PMSと更年期の関係、ホルモンの変動が与える影響とは?

PMS(月経前症候群)と更年期は、どちらも女性ホルモンの変動によって引き起こされる体と心の不調ですが、その仕組みや症状には違いがあります。特に自律神経失調症とも症状が似ているため、どの不調がどの原因によるものなのか分かりにくいこともあります。
女性が一生のうちに分泌するエストロゲンの総量は、なんとティースプーン1杯ほどといわれています。意外かもそれませんが、たったこれだけの量で私たちの体調や感情が大きく左右されるのです。ホルモンバランスの変化は、PMSや更年期だけでなく自律神経にも影響を及ぼすため、不調の原因を見極めるのが難しくなることもあります。
このコラムでは、PMSと更年期の関係、ホルモンの変動が与える影響、そして自律神経失調症との違いについて詳しく解説します。
PMSと更年期、それぞれのホルモンの変動とは?
PMS(月経前症候群)は、生理前の黄体期(排卵後〜整理開始までの期間)に起こる症状のことです。この時期にはプロゲステロン(黄体ホルモン)が増えた後に急激に減少し、エストロゲン(卵胞ホルモン)も低下します。このホルモンの変動が、自律神経や脳内の神経伝達物質(セロトニン・ドーパミンなど)に影響を与え、不調が現れます。
PMSの主な症状には、イライラや抑うつ、情緒不安定、頭痛、肩こり、腰痛、眠気や不眠、むくみ、便秘や下痢、過食や甘いものの欲求などがあります。これらの症状は生理が始まると軽減または消失するのが特徴です。
一方、更年期は、40代〜50代(閉経前後約10年間)に起こるホルモンの変動が原因で発生します。エストロゲンが徐々に減ることでホルモンバランスが乱れ、自律神経にも影響が出ます。
更年期の主な症状には、のぼせやほてり(ホットフラッシュ)、発汗異常(汗をかきやすい/書きにくい)、動悸や息切れ、頭痛、肩こり、腰痛、イライラ、不安感、抑うつ、不眠、倦怠感などがあります。
更年期の症状はエストロゲンが減少し続けるため、長期間にわたるのが特徴です。一方で、PMSは毎月繰り返され、生理が来ると症状が軽減します。
自律神経失調症との違いとは?
PMSや更年期障害と自律神経失調症は症状が似ているため間違われやすいです。
自律神経失調症の主な症状には、疲労感や倦怠感、めまいやふらつき、動悸や息切れ、頭痛や肩こり、不安感や抑うつ、腸の不調(便秘・下痢)などがあります。
PMSは生理周期に関連し、月経が始まると症状が軽減します。更年期は40代以降に起こり、ホルモン減少が原因です。一方、自律神経失調症は年齢や性別を問わず発症し、ホルモンの変動がなくても起こるという違いがあります。
しかし、更年期障害のホルモン変動が自律神経に影響し、自律神経失調症のような症状を引き起こすこともあります。また、PMSが重症化し自律神経の乱れを引き起こすこともあります。
PMS・更年期・自律神経の乱れとカイロプラクティック関係
カイロプラクティックでは、背骨や骨盤での神経圧迫(サブラクセーション)を取り除き、神経サイクルを整えることを目的としています。自律神経はホルモンの分泌と密接に関いるため、交感神経と副交感神経のバランスがとれていることが健康維持には欠かせません。
神経の働きが正常化し自律神経が整うことで、ホルモンバランスが安定しやすくなり子宮や卵巣の機能が最大限に発揮されることに繋がります。
日常生活の中で定期的にカイロプラクティックケアを取り入れることで、心身の健康を維持しやすくなります。私たちの体には本来、自然治癒力が備わっておりそれこそが最も頼れる名医であり味方になってくれます。
自分の自然治癒力を最大限に発揮し自分に合った対策を見つけ、健康的な生活を目指しましょう。

執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。