更年期と指の痛み、そのメカニズムとは?
「最近、指の関節がこわばる」「朝、手がスムーズに動かない」こんなお悩みを感じている方はいませんか?実はこれ、更年期にさしかかる多くの女性が経験する“指の痛み”のサインかもしれません。
一見、関係がないように思える「更年期」と「指の痛み」ですが、そこには密接な関係があるのです。
今回のコラムでは、更年期と指の痛みの関係性についてお伝えしていきます。
女性ホルモン(エストロゲン)の引き起こす変化
更年期とは、閉経を挟んだ前後5年、計10年ほどの期間を指します。この時期、女性の体内では卵巣の働きが徐々に低下し、それに伴って女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌が急激に減少していきます。
エストロゲンは、骨や関節、筋肉、血管、そして自律神経の働きを守る重要な役割を果たしています。そのため、このホルモンが減少すると体にはさまざまな変化が起こります。
具体的には、関節や腱に炎症が起こりやすくなり、筋肉や腱の柔軟性が失われてこわばりを感じやすくなります。また、エストロゲンには水分を保持する働きもあるため、それが減ると関節周囲の滑らかさが失われてしまいます。さらに、血流が悪化することで末端である指先への栄養や酸素の供給が低下し、結果として痛みやしびれを感じやすくなるのです。
自律神経の乱れが根本原因
更年期には、ホルモンバランスの変化だけでなく自律神経のバランスも崩れやすくなります。自律神経は、呼吸や血流、体温調節、内臓の働きなど、私たちの意識ではコントロールできない機能を調整している大切な神経系です。
この自律神経が乱れると、血流が滞ったり、筋肉が緊張しやすくなったり、神経が過敏になったりと、体のさまざまな部位に不調が現れます。特に、指先のような末端部位では、その影響が顕著に出ることがあり、朝起きた時や夜間などに痛みやこわばりが強くなるのも自律神経の不調が関係していると考えられます。
更年期の指の痛みは複合問題
このように、更年期に起こる指の痛みは、単に年齢による変化ではありません。女性ホルモンの減少による関節や腱の炎症、自律神経の乱れによる血流不良、そして筋肉や腱の柔軟性の低下が複合的に絡み合い、痛みやこわばりといった症状を引き起こしているのです。
カイロプラクティック・ケアとは?
このような更年期特有の痛みに対して、カイロプラクティックは根本からのアプローチが可能です。
カイロプラクティックでは、背骨や骨盤の歪みを整えることで、脳と体をつなぐ神経の流れをスムーズにし、自律神経のバランスを整えていきます。神経の流れが良くなることで、血流や内臓機能の働きも正常化し、ホルモンバランスの安定にもつながっていきます。
とくに更年期は、体調や気分が不安定になりやすい時期。カイロプラクティックの施術を通じて、自分の体の声に耳を傾け、無理なく心地よく過ごせるようサポートしていくことができます。
あなたのその「なんとなくの不調」、もしかしたら体が発している大切なサインかもしれません。
今こそ、からだ全体を見つめ直し、根本からのケアを始めてみましょう。

執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。