2025.04.11

更年期のむくみ、ただの水分過多じゃない?

カテゴリ: 健康通信
更年期のむくみ、ただの水分過多じゃない?

更年期に入ると、「夕方になると足がパンパンになる」「朝起きると顔が腫れぼったい」といった“むくみ”に悩む方が増えてきます。けれど、このむくみは単なる水分のとりすぎや運動不足だけが原因ではありません。実は、ホルモンバランスの変化と自律神経の乱れが大きく関係しているのです。

今回のコラムでは、更年期症状のむくみとホルモンと自律神経バランスについてお伝えしていきます。

更年期で女性ホルモンの減少がもたらす「めぐりの停滞」

更年期に入ると、女性ホルモンの一つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が急激に減少します。このエストロゲンには血管を柔らかく保ち、血液の流れをスムーズにする働きがあります。また、体内の水分や塩分のバランスを調整する機能も担っているため、エストロゲンが不足すると血流が悪くなり体の末端部分に水分がたまりやすくなります。

血流が滞ることで特に手足や顔にむくみが現れやすくなり、さらに老廃物の排出もスムーズにいかなくなるため、体のだるさや重さを感じる方も少なくありません。さらにエストロゲンの減少は毛細血管の働きやリンパの流れにも影響を及ぼし、より慢性的なむくみへとつながっていきます。

自律神経の乱れが体の水分調整を妨げる

自律神経のバランスの変化は、自律神経にも大きな影響を及ぼします。自律神経は、私たちの意識とは関係なく、血管の収縮・拡張、心拍、発汗、腎臓の水分排出などをコントロールしている重要な神経系です。

更年期には、この自律神経のバランスが乱れやすくなり、結果として血管の調整がうまくいかなくなったり、腎臓やリンパの働きが鈍くなったりして、水分や老廃物を体外にうまく排出できなくなります。加えて、精神的なストレスや不安、睡眠の質の低下なども自律神経を乱す原因となるため、むくみが一層悪化するという悪循環に陥ることもあります。

むくみは体の声。更年期ケアとカイロプラクティック

こうした更年期特有のむくみは、体からの“サイン”です。見た目や不快感だけでなく、体の内側で起きている変化に気づくきっかけと捉えることが大切です。

自律神経のバランスが乱れると、血流や水分の調整がうまくいかなくなり、体内に余分な水分が滞りやすくなります。この現象は、エストロゲン(卵胞ホルモン)の減少とも深く関係しています。エストロゲンには血管やリンパの流れをスムーズに保つ働きがありますが、更年期に差しかかるとその分泌が急激に減少し脳が水分や塩分のバランスをうまくコントロールできなくなるのです。その結果、顔や手足、体全体にむくみが生じやすくなります。

そして、自律神経系が乱れている状態では血管の収縮や拡張、腎臓の水分調整機能がうまく働かなくなり、体内の巡りが滞ることで、慢性的な浮腫みが発生します。また、ストレスや不安感、睡眠不足といった精神的な負荷も自律神経のバランスを崩し、むくみを悪化させる原因になります。

カイロプラクティックでは、背骨や骨盤の歪みによって神経の流れが阻害されている部分を調整し、自律神経の伝達をスムーズに整えることで、体全体のバランスを回復させるアプローチをおこないます。特に首や背中、骨盤まわりの調整を行うことで、脳と自律神経との連携が高まり、血流やリンパの巡りが改善され、浮腫みの軽減につながることがあります。神経の流れが整うことでホルモンの分泌や水分代謝が本来のリズムを取り戻しやすくなるのです。

また最近では、「フェムテック」と呼ばれる女性の健康をサポートするテクノロジーも注目されています。むくみや体調の変化を記録するアプリや、ホルモン周期に合わせた生活管理ができるデバイスなどが普及しつつあります。そのことによって、自分の体のリズムを可視化することでむくみが出やすいタイミングや要因を把握できるようになってきました。これにより日々の生活の中でむくみ対策を立てやすくなり、より早い段階での予防やケアにつなげることができます。

「年齢のせいだから」と見過ごさず、自分の体に目を向けてケアすることは、これからの人生をもっと心地よく過ごす第一歩です。更年期は新たなステージの始まです。更年期をより健やかに過ごすためにカイロプラクティック・ケアでホルモンのバランスを整えていきましょう。

中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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