【更年期のつらい筋肉痛のような痛み】実はホルモンと自律神経のサイン?

「朝起きたら全身がこわばっている…」
「動いていないのに、ふとももや背中が筋肉痛みたいに痛い」
「マッサージしてもスッキリしない」
そんな症状、もしかすると「更年期によるホルモンバランスの乱れ」や「自律神経の不調」が原因かもしれません。
40代以降、多くの女性が「何となくつらい」「疲れが取れない」「筋肉が重い」と感じやすくなるのは、実は身体からの大切なサインです。
今回のコラムでは、更年期に起こる“筋肉痛のような痛み”の原因についてご紹介します。
更年期に筋肉痛のような痛みが出るのはなぜ?
更年期の「筋肉痛のような痛み」には特徴があります。たとえば、肩や首、背中、太ももなどの大きな筋肉がこわばりやすくなります。また、朝起きた時に体が固まったように動きにくく感じたり、何もしていないのに筋肉がじんわりと痛んだりすることがあります。さらに、湿布やマッサージで一時的に良くなったと感じても、すぐに痛みやだるさが戻ってきてしまうケースも多いのです。
こうした症状は単なる年齢のせいだけではなく、身体の内側のバランスの乱れが背景にある可能性があります。
女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少
更年期に入ると卵巣の働きが徐々に低下し、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が急激に減少します。
エストロゲンには、筋肉や血管、神経の健康を守る働きがあります。このホルモンが不足すると、筋肉の柔軟性が低下し、こわばりやすくなったり微細な炎症が起きやすくなったりします。また、痛みに対する感受性も高くなり、普段なら気にならないような筋肉の緊張や張りが「痛み」として強く感じられてしまうのです。
そのため、特に何もしていないのに“筋肉痛のような重だるさ”を感じることが多くなるのです。
自律神経の乱れも大きく関係
自律神経のバランスはホルモンの変動にも大きな影響を与えます。特に更年期には、交感神経(=緊張モード)が優位になりやすくなります。その結果、筋肉が緊張し続けてリラックスできなくなったり、血流が悪くなって筋肉に酸素や栄養が届きにくくなったりします。そうした状態が続くと筋肉に常にこわばりや張りが残りやすくなり、結果的に「筋肉痛のような痛み」として感じられるのです。
更年期に自律神経の乱れで睡眠の質に影響を与えることもあります。寝つきに時間がかかる、夜中に何度も目が覚める、眠りが浅くて熟睡感がないなど、睡眠の質が低下しやすくなります。実は、深い眠りの時間帯は、筋肉の修復や疲労の回復が最も活発に行われる時間帯です。
この睡眠がしっかりとれないと、体は十分に回復することができず、筋肉に疲労や痛みが残ってしまうのです。
更年期の筋肉の痛みとカイロプラクティックの関係性
こうした症状に対しては、表面的なケアだけでなく根本原因を安定させるアプローチが大切です。
自律神経やホルモンバランスの乱れは、ほんのわずかな変化から始まります。その小さなズレは自覚しづらく、気がつかないうちに身体の不調として現れてくるのです。だからこそ、症状が明確に出る前の“予兆”を見逃さずに受け止めることがとても大切です。
カイロプラクティックでは、背骨や骨盤の歪みを整えることで、脳と身体をつなぐ神経の流れをスムーズにし、自律神経やホルモンの働きが本来の状態に戻るようサポートしていきます。神経の流れが整うことで、脳から身体への神経伝達が安定し、ホルモンの過剰な働きや不足などの不調が緩和される可能性があるのです。
重要なのは、神経の流れがどこで妨げられているのかを正確に見極めることです。
カイロプラクティック・ケアを受けることは、自分の体が発しているサインに気づくための貴重な機会です。
今こそ、自分の体とじっくり向き合う時間を持ってみませんか?

執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。