2025.03.13

生理痛の原因とは?—ホルモンバランスとの関係

カテゴリ: 健康通信
生理痛の原因とは?—ホルモンバランスとの関係

生理痛に悩まされる女性は多く、その痛みの程度や種類は人それぞれ異なっています。しかし、その根本的な原因の一つとしてホルモンバランスが深く関わっていることです。ホルモンの働きを知ることで、生理痛のメカニズムを理解し、より効果的な対策をとることができます。

今回のコラムでは、生理痛とホルモンバランスとの関係性についてお伝えしていきます。

ホルモンバランスと生理痛の関係

生理周期をコントロールしているのは、主にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つの女性ホルモンです。この2つのホルモンがバランスよく分泌されることで、スムーズな排卵や子宮内膜の調整が行われます。しかし、ホルモンバランスが乱れると生理痛が強くなることがあります。

特に、生理中に分泌されるプロスタグランジンというホルモンが生理痛の直接的な原因となります。プロスタグランジンには子宮を収縮させて経血を押し出す働きがありますが、この分泌量が多すぎると過剰な収縮が起こり、激しい痛みを引き起こします。また、プロスタグランジンには血管を収縮させる作用もあるため頭痛や冷え、吐き気を伴うこともあります。

ホルモンバランスが乱れる原因とは?

ホルモンバランスが崩れると生理痛が悪化しやすくなりますが、その根本的な原因には 自律神経の働きが大きく関わっています。

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つで構成され、私たちの体のさまざまな機能を無意識のうちに調整しています。交感神経は活動モード(ストレスを感じると優位になる)、副交感神経はリラックスモード(休息・回復時に優位になる)で、この2つがバランスよく働くことで、体の調子が整います。

 自律神経がホルモンバランスを左右する理由

自律神経とホルモンの分泌は、 脳の視床下部という部分でコントロールされています。
視床下部はホルモンの司令塔のような役割を持ち、自律神経とホルモンのバランスを調整しています自律神経が乱れると視床下部の働きが低下し、ホルモン分泌のバランスが崩れるのです。

自律神経の乱れが引き起こすホルモンバランスの変化

例えば、ストレスが多いと交感神経が過剰に働き、副交感神経の働きが低下します。すると次のような影響が出ます。

1. 女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の乱れ

 エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が低下
 → エストロゲンは子宮内膜を厚くし、生理周期を正常に保つ役割があります。分泌が減ると月経不順やPMS(月経前症候群) を引き起こし、生理痛が悪化することがあります。

 プロゲステロン(黄体ホルモン)のバランスが崩れる
 → プロゲステロンは排卵後に分泌され、妊娠をサポートするホルモンですが、ストレスによって分泌が乱れると、排卵障害や月経不順の原因になります。さらに、ホルモンのバランスが崩れることで 生理痛が強くなることもあります。

2. 血流の悪化

 子宮周辺の血流が低下し、酸素や栄養が行き届かなくなる
 → その結果、子宮の筋肉が固くなり、痛みが強くなる可能性があります。

 生理の際に出る「プロスタグランジン」が過剰に分泌される
 → プロスタグランジンは、子宮を収縮させて経血を排出する働きがありますが、分泌が過剰になると子宮の収縮が強くなり生理痛が悪化します。

 冷えによる影響
 → 自律神経の乱れは血管の収縮を引き起こし特に手足や下腹部が冷えやすくなるため、 骨盤内の血流が悪くなり生理痛が強くなる ことがあります。

3. ホルモン分泌の低下

 排卵や生理周期の乱れ
 → 強いストレスが続くと、脳(視床下部)の機能が低下し、卵巣の働きをコントロールするホルモンの分泌が乱れます。 その結果、 排卵がスムーズに行われなくなり生理周期が乱れることがあります。

 自律神経の乱れが副腎に影響し、ストレスホルモン「コルチゾール」が増加
 → コルチゾールが増えると、生殖ホルモンの分泌が抑制され、生理不順や無排卵月経が起こる可能性があります。

 腸内環境の悪化による影響
 → 自律神経は腸の働きにも関与しているため、乱れると腸内環境が悪化しやすくなります。 腸内環境が乱れるとホルモンの代謝がうまくいかず、エストロゲンが過剰になったり不足したりして生理痛を悪化させることがあります。

このように、自律神経の乱れはホルモンバランスに影響を与え、 生理痛の悪化や月経不順を引き起こす 可能性があります。日頃からカイロプラクティックケアで自律神経を整え、ホルモンバランスを安定させることが、生理痛を軽減することにも繋がってきます。

中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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