2025.04.23

四十肩・五十肩はホルモンのせい?肩関節周囲炎と女性ホルモンの深い関係

カテゴリ: 健康通信
四十肩・五十肩はホルモンのせい?肩関節周囲炎と女性ホルモンの深い関係

40代〜50代の女性からよく聞かれる「腕が上がらない」「後ろに手が回らない」「肩が痛くて眠れない」といった症状。それは、もしかすると肩関節周囲炎、いわゆる「四十肩・五十肩」かもしれません。

加齢による関節の変化と思われがちですが、実はこの症状、女性ホルモンの変化と密接に関係していることが分かってきました。

今回のコラムでは、肩関節周囲と女性ホルモンの関係性についてお伝えしていきます

肩関節周囲炎とは?

肩関節周囲炎は、肩の関節や周囲の筋肉・靭帯・関節包などに炎症が起こり、痛みや可動域制限が生じる状態です。日常動作がしづらくなったり、夜間痛で睡眠に支障をきたすこともあり、生活の質を大きく下げる原因となります。

発症のピークは40〜60代とされており、特に女性に多くみられます。ではなぜ、この年代の女性に起こりやすいのでしょうか?

女性ホルモン「エストロゲン」の減少が影響

女性の身体は、40代以降に差しかかると更年期を迎え、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが急激に減少しはじめます。

エストロゲンには、血管や骨、筋肉、関節などの組織の柔軟性を保ち、炎症を抑える働きがあります。このホルモンが減少することで、

  • 関節周囲の組織の柔軟性が失われる

  • 炎症が起こりやすくなる

  • 筋肉や腱の回復力が低下する

といった影響が出やすくなり、結果的に肩関節周囲炎が発症・悪化しやすくなるのです。

特に「運動不足」や「姿勢不良」などが重なると、肩周囲の血流が滞り、筋肉や関節の動きが硬くなり痛みや可動域制限を助長することもあります。

自律神経の乱れも拍車をかける

自律神経が乱れるとエストロゲンの分泌にも影響を与えます。自律神経は体温調整、血流、ホルモン分泌、筋肉の緊張などをコントロールしています。

この自律神経が乱れることで、筋肉の緊張が取れにくくなったり、血行不良が進み、肩周辺の組織に栄養や酸素が行き渡らず、炎症が長引く原因にもなります。更年期に「肩こりがひどくなった」「手がしびれるようになった」と感じる方が多いのも、この自律神経の影響が大きいと考えられます。

カイロプラクティック・ケアで、ホルモン・神経・肩の痛みにアプローチ

肩の痛みは、ホルモンのバランスが乱れているサインかもしれません。

「年齢のせい」「使いすぎたから仕方ない」と我慢してしまいがちな肩の痛みですが、実は女性ホルモンの変化や自律神経の乱れといった、身体の内側からのサインであることが多いのです。

カイロプラクティックでは、背骨や骨盤のゆがみを整えることで、神経の流れをスムーズにし、自律神経のバランスを整えることを目指します。これにより、血流やホルモン分泌が安定し、肩関節周囲炎の改善にも良い影響を与える可能性があります。

また、肩の動きに関与する背中や胸郭、肩甲骨まわりの可動性を高めることで、関節への負担を軽減し、痛みの緩和や可動域の回復につながるケースも少なくありません。

日々のケアに加えて、ホルモンや神経のバランスにも目を向け、根本から整えていくことが、つらい肩の痛みと向き合うための第一歩になるかもしれません。

中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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