝えしていきます。

自律神経とは?私たちの体をコントロールする“見えない司令塔”

自律神経とは、私たちの体の働きを無意識にコントロールしている神経のことです。心拍や血圧、体温調節、そして腸の動きまで幅広く関わっています。

この自律神経には、活動や緊張を促す「交感神経」と、リラックスや休息を促す「副交感神経」があり、この2つの神経のバランスがうまく取れていることで腸はリズミカルに動き、消化や排便がスムーズに行われます。

更年期と自律神経、そして「腸」の深い関係

更年期には、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が急激に減少します。このホルモンの変化は自律神経の働きに大きな影響を与え、バランスが乱れやすくなるのです。

その結果、腸のぜん動運動が不安定になり、便秘や下痢を繰り返したり、腹部の膨満感が続いたり、食欲がなくなったり、逆に過食気味になることもあります。こうしたお腹の不調は、「年齢のせい」と思われがちですが、自律神経のバランスの崩れからきていることも多いのです。

さらに、日々のストレスなどが重なることで自律神経の乱れはより深刻になり、結果的にお腹の調子がなかなか安定しないという悪循環に陥ってしまうのです。

カイロプラクティックで自律神経のケア

私たちの「お腹の調子」は、自律神経によって大きくコントロールされています。交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで、腸の働きにもさまざまな影響が現れます。

たとえば、ストレスが多かったり姿勢の乱れが続くと、交感神経が優位になりやすくなります。交感神経が過剰に働くと、腸の血流が低下してしまい、消化や吸収の働きが鈍くなったり、ぜん動運動(腸の動き)が乱れてしまうのです。その結果、便秘や下痢を繰り返したり、お腹が張って不快感を感じたりと、腸の調子が不安定になります。

特に更年期には、女性ホルモンの分泌低下が自律神経に影響を与えやすいため、こうしたお腹の不調が起こりやすいのです。

カイロプラクティックは、神経の通り道である背骨や骨盤の歪みを整えることで、自律神経のバランスを回復へと導くサポートとなります。神経の流れがスムーズになると腸の動きも活発になり、消化や排便といった基本的な機能が本来のリズムを取り戻しやすくなるのです。

腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、体と心の健康に密接に関わっています。腸と自律神経は、心と体をつなぐ大切な存在です。カイロプラクティック・ケアで自分の体としっかり向き合い、自分を労わる時間を少しでも増やしていくことで、日々の暮らしがぐっとラクになるかもしれません。

中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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