2025.04.14

体表温度検査とは?自律神経・ホルモンバランスと深く関わる”見えない不調”を可視化

カテゴリ: 健康通信
体表温度検査とは?自律神経・ホルモンバランスと深く関わる”見えない不調”を可視化

みなさんは、体表温度検査という言葉を聞いたことがありますか?これは、カイロプラクティックの世界でよく使われる非接触・非侵襲の検査法で、身体の表面温度を測定することで、自律神経の乱れや体のアンバランスをチェックするものです。

「温度を測って何がわかるの?」と思われるかもしれませんが、実はこの検査、ホルモンバランスや体調不良のサインを読み取る重要なツールなんです。

今回のコラムでは、カイロプラクティックの検査の体表温度検査と神経、ホルモンバランスとの関係性をお伝えしていきます。

体表温度検査とは

体表温度検査では、私たちの身体を調整している自律神経の働きを温度の変化から読み取ることができます。皮膚の表面温度は血流に影響されており、その血流をコントロールしているのが自律神経です。

たとえば、ストレスがかかると交感神経が優位になり、血管が収縮して体表温度が下がります。一方でリラックスして副交感神経が働くと、血管は広がり体表温度は上がる傾向にあります。

また、左右の体温に差がある場合、神経の伝達がスムーズでないことを示している可能性があります。特定の部位だけ温度が高ければ炎症反応が起きていることもあり、逆に全体的に温度が低い場合は、慢性的な緊張状態にあるとも考えられます。

こうした情報をもとに、身体のどこにストレスや神経の流れが阻害されているのかを可視化できるのが体表温度検査の大きな特徴で、カイロプラクティックにおいて重要な検査一つとなります。

自律神経とホルモンバランスの深い関係

自律神経は、私たちが意識しなくても心臓を動かし、呼吸や消化、体温調整などを24時間休まずにコントロールしてくれる”自動運転システム”のような存在です。交感神経と副交感神経という2つのモードがバランスよく働くことで、身体は快適な状態を保つことができます。

一方で、ホルモンバランスは脳(特に視床下部や下垂体)からの指令によって各ホルモンが分泌されるしくみになっています。そしてこの脳の働きに強く影響しているのが自律神経なのです。

自律神経の働きが乱れるとホルモンの分泌も不安定になり、生理不順やPMS(月経前症候群)、更年期障害、肌荒れ、体重増加、情緒不安定といった不調に現れることがあります。これは、見た目では判断しにくい「内側の不調」だからこそ、早めのケアが大切です。

体表温度検査が「隠れた乱れ」を見逃さない理由

体調不良の多くは、検査で「異常なし」と言われるレベルの段階から始まっています。

自律神経の乱れは目に見えませんが、血流や筋肉の緊張として温度に現れるため、症状として出る前に異変をキャッチできます。「なんとなく不調」を放っておく前に、温度変化という形で身体の声を聴くことができるのです。

カイロプラクティックケアと体表温度検査

カイロプラクティックでは、背骨や骨盤での神経圧迫(サブラクセーション)を整えることで神経系の働きを正常化し、結果的に自律神経のバランスを整えていきます。今の体の状態を視覚的に確認できます。また、施術前後の変化や数回の施術を通してどのように神経機能が回復していっているかを記録することもできます。

このように「感覚」ではなく「データ」として変化をみられることは、患者さんご自身の安心や納得にもつながります。

体表温度検査は、身体の「内側からの声」を知るための大切なツールです。自律神経とホルモンバランスは深く関わっており、体調全体に影響を及ぼします。


「なんとなく不調」にこそ目を向けて、あなたの健康を根本から見つめ直してみましょう。

中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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